猪瀬直樹 東京都副知事 記者会見 2012.11.16

記事公開日:2012.11.16取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・中川/澤邉)

 2012年11月16日(金)15時、東京都新宿区の東京都庁第一本庁舎で「猪瀬直樹東京都副知事 記者会見」が行われた。会見では、東京電力との契約解消や東京都職員の退職金の見直しなどの発表があった。また、注意事項として、猪瀬副知事から発表された内容にのみ質問が限定されていたことから、都知事選に関するコメントはなかった。

■全編動画

  • 日時 2012年11月16日(金)15時
  • 場所 東京都庁第一本庁舎(東京都新宿区)

 冒頭、猪瀬副知事は前日(11月15日)に亡くなった三宅久之さんの訃報に触れ、「本当に心からお悔やみ申し上げたい」と涙を浮かべながら述べた。

 まず、猪瀬副知事は、都営地下鉄の電車内で携帯電話やWiMAXの通信サービスエリアが拡大したことを報告した。また、同地下鉄の駅ホームから地上までをエレベーターで移動できるバリアフリー化について、「来年3月までに、全体で106駅あるうち103駅、つまり97%がワンルート整備可能となる。残り3駅は、すでに工事を実施しているので、近々100%になる」とコメントした。

 次に、国際展開を推進してきた東京水道に動きがあると発表。漏水率が30%に達するタイに「試験的に東京の漏水防止技術を導入したら、そのエリアは3%になった。この実験が評価されて、東京水道サービスがバンコクで漏水防止のパイロット事業を行なうことが決まった」と、これまでの経緯を明かした。そうした中、「タイ側から東京に対して、水道の技術力向上のための人材育成、相互派遣の強化、育成内容の充実というスキームの協力を求めてきた」と話し、タイの水道会社である首都圏水道公社と、人材育成に関する覚書の締結を11月26日に行うと発表した。

 東京都の交通局が保有する水力発電所(多摩川第一発電所、白丸発電所、多摩川第三発電所)は、これまで東京電力に安い価格で電気を売ってきた。猪瀬副知事は電力供給の基本契約を解消しようと2012年4月から話し合いを続けてきたが、東京電力が「50億円を負担せよ」と解約条件の支払いを求めてきたことを明らかにした上で、この要求を「毅然として拒否する」と一蹴した。

 そして、最後に「東京都として過去最大の引き下げ」と、職員の退職手当を2013年1月から段階的にカットしていくことを発表した。1人当たり平均約340万円、率にして13%の削減を実施して、「平年度ベースでの一般会計で約150億円の人件費削減の効果を見込んでいる」と語った。なお、職員に対しては「身を削って懸命に仕事をする姿には深い感動がある。誇りに思う」と付け加えた。

 質疑応答では、東京電力が要求している損害賠償について「ディール(取引)の額に応じて決まると思うがどうか」との問いが出た。猪瀬副知事は「契約はあと6年残っている。それを待っていたら電力の自由化はできない。50億円というのは、こちら側でいろいろ考えた金額とは全然違う」とした上で「今、1キロワットを7円で売っている。普通、15円とか20円ぐらい。自由競争で入札になるから、公正な相場で電力の取引ができる」と述べた。

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