2023年8月6日(日)午後1時30分より、広島県広島市の広島RCC文化センター7階大会議室にて、8・6ヒロシマ平和の夕べの主催による「8・6ヒロシマ平和の夕べ2023」が開催された。
主催者の始めの言葉と今回のプログラム紹介に続き、当時の貴重な証言者である森下弘氏が語った被爆体験談は、次のように極めて生々しくも凄まじいものだった。
(14:31~)
「(前略)その瞬間8時15分、原爆が炸裂するわけです。その瞬間なんですが、その日はもちろん朝からギラギラ太陽が輝いてました。(ご自身の描かれた絵を示して)ちょうどこういう感じで、みんな整列してたんですね。
原爆が炸裂した瞬間、私たちが感じたのは、もう巨大な大きな溶鉱炉の中へね、何千・何万度と燃えたぎっている、その巨大な溶鉱炉の中へスポーッと投げ込まれた、そういう感じだった。
当時、戦時中ですから、もし爆撃受けたらどうしようという訓練は一応受けてたんです。とっさに伏せる・そして目と耳を覆う・息を吐き出す、そういう訓練を受けてたんだけども、それを実行したかどうか分かりませんけど、とにかく巨大な溶鉱炉の中へスポーッと投げ込まれたような感じですね。
自分はそこへ伏せたつもりだけども、多分ですね、その時のことも後のことも何も覚えてないんです。だから多分まあ、叩きつけられて気を失ってたんだと思います。
その後ですね、その時どうだった、そして後どうしたか覚えてないで、気がついたら川の中へ入ってました。(爆風で)飛ばされたし、それで熱いからです(中略)」
(20:48~)
「しばらくして、我に返って歩き出したんです。そうすると向こうからですね、兵隊の群れがゾロゾロとやってくる。兵隊というのは、同じキャップを被ったみんな若い青年ですね。
それが腕を幽霊のようにぶら下げて、帽子のキャップの跡が(皮が)ズルッと剥けて、私の方に向かってくるわけですね。
その時に何か異様なこと、ありえないような異様なことが起こったと思ったんです。しかし、それが何事であるかはわかる由もないですね」
- G7広島サミット 被爆者からのメッセージ 森下弘さん(2023.3.13、NHK広島放送局)