「一時話題になっても(国民は)そのうち忘れてくれる、今回も逃げ切れる。時間が経てば桜は散ると、そう思っていたんじゃないでしょうか?」
2019年11月21日の参議院内閣委員会で、日本共産党の田村智子議員は、「桜を見る会」問題を巡る政府の対応について上記のように述べ、「安倍政権の7年間は、ごまかす、偽る、隠すの繰り返しだ」と批判した。
田村議員は、これで幕引きにしたら本当に政治は腐りきる、と危機感をあらわにすると、「官僚の皆さん、もう(安倍政権を)守らなくていいですよ。ここまで私物化やって、こんな明々白々の嘘ついて、開き直って、反省もしない。恥ずかしすぎる」と断じた。
安倍晋三総理は、この問題が表面化した当初、「私は招待者の取りまとめに関与していない」と答えていたが、山口県の安倍事務所が後援会員に送った「桜を見る会」への参加募集案内など、さまざまな証拠が示されると、「推薦者について、意見を言うこともあった」と人選への関与を認めた。その一方で、「最終的な取りまとめには一切関与していない」とも強弁している。
この日、田村議員は、2016年に「桜を見る会」の招待者を削減するプランがあった、という東京新聞の記事を紹介した。
2015年11月、パリで同時多発テロが発生したことから、日本政府も公式行事の警備内容を見直し、「桜を見る会」にも金属探知機配備や警備人員を増強する方針が打ち出された。そのために招待客を減らして、警備をしやすくする案が浮上したのだが、それは実行されなかったという。2016年7月に参議院選挙があり、自民党の支援者が「桜を見る会」に多数参加できるように配慮した結果だと、同記事は報じている。
- 桜見る会、招待客削減案立ち消え 16年に検討も参院選控え配慮か(東京新聞、2019年11月20日)
また、参議院選挙で改選を迎えた所属議員に対し、自民党が「桜を見る会」に後援会関係者を4組まで招待できる旨を記載した案内状を送り、議員ごとに「招待枠」を作っていたことも判明した。
- 自民、参院改選議員に招待枠 桜を見る会、選挙利用と批判も(共同通信、2019年11月19日)
自民党が、選挙を見据えて、支援者の歓心を買う手段として「桜を見る会」を使っていた構図が浮かび上がる。
「安倍政権が、安倍政権として生き残り続けるためには、選挙に勝ち続けなければならない。自民党の議員を当選させなければならない。そういう目的に『桜を見る会』を利用していたんじゃないのか。これは、公職選挙法違反の疑いがある」と指摘した田村議員。
最後に、「この問題は、絶対に総理に出てきていただいて、一問一答で、しっかりとご答弁いただく。膿を全部出し切る」と語気を強めた。
岩上安身は11月8日の参院予算委員会での田村議員の質問を受け、12日に田村議員にインタビューを行った。ぜひご覧いただきたい。
IWJでは、「桜を見る会」問題を記事としてまとめている。こちらもあわせてご一読いただいたい。
田村智子議員「安倍政権が、安倍政権として生き残り続けるためには、選挙に勝ち続けなければならない。自民党の議員を当選させなければならない。そういう目的に『桜を見る会』を利用していたんじゃないのか。これは、公職選挙法違反の疑いがある」 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/463210
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