2012年12月4日(火)、神奈川県相模原市中央区の淵野辺駅前で、神奈川14区から出馬する、社民党の福島みずほ党首が街頭演説を行った。脱原発基本法案の国会提出、廃炉法、電源三法改正への取り組み、若者と女性の雇用確保、格差是正、消費増税反対、TPP反対、憲法改悪反対など、党の姿勢をアピールした。また、県内の米軍基地について、「厚木基地の騒音問題に取り組む。オスプレイは来させない」と語った。
■録画配信日 2012年12月7日(金)
(IWJテキストスタッフ・山之内/奥松)
特集 TPP問題
2012年12月4日(火)、神奈川県相模原市中央区の淵野辺駅前で、神奈川14区から出馬する、社民党の福島みずほ党首が街頭演説を行った。脱原発基本法案の国会提出、廃炉法、電源三法改正への取り組み、若者と女性の雇用確保、格差是正、消費増税反対、TPP反対、憲法改悪反対など、党の姿勢をアピールした。また、県内の米軍基地について、「厚木基地の騒音問題に取り組む。オスプレイは来させない」と語った。
■録画配信日 2012年12月7日(金)
■全編動画
福島党首は、この衆院選にあたって、福島第一原発事故で被害にあった、福島県大熊町の人々が住む仮設住宅で、第一声を挙げたことを報告した。「被災者の声を心にきざみ、被災者支援と脱原発実現に取り組む」と決意を述べた。
福島党首は「社民党は40年以上、自分も30年以上、一貫して反原発の市民運動と協力してきた。ぶれていない」と強調し、自民党が政官業の癒着で原発を推進してきたことを批判した。「野田政権は、原発ゼロと言いながら、大間原発の建設を許可するなど支離滅裂だ。国会が原発推進になってきている」と指摘した。
脱原発への取り組みとして、「全国の原発行脚で、志賀原発の活断層調査を実現し、浜岡原発を止めた」と述べ、さらに「脱原発基本法案を国会に提出した。原発の再稼働や新設に反対する廃炉法を作り、電源三法を改正。原発立地県の雇用と経済を変え、2020年に脱原発を目指す」とした。そして、「もう一度、日本で原発事故が起きたら、日本は破綻する」と訴えた。
次に、格差の問題について、「若者の雇用が壊れていることこそ、日本の問題。正社員化、均等待遇の実現、長時間労働の規制をし、過労死防止基本法案を提案して成立させたい」と述べた。「大企業の内部留保240兆円に対し、個人の賃金は13年間下がり続けている」と指摘し、「消費税増税と、農業や生活を破壊するTPPには反対し、格差を是正する」とした。
上空に厚木基地に発着する飛行機が通過する中で、福島党首は「社会党時代から、厚木基地の騒音問題に取り組んできた。今後も国政で取りあげていく」と話した。さらに、横浜市青葉区(旧緑区)の米軍機墜落事故で男児2人と母親が亡くなったことに触れ、オスプレイ拒否を表明した。
憲法について、福島党首は「改悪を懸念している」とした。「集団的自衛権の行使を認めれば、アメリカの戦争に、日本の国防軍が参加することになる」と述べ、自民党の憲法改正案、国防軍設置と集団的自衛権行使の公約を批判した。さらに、戦争を禁止している憲法9条の重要性に言及し、「憲法は、絶対に変えさせない」と話した。
最後に、福島党首は、いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス)防止法の作成や、少子化担当大臣、男女共同参画担当大臣として男女平等政策に取り組んだ実績を紹介し、「女性と若者の声を、国会に反映させたい」と語った。
【以下、テキスト班による文字起こし】
皆さん、こんばんは。いよいよ選挙戦が今日から始まりました。今度の選挙戦、とても大事な選挙です。社民党は、生活再建、いのちを大切にする政治を全力で実現してまいります。私は社民党の党首、福島瑞穂です。ここ神奈川県新百合ヶ丘で、子どもを産み育て、地域で生きてまいりました。比例区は社民党、比例区は社民党、比例区は社民党、比例区は社民党。心からお願いをいたします。千葉からも出ています。神奈川でも出ています。南関東ブロックは、比例区は社民党、比例区は社民党、比例区は社民党、何が何でも社民党。今回は社民党。それを心からよろしくお願い申し上げます。
今度の選挙の争点は、格差是正か格差拡大か、そして脱原発か原発推進か、そして憲法を生かすのか憲法改悪か。それが問われる大事な選挙です。社民党は格差是正、脱原発、そして憲法を生かしていく。それで、全力で頑張ってまいります。南関東ブロック、比例区は社民党。心からよろしくお願い申し上げます。
まず、脱原発の話を聞いて下さい。今日は選挙の第一声。私、党首福島瑞穂は、福島で第一声をしました。そして大熊町で、集団避難をして、仮設住宅に住んでいる皆さんたちのところに行って、話を聞きました。これを心に刻んで、被災者支援と脱原発を実現するのだと、本当に心から思いました。「困っていることばかりだ」。そんな声も聞きました。高校生をお持ちのお母さん、私にこう言いました。「先が見えない。だから、ストレスまみれなんです。子どもは、地元の高校に入った。だから、3年間はここを離れられない。でも、ここ大熊町の仮設住宅から、いつどんなかたちでどこへいけるのか、まったくわからない。本当に不安とストレスまみれだ」と深刻な話をしてくれました。皆さん、これが福島原発事故の実態です。放射性物質が、海や山や川や大地に降り積もり、多くの人が家を失い、土地を失い、農地を失い、地域を失い、ふるさとを失い、お墓参りにも行けないんです。今日そんな話を聞きました。「自分の住んでいた町が、本当に足を踏み入れることの出来ない町になっていく」、「仮設住宅で、1年8カ月過ごしてきたけれど、先が見えない」。皆さん、そんな思いを私に話をしてくれました。皆さん、福島の被災地の皆さんの実態を知れば知るほど、16万人以上の人が、いまだもって避難をしている。その現状を知れば知るほど、なんとしても社民党は、皆さんと共に脱原発を実現したい。そう思っております。
皆さん、原発に賛成した人にも、反対した人にも、みんな降り積もるのが放射性物質です。社民党は、元祖脱原発の政党。40年以上、各地の反対運動、市民運動とつながり、裁判の支援をしてきました。私、福島瑞穂も、反原発に30年以上関わってきています。原発事故が起きて、本当に慚愧に堪えません。でもだから、今私たち社民党が思っていることは、2度と原発事故を起こしてはならないということです。自民党は、原発に関して、推進です。安倍総裁は、原子力規制委員会がゴーと言えば、新設、これから設置許可をしてもいいと言っています。そして、原子力規制委員会がオッケーと言えば、原発再稼働をしていくと言っています。原発どうするか? 10年間かけて、エネルギーミックス、ベストミックスを考える、そう言っています。これでは、原発推進です。政官行癒着で、原発を推進してきた自民党が、どう責任を感じているでしょう? どう責任を果たそうとしているのでしょうか? 私は安倍総裁に聞きました。「どう責任を果たすのか?」。安倍さんの答えは「高度経済成長期、安価な電力として原発があり、産業が栄えた」。そう答えました。冗談ではありません。皆さん、どうですか? ふるさとを失った人たちが16万人いて、福島以外にも、私たち今、子どもたちの健康調査について、「茨城で、千葉で、埼玉で、宮城でやるべきだ」と、行政と交渉しています。みんな、子どもの命と健康を心配しています。原発は、安価なエネルギーでしょうか? 冗談ではありません。ふるさとを失って、何が安価か! なにが安いんだ! そう言いたい。皆さん、社民党は、どんなことがあっても、脱原発を実現してまいります。野田政権は、2030年代原発ゼロと言いながら、大間――青森県大間原発の、建設まだ4割もいっていない原発にゴーサインを出しました。出来上がって、すぐ壊すつもりなんでしょうか? 支離滅裂です。
皆さん、国会の中で、実は原発推進が進んでいる。そのことを是非、知ってください。社民党が、今取り組んでいることは2つあります。脱原発全国行脚で、全国の原発を見て、調査に入り、あの福井県大飯、あの石川県志賀原発の活断層の調査を実現しました。そして、浜岡原発を止めました。全国の原発を調査に入り、「活断層があるじゃないか」と1つ1つ弱点を指摘し、廃炉にするように、ストップにするように、具体的に地を這うように取り組んでいるのが、皆さん、社民党なんです。福島瑞穂なんです。そして、2つ目。社民党は、脱原発基本法案を国会に提出しました。2020年に、脱原発を目指す。再稼働反対。新設反対。そして、2020年脱原発を実現する。廃炉法を作り、電源三法を改正し、原発立地県の雇用と経済を変えてまいります。
皆さん、どうでしょうか? この神奈川県でも、そして足柄のお茶にもセシウムが出ました。本当に子どもの命を心配しました。今、地下の、地震の活動が活発になっております。もう1度、マグニチュード8、あるいは活断層がずれて、日本で原発事故が起きたら、日本は破綻する。破壊される。そう思っています。どうか皆さん、私たち社民党は、本気で脱原発をやる政党です。ぶれぶれの政党とは違います。皆さん、3月11日、去年原発事故が起きた時点で、唯一の、唯一の脱原発の政党は、社民党でした。私たちは、元祖脱原発の政党として、しっかり頑張ってまいります。
2つ目、格差の問題を聞いて下さい。皆さん、今若者の雇用が壊れていっている。本当にそのことこそ、日本の問題だと思っています。50代、60代の年功序列、終身雇用とは今違っています。今、若い人たち、そして女性の2人に1人が、パート・派遣・契約社員です。私たち社民党は、正社員化にする。均等待遇の実現、正社員の皆さんの長時間労働の規制。家族が過労死をした皆さんたちは、過労死防止基本法案を提案しています。社民党も、過労死防止基本法案を国会に提出して、成立させたい。そう思っています。皆さん、今日本では、13年間賃金が下がり続け、あるところにお金はあるが、ないところにはない。大企業は、内部留保として240兆円のお金を持っています。しかし、個人の賃金は、どんどんどんどん下がり続けています。一番ピーク時の法人と所得税の最高税率、これに比べて、18兆円の差が出ています。
皆さん、個人の雇用、個人の生活を立て直さない限り、社会保障の担い手、この人たちが、本当になくなっています。ここ淵野辺駅は、桜美林大学、いろんな大学が近くにあります。青山学院もあります。若者の雇用、どの世界も問題だけれども、若者の雇用、これこそ、社民党がしっかり立て直し、そして、応援をしていく。低賃金の人たちを本当になくしていく。そのことに全力を上げてまいります。皆さん、最低賃金1000円以上、高いと思われますか?でも、皆さん、最低賃金1000円でも、1日8時間、月に20何日働いても、年収200万円にはならないんです。どうでしょうか? 年収が200万円に達しなければ、なかなか、親元を出られません。どうか皆さん、雇用を立て直す、雇用こそ立て直す、そんな社民党を応援して下さい。
格差拡大、貧困があるということが問題なので、社民党は、消費税増税に反対です。富裕層になぜ増税をしないのか。1%になぜ増税をしないのかと思っております。そして、農業、生活を破壊するTPPには反対です。豊葦原の瑞穂の国。私の名前は瑞穂です。福島を守れ、瑞穂を守れ。福島を救え、瑞穂を救え。そう思っています。新自由主義も、TPP参加にも社民党は反対です。格差を拡大するのか、格差を是正するのか、はっきりしています。私たちはぶれずに、格差を是正してまいります。
そして最後に、ここは厚木基地が近く、私たち社民党が社会党時代から、厚木基地の爆音、騒音の問題に取り組んできました。裁判が起きていて、この爆音は、違法だと指摘をされています。明日が高校受験という日の前に、タッチアンドゴーがうるさくて、受験生は本当に気の毒、かわいそうだった。大事なときに、本当に爆音がうるさくて、授業が出来ない。運動会が妨害されている。そんな中で、これからも厚木基地の騒音の問題は、国政で、しっかり取り組んでまいります。でも皆さん、この厚木基地にオスプレイが来るんです。あの沖縄の強制退去で断固反対でみんな頑張っている、オスプレイが厚木基地にやってまいります。私は、社民党党首、福島瑞穂です。
私は、防衛省の役人に聞きました。「オスプレイが、厚木基地にきますか?」。防衛省の役人は答えました。「はい。厚木基地にやってきます。給油と整備と休憩で、厚木基地にやってきます」。どうですか? この厚木基地に、オスプレイがやってくるんです。横浜は今青葉区で、以前の緑区で、米軍のジェット機が、27年前に墜落し、小さな男の子が2人亡くなって、お母さんも長い闘病生活の末、亡くなってしまわれました。ここ神奈川は、たくさんの、淵野辺も相模原もそうですが、米軍ジェット機の部品の落下事故がたくさんおきています。オスプレイを厚木基地に持ってこらせては駄目です。「全国の基地を使う」。そう、防衛省も言っています。全国の基地を我が物顔でオスプレイが使い、日本全国をオスプレイの練習場にするわけにはいきません。
皆さん、こんばんは。いよいよ今日から衆議院選挙が始まりました。私たちは、社民党です。私は党首、福島みずほです。どうか比例区は社民党、比例区は社民党、比例区は社民党。心からお願いをいたします。皆さん、今度の衆議院選挙が終わったら、国会は、憲法改悪の国会になるのではないかと大変危惧を持っております。皆さん、自民党は、新日本国憲法の改正案を提案し、公約でも国防軍の設置と、集団的自衛権の行使をうたっています。皆さん、もし、国防軍とし、もし集団的自衛権の行使を認めれば、アメリカが世界で戦争をするときに、日本の国防軍が参加してしまいます。皆さんどうでしょうか? あのイラク戦争で、自衛隊はイラクに行ったが、戦闘行為には加われなかった。日本国憲法9条は、戦闘行為をしてはならない。戦争をしてはならない。そう決めているので、政府がどんなに戦争をしたくても、政府がどんなにアメリカと共に戦争をしたくても、憲法が戦争を禁止しているんです。日本の憲法9条が、役立っているわけです。あのイラク戦争は、大量破壊兵器を理由に始まりましたが、大量破壊兵器などありませんでした。誤った戦争に日本が加わってはなりません。
私、福島みずほは、命以上に大事なものはない。そう思っています。そして皆さん、どうでしょうか? 原発も戦争も、違うけど似ている。そう私は思います。一握りの人間が… (上空を戦闘機が通過) 今また戦闘機が走っていますが、皆さんどうですか? 日常生活の中で、この騒音の中で暮らさないといけない。オスプレイが飛んで堕ちてきたら、大惨事になってしまいます。皆さん、憲法9条を変えると公言している自民党。そして、維新の会も自主憲法制定です。民主党の中にも、未来の党の中にも、集団的自衛権の行使を認める人たちがいます。皆さん、だから社民党に託して下さい。社民党に、憲法9条を変えさせない。戦後67年間を破壊させない。その力を、社民党に与えて下さい。皆さん、今度の選挙は、格差是正か格差拡大か、脱原発か原発推進か、憲法を生かすのか憲法改悪か、この3つが総選挙の争点です。皆さん、民自公維新の会の格差拡大、原発推進、そして憲法改悪と対峙できるのは、抵抗できるのは、戦えるのは社民党です。どうか皆さん、社民党を、心からよろしくお願い致します。
今の政治は、若者、女性、障害のある人、高齢者、病気の人、そういう働く人たち、そういう声を本当に活かしていません。皆さん、最後にひとつ、聞いて下さい。あるNGOが、男女平等政策の採点をしました。社民党が1位に輝きました。社民党は、ずっと男女平等政策を掲げて、民法改正やいろんなことにチャレンジをしてきました。私福島瑞穂も、ドメスティックバイオレンス防止法を超党派でつくり、また少子化担当大臣、男女共同参画担当大臣として、さまざまな男女平等政策に取り組んできました。女性への暴力をなくさないといけない。女性の貧困も、女性の雇用の問題も、子どもを産んだら仕事を辞めざるを得ない、そんな環境もしっかり変えてまいります。皆さん、女性の声を国会に、若者の声を国会に。
皆さん、オスプレイに断固反対できるのは、社民党です。この厚木基地に、オスプレイを来らせてはなりません。私たちは、ぶれずに元祖格差是正、元祖脱原発、元祖護憲、元祖厚木基地問題。それで頑張ってまいります。どうか皆さん、今日から選挙が始まりました。12日間の選挙戦。16日が投票日です。これで、日本の憲法のあり方が決まる。日本のエネルギー政策が決まる。雇用が決まる。消費税増税、私たち撤回法案を出してまいります。どうか、小選挙区は、今井たつや、今井たつや25歳。比例区は社民党、比例区は社民党、比例区は社民党、比例区は社民党、心からよろしくお願いを申し上げます。社民党党首、福島瑞穂です。私も神奈川県の住人。神奈川で子どもを産み育て、働いてまいりました。大好きな神奈川。どうか、南関東ブロックで、比例区は社民党、よろしくお願いいたします。聞いてくださってありがとうございます。ありがとうございます。