2013年1月26日(土)18時30分から、大阪府枚方市のサンプラザ生涯学習市民センターにおいて「福島原発告訴団団長 武藤類子さんから学ぶ集い」が開かれた。
武藤氏は、現在の福島原発とそこで働く作業員の現状や、福島原発告訴団の活動の経緯を説明した。続けて、講演を行った地脇美和氏は、県民健康管理調査の裏で、秘密会議が行われていた問題などを解説した。
(IWJテキストスタッフ 富山/奥松)
2013年1月26日(土)18時30分から、大阪府枚方市のサンプラザ生涯学習市民センターにおいて「福島原発告訴団団長 武藤類子さんから学ぶ集い」が開かれた。
武藤氏は、現在の福島原発とそこで働く作業員の現状や、福島原発告訴団の活動の経緯を説明した。続けて、講演を行った地脇美和氏は、県民健康管理調査の裏で、秘密会議が行われていた問題などを解説した。
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はじめに、3.11以降の福島原発の状況を、スライド写真を用いながら解説した武藤氏は、原発作業員の60%が福島県民であることを指摘し、被曝線量限度を超えたベテラン作業員に変わって、経験の少ない作業員が増えている現状を説明した。
続けて、「私たちが得られている情報が、本当に正しいものか、わからない」と述べ、県に設置されているモニタリングポストの数値を疑問視する市民団体が、自前の空間線量計を使用して、数値を比較している動きや、線量計を設置する際に、周辺箇所だけ除染を行い、新たな土を盛って数値を押さえている疑惑など、除染そのものが疑問視されている現在の状況を説明した。その上で、「住めない場所を特定して、替わりの土地で新しい暮らしを築いていく方向性も示してほしい」と述べた。
また、環境省が、市民に対する説明を行わないまま、福島県の鮫川村に、放射性物質を含む落ち葉など農林業系副産物の焼却実証実験施設を、秘密裏に建設している動きに対して、武藤氏は「鮫川村は水が豊富で、いわき市の水源地になっている。本来、環境アセスメントをしなければならない問題である。何もわからないうちに、いろいろなことが密かに進められ、憤りを感じている」と話した。また、福島原発告訴団が結成された経緯と、活動の報告を行い、「告訴について、あまり報道されていないが、ブログなどを見て、今の状況を確認してほしい」と呼びかけた。
知脇氏は「県民健康管理調査を検討する委員会が、質疑応答のシナリオを作ったり、被曝量は少なかったという結論を記載した文書を配るなど、見解の擦り合わせが、秘密会議によって行われている」と問題視した。さらに、「県民健康管理調査の、住民への説明会も行われたが、これは『子ども達に健康被害はない』と言いたいがための説明会である」と指摘した。
また、3.11後、IAEAと福島県立医大と外務省が協定を結んだことについては、「福島を、チェルノブイリの二の舞にしないよう、監視して行動しているが、次から次に問題が起こっている。長崎、広島の原爆投下の後に、ABCC(原爆傷害調査委員会)が現地に入って、すべてのデータをアメリカに持っていったように、福島でも同じようなことをされるのかと、危惧している。被害が隠蔽されないように、行動していきたい」と述べた。
最後に武藤氏は、県外避難する市民に対しての補償が打ち切られ、避難しづらくなっている状況を説明し、「国を創るのは、私たち一人ひとりである。そういう自覚のもとに、考えなければいけない。また、日本国民が、この事故の当事者であるという思いで、行動していただければと思う。これからも福島を忘れないで、第二のフクシマが起きないように、皆さんと手を繋ぎながらやっていけたら、と思っている」と語った。