【岩上安身のツイ録】元旦から配信ミスをしてしまいました。山﨑雅弘氏のインタビュー再配信を楽しみにしていた方には、心からお詫び申し上げます。 2017.1.1

記事公開日:2017.1.1 テキスト
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※2017年1月1日のツイートを再掲しています。

 元旦、首都圏郊外の長女の家へ行き、次女とも顔を合わせ、孫と遊び、お年玉をあげて、おせちとお雑煮もご馳走になって、そのまま車で事務所へ。元旦早々、スタッフがミスをしてしまいました。配信プログラム通りに配信せず、混乱を招きました。まずは、お詫び申し上げます。

 12時から戦史研究家の山崎雅弘氏インタビューを再配信し、18時半から島根大学名誉教授の井上寛司氏インタビューを初配信する予定だったにもかかわらず、動画配信担当者のミスで、12時から井上氏分を流してしまいました。

 この後、時間をずらす形で山崎氏のインタビューを流すという考えもありましたが、当初の予定の通りに、18時半から井上氏インタビューを見ようとしていた視聴者の方もいらっしゃるはず、と判断し、18時半からもう一度井上氏インタビューを配信することに。

 山崎氏のインタビューは翌日の2日に、改めて再配信することにいたしました。もともと2日に予定していた配信プログラムは日程を組み直して、告知し直します。本当に申し訳ありません。元旦に山崎氏のインタビューの再配信を楽しみにしていた方には、心からお詫び申し上げます。

 新年早々からこのようなミスを起こしたことは、IWJを率いるリーダーである私の責任です。スタッフへの指導、管理が行き届いていなかったこと、元旦に半休であっても、私が休みを取る、とスタッフに伝えた時点で気の緩みが生じたものと思われます。

 スタッフにはよくよく注意して、こうした凡ミスがこの後、決して起こらないように、指導、注意、管理を徹底してまいります。元旦に山崎氏のインタビューを視聴するつもりでいた皆様には、本当に申し訳ありません。気を抜いてしまった私の責任を痛感します。

 山崎雅弘氏と井上寛司氏のインタビューを元旦に持ってきたのには、相応の理由がありました。初詣ほど、日本人の多くが神社に行く機会はありません。神様へ家内安全を願う、そんな素朴な信仰心を、国家神道はどう政治利用してきたか、山崎氏のインタビューでは徹底的に論じています。

 他方、井上寛司氏のインタビューは、近代における国家神道体制(国家による事実上の国教化であり、国民を天皇に忠実な臣民として洗脳する精神的支配イデオロギー)だけが問題なのではないと説きます。

 明治維新以降に、政府によって恣意的に歪めれてきた国家神道とは別に、「神社神道」は、古代、あるいはそれ以前から綿々と伝えられてきた日本人固有の民族宗教である、と広く信じられているが、それは歴史的事実ではない、ドグマであると井上氏は言うのです。

 大多数の日本人の素朴な信仰心を利用して、神社本庁が傘下の神社に命じ、各神社の境内などで、憲法改悪の宣伝や署名を集める活動が活発になっています。神社の歴史や由来、神話のベールにくるまれた神道の正体を見極めることなく、参拝ついでに署名する人は少なくないことでしょう。

 こうしたやり方は宗教による政治への介入、あるいは政治が特定宗教を政治利用していることに他なりません。戦前の国家神道支配体制に対する深刻な反省から、政教分離の原則を明記した現行憲法に明らかに違反しています。

 こうした神社本庁の動きに対しては、もっともっと大きく報じられ、批判的な議論が巻き起こってしかるべきだと思いますが、今のメディアの動きは鈍重そのものです。また、神社本庁や日本会議ら、改憲運動勢力の動きだけを批判していても、それだけでは不十分なのも事実です。

 そもそも神道とは何か。どのくらい古くから存在するのか。どのような歴史を経て、現在のような形になったのか。そして、我々にどんな影響力をもちうるのか。日本人の多くが(私たちを含めて)、あまりにも知らなすぎます。

 ジャーナリズムは、その時代の最も先端で起きている出来事を速く伝えることが本分だとされていますが、時に歴史の深部に測量のための錘を降ろさなくてはならないことがあります。歴史を参照しなくては、見えてこない現在があるのです。

 年末に初配信した宗教学者・島薗氏のインタビューや、井上寛司氏のインタビュー、そして本日、配信し損ねた山崎雅弘氏のインタビューは、歴史を参照しつつ現在の危機を照らし出す貴重なインタビューです。元旦にお届けできなかったことは大変残念です。

 急いで、この後の配信予定を組み替えて、多くの人が初詣に神社に訪れる、三が日のうちにお届けできるよう、元旦にお届けできなかった山崎雅弘氏のインタビューを2日に再配信するようにいたます。組み替えた予定は、SNSやサイト、日刊ガイドなどでお伝えします。

 ぜひ、この機会に、「国家神道」の問題、そして「国家神道」から切り離され、政治性は帯びず、一見、人畜無害のような顔をした「神社神道」のはらむ根深い問題の奥行きに、多くの人が気づき、議論が深まればと思います。今年2017年、目前に迫る改憲に直結するテーマです。

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