(再掲)【岩上安身のツイ録】立憲民主党幹部らの伊勢神宮への集団参拝に正当性はあるか!? 神話と歴史の切断を経験しないまま、薄ぼんやりとその境界をごまかしてきた日本に残る排外主義・侵略主義の根! 2019.1.10

記事公開日:2019.1.10 テキスト
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(岩上安身)

 立憲民主党の枝野幸男代表、福山哲郎幹事長、蓮舫副代表ら党幹部がそろって伊勢神宮へ集団参拝し、その様子を同党の公式ツイッターで1月4日に公開したことで、強い批判にさらされている。

 立憲民主党の幹部らが伊勢神宮に参拝し、しかも党の公式ツイッターに写真を掲げ公人として振る舞ったという問題だけにとどまらず、彼(女)らがそれに何の問題も感じていないという点もあわせ、本件の深刻さが日に日に増している。

 以下、国家神道の問題点に関する、岩上安身の2019年1月8日のツイートを加筆・修正して掲載する。

 国家神道の頂点。伊勢神宮のアマテラスの造形は持統天皇がモデルとされ、プロデューサーは藤原不比等。天武・持統の頃の、祭政一致で、天皇に権威と権力が一致した専制国家を、しかも極限までの大増税を課したあの時代を、現代において了とするのか。政治家は歴史を学んでから参拝を判断すべし。

 (百田尚樹氏の『日本国紀』の記述は、近代以降、間違いだらけであるとのあるツイートにリプライする形で)近代以前もむちゃくちゃ。神武以来男系天皇が続いてきたとか。神武は神話上の人物。それを実在の人物としてカウントするなら、記紀の記述通り、神武の五代前の先祖であるアマテラスを実在の人物と考えなければならない。アマテラスは皇祖神にして女神。アマテラスから皇統が始まるならそもそも女系。

 アマテラスの息子、アメノオシホホミは、実はアマテラスの息子ではない。荒ぶる弟スサノオとアマテラスは対峙して、誓約(ウケヒ)をしてスサノオは男神をアマテラスは女神を生む。アメノオシホミミはスサノオが生んだ息子。それを交換してアマテラスの子とする。

 スサノオからオシホミミ、そして神武まで男系の血統が続いている、と主張するならば、アマテラスが皇祖神として祀られる理由はどこにもなくなる。アマテラスとスサノオの共通の親であるイザナギにすればいいだろう。イザナギ以前の神々もいる。アメノミナカヌシはどうして忘却されているのか。

 結局は、これらは神話に過ぎないのだ。神武ももちろん神話。フィクション。神武以来、万世一系、男系で皇統は続いてきたというフィクションをさも歴史的事実であるかのように思い込むのは狂信であり、狂信を人に押し付けるのは暴力である。

 神武が実在の人物であり、今上天皇まで男系で皇統が続いてきたと百田尚樹は書く。神武が実在ならば、母親の玉依姫もその姉の豊玉姫も実在の人物のはずだ。豊玉姫はアマテラスの孫のニニギの息子ホオリとの間に子供を産むが、出産中の姿をホオリが覗き見するとワニ(サメ)だった。神武の祖母はワニ。

 さらにホオリとワニの豊玉姫との間に生まれたウガヤフキアエズは、豊玉姫の妹の玉依姫、つまり自分の叔母を娶り、神武を産ませる。豊玉姫との姉妹関係を考えれば玉依姫もワニである。神武は祖母と母親が姉妹でしかもワニ。DNAの4分の3はワニということになる。こんなおとぎ話を事実と信じられるか⁉

 どんな民族でも幼年期があり、未開の思考、神話を語り継ぐ。しかし個々人においても夢見がちな幼年期に別れを告げ、現実を直視して成長を遂げていくように、どんな民族も神話と現実の歴史の切断を経験する。神話はファンタジーであり作り話であって、歴史は事実の集積であることを自覚するのだ。

 7世紀、天武・持統のもとで日本書紀の編纂を命じられた者たちも神話と歴史の違いを知っていたはずである。その境がかなり不分明だとしても。しかし、後年、本居宣長のように、古事記を絶対視し、書かれていることはすべて事実だと信じよ、と唱えるファナティックなイデオローグが現れる。

 はっきりとした、神話と歴史の切断を経験しないまま、薄ぼんやりとその境界をごまかして近世まで迎えたところで、本居宣長のような学者が中国ヘイトを煽りつつ、神話を事実と信じよと訴え、それが幕末維新を経て明治に入り、近代化の一方で国家神道という巨大な狂信の塊に膨れ上がってしまう。

 ぶくぶくに膨れ上がった狂信の塊がどんな悲劇をもたらしたか、今さらいうまでもない。右手に科学とその結晶としての近代兵器、左手に国民を臣民として奴隷化し、他国を睥睨して侵略するに都合の良いイデオロギーとしての神話を握り、大日本帝国という幼年期の精神をもった帝国が暴れ狂った。決して忘れてはならない歴史的事実である。

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  1. 齋藤信子 より:

    結局、時代時代の権力権威と国内海外の動向によって歴史は恣意的に隠蔽、捏造、歪曲されてきたと思います。宣長、福沢諭吉、明治維新、長州閥政治が支配した明治以後、それを肯定礼賛する学説や作家によって大衆に広まり、気が付いた時はフィクションの作者本人すら嘘とは言えなくなっていた。事実を掘り出す研究者が出たとしても大衆が許さなかったと思います。
    日本ではずっと非科学的、論理的思考は排撃弾圧されてきましたが、原田伊織氏の「明治維新という過ち」関良基氏の「赤松小三郎ー」梅田正巳氏の「日本ナショナリズムのー」など歴史に踏み込む岩上さんの歴史シリーズ復活を今年も楽しみにしております。お大事に。

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