原発事故の最悪の事態に「政治家が腹をくくって『動くな』と言えるかどうか」!?「不正と捏造」を告発された早野龍五・東大名誉教授は、いざとなれば全国民の人権停止をと唱える原発ファシスト!? 2019.1.15

記事公開日:2019.1.15 テキスト
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(文:IWJ編集部)

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 2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原発事故による放射能汚染について、データにもとづき「危険ではない」と言い続けてきた原子物理学者の早野龍五・東大名誉教授が、英国の科学雑誌「Journal of Radiological Protection」(JRP)で発表した2本の論文に、本人の同意を得ていないデータが使われていただけでなく、データそのものが過小に評価されていたことが明らかとなった。

 毎日新聞が報じたところによると、「本人の同意のないデータが使われている」という住民からの「不正と捏造」の申し立てを受けた東京大学が、予備調査を始めたとのこと。

 このデータとは、福島県伊達市の人口の9割にあたる約5万9000人分のデータを解析し、生涯にわたる被曝量の予測をしたもの。このうち半分近い2万7000人分のデータが、本人の同意を得ないまま、研究者に提供されたというのである。

 また、データの過小評価について早野氏は、「計算ミスがあり、被曝線量を3分の1に過小評価していた」と認めているが、申立書では「線量を過小評価するための捏造が疑われる」と指摘している。

▲早野龍五氏(早野龍五事務所HPより)

 早野氏は論文だけでなく、原発事故の後に発せられた自分の発言そのものを改竄していたことも発覚した。データの過小評価と誘導的な話法によって、早野氏は、放射能に怯える多くの人々にニセの情報を与え、ニセモノの信頼をかき集めてきたと言えるのではないか。

 さらには、こうした誤ったデータにもとづいて、早野氏は非常にリスクの高い計画を実行していた。福島の高校生が廃炉作業の最中である福島第一原発を視察することを企画し、自ら引率していたのである。

 早野氏に「思想」と呼べるようなものがあるかどうか。仮にあると仮定した上で、このような行動を正当化できる早野氏の「思想」とは、一体どのようなものなのか。早野氏は福島原発事故前の2011年1月1日のツイートで、元日に靖国神社へ昇殿参拝したことを報告している。福島の原発事故後の早野氏の情報操作と早野氏の靖国への傾倒の間にはどのような関係があるのか。

論文に対する「不正と捏造」の申し立てに対し、早野氏は1枚の「見解」をツイッターにアップしただけ!?

 JRP誌の2本の論文の誤りが発覚して以降、だんまりを決め込んでいた早野氏だが、1月8日のツイッターで、ようやくこの件についてのコメントを発表した。

 「本日1/8、文科省記者クラブに『伊達市民の外部被ばく線量に関する論文についての見解』を貼出いたしました。70年間の累積線量計算を1/3に評価していたという重大な誤りがあったことと、その原因、意図的ではなかったこと、今後の対応、伊達市の方々への陳謝などを記したものです」

 ツイートに添付されている、早野氏が文科省記者クラブに貼り出したという「見解」によると、「不正と捏造の申し立てが東京大学に対して行われたことにつき、事実の経緯と、主としてデータ解析を担当した早野の見解を述べさせていただきます」として、次のように書かれている。

 「2018年11月16日にJRP誌より、『第二論文に対してS.Kurokawa氏より内容について学術的な問い合わせが届いたのでコメントするように』との連絡を受け、見直したところ、70年間の累積線量計算を1/3に評価していたという重大な誤りがあることに、初めて気づきました」

 その上で「誤りそのものについては、意図的でなかったことはご理解いただきたいと思います」と書かれていた。

 また、早野氏は、住民の同意を得られていないデータを論文に使用したことについては、2018年12月14日に「報道を通じて初めて知るところとなりました。私たちが伊達市から受け取ったデータには同意の有無を判断できる項目がなく、さらに幾度となく委託元である伊達市側に解析内容を提示した際にも対象者数に関するご意見なく、適切なデータを提供いただいて解析を行ったと認識しておりました。しかし不同意データが含まれているならば、事は誤りの修正のみにとどまらず、第一、第二論文そのものの扱いにも大きな影響を与える事態であると考えております」と書いている。

 早野氏は、累積線量計算の過小評価は「意図的ではなかった」、不同意データの使用は「すべて伊達市のせい」と弁明し、自分の故意性は否定しているが、不用意なデータにもとづく論文に問題があること自体は認めている。

 早野氏は2018年11月に「JRP」に論文の修正を申し入れ、手続きを進めているというが、どうやって正しいデータを揃えるのだろうか?「見解」には次のように書かれている。

 「二本の論文の解析に用いたデータは、福島県立医科大学の倫理委員会にて承認を受けた研究計画書に記載した通り削除しております。修正版を出すためには、同意が得られている方のデータのみを伊達市から再度私たちにお渡しいただき、それにもとづいて再解析をする必要があると考えていますが、それが可能であるか、いつ可否判断をいただけるか等については、今後委託元の伊達市と受託先の福島県立医科大学との間で協議がなされるとのことです。協議結果が出れば、それにしたがって最善の努力をいたします」

 この重大な誤りについて早野氏は、「東京大学に向けた調査の申し立てがあったことで、伊達市及び市民のみなさまにはご心配・ご迷惑をお掛けしておりますが、どうかご海容いただけますと幸いです」と、極めて軽く謝罪するにとどめ、自分が許されることを最優先するように文末で締めくくっている。

▲早野龍五氏が文科省記者クラブに貼り出した『伊達市民の外部被ばく線量に関する論文についての見解』(早野氏ツイッターより)

 岩上安身によるインタビューでIWJに何度もご登場いただいている上智大学の島薗進教授もツイッターで「これは誠実な応答とは言えない」と厳しく批判している。

 早野氏のこの間違ったデータにもとづいた理論によって、「安全」だとされて帰還させられた住民、それでも疑問や懸念を抱いた人々に浴びせられた誹謗中傷、地元産の農産物を食べさせられた子どもたちなどへの責任はどう取るつもりなのか。記者クラブへの貼り紙とツイッターでの軽い釈明で済む問題とは考えられない。

指摘された論文の「極めて重大な問題」には何も答えていない!? 過去にはメルトダウンを否定するツイートに同意しながら、なかったことに!?

 この早野氏の「見解」に関して、神戸大学教授であり、理化学研究所計算科学研究センターフラッグシップ2020プロジェクト副プロジェクトリーダーである牧野淳一郎氏は「極めて重大な問題がいくつも見受けられ」ると述べている。そのなかで最大の問題は、論文の問題点についての黒川眞一・高エネルギー加速器研究機構(KEK) 名誉教授によるJRPへの問い合わせに全く応えていないことだと牧野氏は指摘している。

 「黒川氏のレター論文では10箇所近い誤りが指摘されているにもかかわらず、早野氏の『見解』では、『3倍するのを忘れた』という1つだけを誤りとしており、それは黒川氏が指摘しているものではありません。 仮に黒川氏の指摘が誤りである、というなら、そのことを根拠をあげて説明することが研究者に最低限求められることでしょう。単に無視し、全く別のことを答える、というのでは研究者の論文に対する指摘への対応としておよそありえないことです」

 早野氏は黒川氏の指摘について「S. Kurokawa 氏からの問い合わせにも深く感謝申し上げます」と謝辞を述べているにもかかわらず、その問い合わせを無視しているのだ。

 このような早野氏の事実を改竄する傾向は、東日本大震災および福島第一原発の事故の直後からあったことも、牧野氏は同論文で指摘している。

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「ただ、私個人の印象としては、早野氏のTwitterでの発言は当初から福島第一原発事故の推移について、楽観的見通しを無責任に発信し、間違いが明らかになるといつのまにか修正する、というものでした。おそらく、そのようなスタイルこそが、多くの人に、『間違えることのない、信頼できる科学者』として受け入れられた理由になっているものと考えられます」

▲牧野淳一郎氏(東京工業大学地球生命研究所HPより)

 例えば事故後に発せられた早野氏の最初のツイートは、3月11日 23:55:51 の、メルトダウンの可能性を否定する京都女子大学社会学部教授の水野義之氏のツイートをリツイートしたうえで、同意を示すというものだった。このツイート自身はすでに削除されているが、早野氏のツイログに残されている。

「全くです.RT @y_mizuno: 九州大学の吉岡斉さんは、原発関連の科学技術政策の専門家なのだけれど、今回の福島原発で冷却できないとメルトダウンの可能性がある、などと言及されるのは理解できないなぁ。…そのコメントをするのであれば、関連分野の専門家を呼ぶべきでしょう。残念。」

 今では3月11日の深夜には、1号機のメルトダウンに至っていたことが判明しているので、このツイートは全く見当違いのものであることが分かっている。ところが約1年半後のインタビューで、早野氏は全く反対の事実を捏造しているのである。

 評論家の荻上チキ氏によるインタビューに応じて、当時のツイートを紹介しているのだが、驚いたことに早野氏が紹介した最初のツイートが次のようなものに変更されているのである。

「3月12日 14:22 hayanoCs137が出す662 keVのガンマ線を確認したという意味か.福島第一原子力発電所.Cs137は天然には存在せず,Sr90とともにウランの核分裂で生じる代表的な放射性同位元素」

 さらに早野氏は「それから、これは格納容器もきっと壊れているのではないかというようなことを言い始めた」などと、自分は格納容器の破損の可能性を当初から指摘してきたかのように述べている。ところが実際には、格納容器の破損についての「冷却に成功すれば大惨事は回避出来たと考えていいのでしょうか?」というツイッターでの問いかけに、早野氏は「はい。現場の方々の御努力に期待します」と答えている。このように、格納容器について早野氏は「壊れていない、問題ない」と言い続けてきたのだと牧野氏は指摘している。自身の発言について、早野氏は改竄し続けてきたのである。

巧妙な話術で読者を安全神話へと誘導する早野・糸井対談。ここでも過去の改竄が!

 早野氏は、2014年に「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰の糸井重里氏との対談本である『知ろうとすること。』(新潮社)を出版している。糸井氏は1980年代に作られた「不思議、大好き」や「おいしい生活」といったキャッチコピーで一躍有名になった著名なコピーライターである。早野氏は、2017年に、その糸井氏が代表を務める「株式会社ほぼ日」の「サイエンスフェロー」にも就任している。

 『知ろうとすること。』では、福島第一原発事故による放射能の影響は大したものではないという主張が、2人による「癒やし」の言葉とともに語られている。驚いたことに糸井氏は、この本のなかで次のような発言をしている。

 「あえていえば、なくてまったく問題ないなら、ないほうがいいですよ、原発なんて。でも、それは『はい・いいえ』だけじゃ言えない」

 自身は原発を反対する姿勢をみせながら、そう簡単にはいかない複雑な「現実」を匂わせる。その一方でその現実がどのようなものかについては一切語らない。「『はい・いいえ』だけじゃ言えない」現実について、言葉を尽くすことなく中身をわざわざ不透明にしたまま、原発を曖昧に肯定する方向へと読者を誘導するという、実に巧妙な話術を糸井氏は披露しているのである。これでは原発のリスクについて、『知ろうとすること。』どころか『知らなくていいこと。』である。本のタイトルは羊頭狗肉だと言わなければならない。

▲糸井重里/早野龍五『知ろうとすること。』(新潮社)

 早野氏もまた、巧妙な話術で福島第一原発事故の放射能が安全であるかのような印象操作を行っている。

 たとえば早野氏は福島の事故による放射能が過小なものであることを印象づけるために、1973年に実施された中国の核実験によるフォールアウト(放射性降下物)の放射線を持ちだしている。そのうえで「少なくとも首都圏に関しては、1973年のフォールアウトと比較しても、それほど心配するレベルではない」と断言している。しかしそれに関しての具体的なデータは一切あげていないのだ。

 同書の「あとがき」のなかでも早野氏は「ぼくは、3月12日に発したひとつのツイートをきっかけに、科学者の世界から飛び出してしまいました」と述べている。そして対談では「原発事故に関する最初のツイート」として、やはり「3月12日の「Cs137が出す662 keVのガンマ線を確認したという意味か.福島第一原子力発電所.Cs137は天然には存在せず,Sr90とともにウランの核分裂で生じる代表的な放射性同位元素」というツイートをあつかましくも堂々と紹介している(時刻は明記されず)。

 しかし牧野氏の指摘によれば、原発事故に関する早野氏の最初のツイートは、「3月11日23:55:51」の日付が入った「全くです.RT @y_mizuno: 九州大学の吉岡斉さんは、原発関連の科学技術政策の専門家なのだけれど、今回の福島原発で冷却できないとメルトダウンの可能性がある、などと言及されるのは理解できないなぁ。…そのコメントをするのであれば、関連分野の専門家を呼ぶべきでしょう。残念。」というリツイートなのである。ここでも早野氏は自分の発言の改竄を行ったことになる。

 早野氏に対して、多くの人が心細い気持ちを抱えながら3.11以来寄せてきた「間違えることのない、信頼できる科学者」というイメージと期待は、何のことはない、間違いの消去という改竄によって捏造された土台に築かれたものだったのだ。このような科学者として致命的なまでに間違った発言を公にし、しかもそうした発言が問題視されそうになると、平然と自分の発言を改竄し、ごまかしを重ねる。そんな手口を積み重ねながら、早野氏は一貫して「福島は安全」と主張してきたのである。

※牧野氏の指摘を確認するため、「Cs137が出す」で始まる早野氏の当該ツイートを実際に検索してみると、驚いたことに日時が2011年3月11日の21時22分と、牧野氏が提示した最初のツイートよりも早い時刻が記されている。一方で荻上チキ氏によるインタビューでは、当該ツイートの日時は「3月12日14:22」と明記されており、また対談『知ろうとすること。』においては「12日」と明記されているのだ。このような不整合が、本人による改竄の結果なのか、それともインタビューや対談本におけるデータの不備によるものなのか、あるいはシステム的な問題が原因なのかは、現在のところ不明である。この件に関しては、現在早野氏本人に問い合わせ中である。

まるで人柱!? 福島の高校生に原発の視察を要求する早野氏

 このように自分が捏造した「安全神話」にもとづき、早野氏はさらに恐ろしい行動に出た。あろうことか早野氏は、高校生による福島第一原発の視察に、引率者として関わっていたのである。これは2016年の11月11日に、福島県立福島高校の生徒13人が、東京電力福島第一原発を視察して、廃炉作業が進められている原子炉建屋などを見学したというものである。もともと入構の条件が「原則18歳以上」となっているにもかかわらず、東電が同校の要請に応じたのだ。

 NHKニュースでは、視察した高校生が、信夫(しのぶ)山の線量を計測する様子が伝えられている。信夫山は、東日本大震災直後に基準を超える放射線量が計測されたため、利用が制限されていた。

 驚いたことに高校生たちは、自分たちで計測した線量にもとづいて、信夫山への幼稚園児の遠足を再開しても大丈夫だと保護者に説明している。これでは、やっていることが早野氏と同じである。線量の計測の指導を早野氏がしたのだとしたら、早野氏は「安全神話」の強化に高校生を利用したことになる。

▲廃炉作業中の福島第一原子力発電所(東京電力HPより)

 早野氏は「廃炉の最終的なところを見届ける世代、特に福島で生まれ育った世代は、それをきちんと見ていく、一番最初のチャンスとして、現場はどうなっているか、君たちの目できちんと見てほしい」などと語っている。

 だが、なぜ福島で生まれ育った人間、しかも福島の原発の誘致についても一片の責任もない若い世代の高校生たちが廃炉を見届けなければならないのか。見届けるべきは東京電力の役員であり、原発を推進してきた御用学者ではないのか。これは福島生まれの若者への、差別まがいの不当な要求であろう。

 こちらの記事によると、早野氏はただ高校生を引率しただけではなさそうである。早野氏は「40年ともいわれる長い廃炉作業をこれから実際に担っていくのは、彼らのような若い世代です。現実をしっかりと見て、考えていく機会をつくりたいと思いました」と、またもや若者への理不尽な要求を語っている。しかもこの部分を読む限りでは、早野氏は企画段階から積極的に関わっていたようである。もはや科学者がなすべきことの範囲をこえた、度が過ぎた洗脳活動への加担と言える。

元旦に靖国への昇殿参拝をする早野氏は、原発事故の最悪の事態に際して「政治家が腹をくくって『動くな』と言えるかどうか」が重要と発言!! 被曝する国民の生命と健康は犠牲にしてもいい!? 緊急事態条項につながる原発+極右の人権感覚!

 いったい早野氏のこのカルトめいた安全神話への情熱はどこからくるのか。

 ツイッターでは、早野氏の靖国神社への前のめりの傾倒ぶりが取り沙汰されている。

 震災前の2011年1月1日のツイートには「靖国神社の昇殿参拝から戻り,来週〆切の某審査レポートを作成・送付.今日中にもう一件審査書類を書いてしまおう」と、元旦に靖国神社の本殿で正式参拝したことを報告する記述がある。

 また一部のツイートでは、早野氏が熱烈な「靖国サンパイヤー」であることが話題になっている。

▲靖国神社拝殿(Wikipediaより)

 2013年に「ほぼ日刊イトイ新聞」において、糸井重里氏と早野氏の対談が組まれた。糸井氏が2011年3月11日の福島原発事故を振り返り「そのとき、早野さんが考える『最悪』は、どのぐらいのものだったんでしょうか?」とたずねると、早野氏は次のように答えている。

 「最悪として想定していたのは、首都圏の退避、ないしは、避難が必要なレベルの汚染になるっていうことです。原発の格納容器が完全に破壊されて中のものが全部むきだしになってしまって、汚染の度合いも地域的な広がりもチェルノブイリ並みになってしまう。そういうことが起こると首都圏の汚染もかなりのレベルになるということは3月の半ばくらいには、うちのチームで最悪の事態として想定していました。

 また、そのころ、政府から意見を求められる機会もあったので、最悪の事態として汚染が広がったときに、政治家が腹をくくって『動くな』と言えるかどうか、ということをかなり議論した記憶があります」

 驚いたことに早野氏は「最悪の事故」を想定した上で、「政治家が腹をくくって『動くな』と言えるかどうか」だと言っているのだ。

 「動くな」とは国民に対する権力者による命令である。言葉だけでこんなことを言われたところで、チェルノブイリ級の汚染が首都圏に迫っていたら、そんな言葉に従わず、誰でも逃げる。逃げる自由が国民にはある――今のところは。

 だから、この「動くな」という言葉を実行力のあるものにするためには、現行の憲法秩序を超える異常なほどの権力を発動しなければならない。移動の自由、避難の自由を強権によって抑えこむ。これは国民一人一人の人権を無視するよう、政治家に決断をうながす言葉である。これは、今まさに安倍政権が緊急事態条項でやろうとしていることと同じではないだろうか? 

 第二次大戦で日本軍は、敵に降伏することを許さず玉砕を命じた。無謀な戦争で戦死した230万人の日本軍兵士を、日本は「英霊」として靖国神社に祀っているが、そのうち6割にあたる140万人は餓死者といわれている。国民が天皇の「臣民」とされ、基本的人権も国民主権も憲法によって保証されず、一人一人の人間が国家の命令にただひたすら服従するしかなかった時代の痛ましい特徴である。

 元旦からうやうやしく、靖国神社に正式参拝する早野氏に、原発のリスクを国民に強権によって押しつける恐るべき「極右」の姿を見る思いである。福島の高校生を自分が捏造した「安全神話」のための「人柱」として利用する思考と、国家の都合で国民に「動くな」と命じ、国民総被曝を強制してもかまわない、そうすべきであるという思考とは、靖国神社への傾倒・信仰は早野氏の中で矛盾なく結びついているのだろう。

 災害を口実に国民の権利を制限しようと安倍自民党政権が成立を目論む緊急事態条項の危険性について、IWJは2012年の自民党憲法改正草案の公表直後から警鐘を鳴らし続けている。特集ページも組んでいるので、ぜひご覧いただきたい。

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「原発事故の最悪の事態に「政治家が腹をくくって『動くな』と言えるかどうか」!?「不正と捏造」を告発された早野龍五・東大名誉教授は、いざとなれば全国民の人権停止をと唱える原発ファシスト!?」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    原発事故の最悪の事態に「政治家が腹をくくって『動くな』と言えるかどうか」!?「不正と捏造」を申し立てられた早野龍五・東大名誉教授の唱える「科学的根拠」のご都合主義!? https://iwj.co.jp/wj/open/archives/439619 … @iwakamiyasumi
    大多数の命と健康を危険に晒した大犯罪。この男の罪は絶対に裁かなければならない。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/1085669841141325826

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