日本共産党・田村智子参議院議員の、2019年11月8日、予算委員会での質問から火がついた「桜を見る会」問題は、日ごとに大きく燃え広がっている。
各界の功労者を慰労する趣旨の公的催しにもかかわらず、安倍晋三総理の後援会関係者が大量に招待され、総理夫妻が登場するニューオータニでの前夜祭は破格の低料金、「桜を見る会」当日は優先入場できるなど、まるで接待旅行のような実態が次々と報道され始めたのだ。
安倍総理は8日、「自分は招待者の取りまとめに関わっていない」と明言したが、菅義偉官房長官は11月13日の会見で、内閣官房が招待者を取りまとめる際、「総理、副総理、官房長官、官房副長官に対して推薦依頼を行っている」と認めている。政府トップの総理と、政府No.2の官房長官の発言が、すでに食い違ってしまっているのである。
11月14日、参議院内閣委員会で質問に立った田村議員は、引き続きこの問題を取り上げて、「官邸内には、総理推薦の仕組みがあったのでしょう?」と確認を迫った。
大西証史内閣審議官は、特別なことではないかのように「事務的なやりとり、長年の慣行」と繰り返したが、田村議員は、「長年の慣行なら(推薦の仕組みを)総理もよくご存知でしょう。8日の総理発言は、重大な虚偽答弁だ。これはもう、総理本人を質していかなければならない」とし、さらに国会で追及していく姿勢を見せた。
また、この日も田村議員は新たな証拠資料を提示した。下関の安倍晋三事務所が支援者に送った「桜を見る会」のご案内(平成31年2月)で、「出席を希望される方は(中略)安倍事務所または、担当秘書まで」と書かれている。
さらに、首相官邸ホームページのリンクにある2017(平成29)年「桜を見る会」の映像に言及し、そこで交わされていた安倍総理と世耕弘成経産大臣(当時)の会話を紹介した。
安倍総理が、世耕大臣の地元、和歌山の女性支持団体「ひまわり」会が来ているのかを尋ねると、前年は内閣官房副長官だった世耕大臣が、「今年は来ていない。副長官じゃなくなったから、招待枠がなくなって」と答えて笑い合っているのだ。
田村議員は、「役職によって(招待の)枠があって。総理や大臣は、こういう仕組み、やっぱりご存じだったんじゃないんですか」と重ねて問い質したが、大西審議官は、「長年の慣例で官邸内や与党にも推薦の依頼をしているが、枠という考え方があったわけではない」と苦しい答弁に終始した。