「芦名を考える会はまゆう」と神奈川県内数団体による要望書の提出と記者会見 2012.11.6

記事公開日:2012.11.6取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・小山内/澤邉)

 2012年11月6日(火)、神奈川県横浜市中区の神奈川県庁で「『芦名を考える会はまゆう』と神奈川県内数団体による要望書の提出と記者会見」が行われた。

 被災地(岩手県)の漁網を受け入れる神奈川県の計画に反対している市民団体・芦名を考える会はまゆう代表の原田周二氏は、「協定書を変えてまで受け入れることは、県民全体に問うべきだと思う」と述べたほか、同じく市民団体・相模原の未来を考える会代表の関戸正樹氏が「被災地で処理することが被災地の復興につながる」と、漁網受け入れの中止を訴えた。

■全編動画

  • 日時 2012年11月6日(火)
  • 場所 神奈川県庁(神奈川県横浜市)

 原田氏が、黒岩神奈川県知事に漁網受け入れに反対する394名分の署名を提出した。また、関戸氏と神奈川県がれき問題交渉チームからも、抗議・要請文が提出された。

 記者会見では、同席した地域政党、神奈川ネットワーク運動・横須賀の代表、瀧川君枝氏が「今回、1兆700億円にのぼる巨額の税金を投入して、瓦礫処理が進められることになった。自区内で処理をするということは検討されてきたが、全国の産廃処理業者、それから一般廃棄物の自治体の処理処分場などを使って(ごみ処理を)投げかけていくうちに、量的にも処理的にも齟齬が出てきてしまった。突き詰めていったところ、政策の誤りであることを実感している」とコメント。さらに、「大切な税金は復興のために使っていくことが求められている。自治体の長の方たちからも『自分たちで処理させてもらいたい』という声が上がっている」と述べた。

 また、最終処分場のある地元住人(横須賀市西地区)の一人は、「私たちの地域はとても閉鎖的で、前回の芦名の処分場の時もそうだが、反対の意見がいつのまにか賛成に変わってしまうような、そして、それを誰が賛成に変えたかわからないような、そんな地域。今回そのようなことがないように、大切なことを訴えていきたい」と語った。

 さらに、進行役を務めていた女性が、「横須賀の資源循環課の職員が、とある横須賀市議に漁網の動きを尋ねたところ、横須賀市長が岩手県の現地視察のあと、『漁網の話は私に任せてください』と、8日の連合町内会の定例会で役員に言いに行くという情報が複数から入っている」と明かした上で、「横須賀市に電話して確認すると、市の職員は、否定はしなかった。また、東京新聞を見ると、今週、横須賀市長は現地入りするという話もある。奇数月は大楠連合町内会の定例会があるので、さまざまなことを考えると、やはり横須賀市長は8日に連合町内会のほうに行くのではないかと推察される」と口にした。

 続いて、関戸氏が「なぜ、600キロメートル離れている洋野(ひろの)町から神奈川県に運んでくるのか、というのが、そもそもの問題である。これは放射性物質うんぬんの問題ではなくて、被災地で処理することが被災地の復興につながる」と漁網処理のあり方を指摘した。

 記者から「岩手の漁網は環境を壊しかねないという解釈をしているのか」と尋ねられると、原田氏は「(環境を壊しかねない物質が)含まれているものもあると思う」とした上で、「我々に対する説明をシャットアウトしている。一部の町内会だけ、大楠連合町内会の中の大楠だけ、その処理施設があるところだけに説明をしている。本当にそれは許しがたい問題」と付け加えた。

 さらに、前述の地元住民から、「今回の説明会の案内は『県が説明会を開きます。申し込み制です』と、回覧板で回ってきた。お年寄りも多い地域なので、面倒な手続きを経てまで参加する人がいるかどうか疑問に思う」とした上で、「本当に住人のことを考えているのなら、町会長が一軒一軒回って参加の有無を回収するなど、もう少し親切な説明があってもいいと思う」と訴えた。

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