映画『フクシマ2011〜被曝に晒された人々の記録』の上映会 2012.10.18

記事公開日:2012.10.18取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・松田/奥松)

 2012年10月18日(木)、アメリカのニューヨーク市内にあるコロンビア大学ティーチャーズカレッジで、映画『フクシマ2011~被曝に晒された人々の記録』の上映会が開かれた。福島第一原発事故で被曝した人々の姿を追った作品に、来場者は福島の実態について理解を深め、同作品の稲塚秀孝監督が福島の現在の状況や、国内における脱原発の運動について紹介した。

■全編動画
※1:32:14~2:13:10は音声のみとなっております。ご了承ください。

  • 日時 2012年10月18日(木)
  • 場所 コロンビア大学ティーチャーズカレッジ(アメリカ・ニューヨーク)

 この作品は、福島県南相馬市と飯舘村を中心に、福島第一原発事故による放射性物質で、被曝に晒された人々の姿を追ったドキュメンタリー映画である。家族や地域の絆が断ち切られていく中、放射能汚染の恐怖と向き合いながら暮らす人々の思いに迫っている。

 稲塚監督は冒頭の挨拶で、東日本大震災と福島第一原発事故の経過を簡単に解説して、上映を開始した。原発事故発災直後の様子や、避難を強いられる状況など、数多くの人々の証言や怒り、悲しみのメッセージが織り込まれ、その生々しい内容に来場者は固唾を飲んで鑑賞した。

 上映後、日本の原発政策の行方について、官邸前デモなど脱原発の声を上げる人々を追ったDVDも披露された。稲塚監督は「作品に登場した皆さんには、生まれ育った街で暮らしたいという思いがある。あるいは、自分たちで街を再生させたいという思いもある。先が見えない中で、手さぐりする人々の行く末を見守っていってほしい」と訴えた。

 その後、質疑応答が行われた。「私たち、ニューヨークに住む者が、彼らの気持ちを傷つけない形で、どのような支援ができるのか」という問いに、稲塚監督は「彼らがどういう苦悩を抱えているか、まず知ってほしい。そして、地元で活動している方々との、ネットを通じた交流などの機会を持ってほしい」と答えた。

 「なぜ脱原発デモのDVDを上映したのか」という問いには、「日本人は、海外の人たちから、おとなしいと見られている。こういった活動をしている人々が、日本にいることを知ってほしかった。今後、原発の再稼働が進むことを押しとどめるパワーになるかもしれない」と答えた。

 また、稲塚監督は「現実には、原発がなくても生活できることを日本国民は知った。アメリカにも数多くの原発があるが、そういった内実を知った日米の市民が手を携えて、行動することを願っている」と語った。

 観客からは「政府や自治体より先に、市民が除染などに自主的に取り組んでいる姿がショッキングだった」「避難先で新しい生活を始める場合、何か補助はあるのか」など、さまざまな感想や質問が寄せられた。

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