カナダにいるジャーナリストの小笠原みどりさんから、メールが送られてきた。この選挙を日本から離れて見ている時、いてもたってもいられない気持ちになって、緊急のエッセイをNPJに寄稿した、というメールだった。
カナダにいて、子育てをしながら、大学の博士課程で研究をしていて、トルコやイランや中国やロシアから、半ば逃げるようにしてやってきた同僚と話し合ううち、日本人である自分を含めて、いかに境遇が似ているかを確認しあい、危機感を募らせている、という。
トルコでは、わずか4年前まで、SNSを通じて、民主化を進めていけるという希望が満ちていたのに、エルドアン政権があっという間に独裁権力を強化し、ジャーナリストや知識人らに対する弾圧を強め、声も出せないようにしてしまった模様が記されている。
同僚からそうした体験談を聞きながら、安倍政権がエルドアン政権に酷似していること、これから急速に独裁化への道を進めるのではないかという懸念があることを、小笠原みどりさんは指摘している。
論理的な根拠もある。背景には米国が日本を戦争遂行のための道具として使おうとしている事実がある。トルコと日本と、その点で置かれている立場は似通っている。いずれもユーラシア大陸の縁に位置していて、欧米化しながらも、西欧から見れば異分子のまま。
小笠原みどりさんが書かれた緊急エッセイには、「墓穴」という言葉が使われている。
僕へのメールの中で、小笠原さんは「『墓穴』は比喩ではありません」と書いている。その意味は、一読されればおわかりになると思う。ご一読をお勧めしたい。
小笠原氏には複数回、日本の監視社会化についてインタビューを行なっている。ぜひ以下の記事をあわせてご視聴いただき、この選挙の結果と監視社会化が結びついた時、我々国民に何がもたらされるかをご想像いただきたい。
※2017年10月23日付けのツイートを並べて加筆し、掲載しています。