東京電力福島第一原子力発電所事故による住民の健康管理のあり方に関する検討チーム 第1回会合 2012.11.30

記事公開日:2012.11.30取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ/奥松)

 2012年11月30日(金)15時30分より、東京都港区の原子力規制委員会庁舎で、「東京電力福島第一原子力発電所事故による住民の健康管理のあり方に関する検討チーム 第1回会合」が行われた。

■ハイライト

  • 出席者
  • 中村佳代子氏(原子力規制委員会 委員) 大津留晶氏(福島県立医科大学医学部 教授) 小笹晃太郎氏(放射線影響研究所 疫学部長) 木田光一氏(福島県医師会 副会長) 中村伸裕氏(福島県保健福祉部健康増進課長) 佐々恵一氏(福島県保健福祉部健康管理調査 室長) 今野和哉氏(福島県保健福祉部地域医療課 副主査) 桐生康生氏(環境省環境保健部放射線健康管理担当参事官) 室石泰弘氏(原子力規制庁監視情報課長) 相良雅史氏(原子力規制庁監視情報課専門職) 東大輔氏(原子力規制庁監視情報係長)
  • 日時 2012年11月30日(金)
  • 場所 原子力規制委員会庁舎(東京都港区)

 冒頭、中村委員が「他の機関で、すでに調査などが実施されているが、規制委員会としても同様な健康調査や管理を行い、提言や指針などを作成して、少しでも住民の不安を払拭できるようにしたい。また、他の調査や健康管理を否定するものでは一切ない」と要旨を述べた。

 続いて、環境省の環境保健部放射線健康管理担当参事官、桐生康生氏が、福島県民健康管理調査やそれに関連する事業の概要を説明した。桐生氏は「国の基金を使い、福島県が県民健康管理調査として、被ばく線量の推計、18 歳以下の甲状腺超音波検査、住民の健康診断、こころの健康度調査、妊産婦に対する調査などを実施している。被ばく調査に関しては、2012年10月31日現在まで23万人を調査、99.9%以上の方が10ミリシーベルト未満の被ばく量だった。18歳未満の甲状腺検査では、結節・膿ほうなどが200人に1人の割合で見つかり、現在1名に甲状腺ガンの発症が確認された」と、各調査方法とその経緯、検査結果などを報告した。

 次に、福島県保健福祉部健康増進課の佐々室長から説明があった。佐々室長は「大きく3点の課題がある。1つ目は科学的知見や単位や基準が不明確。法令上の基準、政策上の目標が混在し、不安や不信の増幅を招いている。2つ目に、そのための徹底的な調査や研究、検証の速やかな実施と、数値の客観性の確保。3つ目は、避難住民の所在や住所の把握の難かしさ。そして、各組織における自治体職員の不足も挙げられる。内部被ばく検査(ホールボディ検査)の課題、甲状腺診断の不明確さと所見の欠如、検査や測定機材の不足。また、健康保険などの適用基準のあいまいさなど、さまざまな問題がある」と、健康調査の具体的な課題を指摘した。

(…会員ページにつづく)

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