2013年1月25日(金)11時、東京都千代田区の財務省において、麻生太郎副総理(財務大臣兼金融担当大臣)の定例記者会見が開かれた。冒頭、麻生副総理は、日米租税条約の一部改正について、同日(米国時間24日)にワシントンで署名が行われたと発表した。条約の一部改正は、昨年5月に基本合意していたもので、2004年の全面改正以来、9年ぶりの改正であると述べた。
今回の改正の目的として、麻生副総理は、「投資所得に対する源泉地での課税をさらに減免する」「日米両国の租税当局間の相互協議手続きにおける仲裁制度の導入」「相手国の租税徴収を相互に支援する徴収共助制度の拡充を図る」ことにより、「日米両国間の投資や経済交流の一層の促進」と、「国際的な脱税や租税回避の防止に資する」と述べた。
- 日時 2013年1月25日(金)11:00~
- 場所 財務省(東京都千代田区)
続いて行われた質疑応答では、日本の金融緩和に対し、為替に与える影響を懸念する意見が海外から上がっていることについて、記者が見解を求めた。これに対し、麻生副総理は、「金融緩和は、あくまで日本がデフレから早期に脱却するのが目的であり、為替操作というような批判は全く当たらない。これまでの一方的に行き過ぎた円高が明らかに修正の動きにされつつある局面だ」と答えた。
25年度予算編成について、新規国債発行額を税収以下に抑えるという観点から、財政規律についての見解を問われた麻生副総理は、「新規国債発行が税収を上回る形での予算編成は、できるだけ避けるべきということを念頭に置いて、予算編成をしている最中だ」と答えた。
また、前日に発表された貿易統計において、過去最大の赤字となったことについて見解を求められた麻生副総理は、中国向けやヨーロッパ向けの輸出高が減ったことに加え、原発の営業運転が停止したことにより、石油やガスのスポット調達に数兆円の費用が掛かったことを要因として挙げた上で、「エネルギーコストの急激な値上がりが、貿易収支に与えた影響は極めて大きいと思う」と述べた。