大阪府市エネルギー戦略に関する特別顧問・特別参与からの公開ヒアリング 2012.9.25

記事公開日:2012.9.25取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・花山/澤邉)

 2012年9月25日(火)、大阪市都島区の大阪市公館で、大阪府・大阪市による「大阪府市エネルギー戦略に関する特別顧問・特別参与からの公開ヒアリング」が行われた。「原発ゼロシナリオと経済シミュレーションについて」と「原発の終息プラン及びプロセスに係る考え方について」の2つのテーマについて、特別顧問と特別参与から説明があり、その後、質疑応答が行われた。

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  • 参加者
    植田和弘氏(特別参与、京都大学大学院経済学研究科・教授)、飯田哲也氏(特別顧問、認定特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長)、高橋洋氏(特別参与、株式会社富士通総研経済研究所・主任研究員)、圓尾雅則氏(特別参与、SMBC 日興証券株式会社・マネージングディレクター)、佐藤暁氏(特別参与、原子力コンサルタント)
  • 日時 2012年9月25日(火)
  • 場所 大阪市公館(大阪府大阪市)

 まず、本ヒアリング開催の主旨が、大阪府担当より、「大阪府市エネルギー戦略会議は条例化のため休止扱いであるが、引き続きエネルギー戦略策定に向けた作業を進めるために、特別顧問、特別参与から個別に意見を聞くこと」と説明があった。

 まず、総論的な観点から高橋特別参与が、府市が戦略を作る参考として、政府の革新的エネルギー環境戦略について報告した。「戦略には、3つの柱がある。1つ目は、原発に依存しない社会の1日も早い実現、2つ目は、グリーンエネルギー革命の実現、3つ目はエネルギー安定供給の確保である」。一方、「この戦略は閣議決定したものではなく、あくまで参考資料として、閣議決定の文書に附与された」と、わかりにくい手続きが取られた曖昧な対応であることを指摘した。

 次に、具体的な「原発ゼロシナリオと経済シミュレーション」について、飯田顧問から説明があった。「総量規制した使用済み核燃料は100年間、国が責任を持って中間貯蔵する。これは再処理にあてている積立金に比べれば、はるかに安い費用ででき、しかもはるかに安全である。このような新しい出口を作り、核燃料サイクルの問題と脱原発を同時に解決する方法を現実化していく」と述べた。さらにそれを、現実的にどのような選択を取り得るのかという廃炉シナリオの観点、そして廃炉による資産除却や原発廃止に伴う化石燃料の費用増大といった電力会社の財務分析の観点、この2つの観点から実行すると説明した。これにより、「現実的な脱原発の出口、そして核燃料サイクルに終止符を打つストーリーができる」と述べた。

 最後に「原発の終息プラン及びプロセスに係る考え方」について、佐藤特別参与から説明があった。福島事故後の原発運営に関して、脱原発を前提とする考えと原発継続を前提とする考えに分けて、必要な項目をマトリクス化して説明した。その中で「交付金や責任免除の問題など、これまで40年にわたって国策のもとに行われてきた、未熟な原子力行政を、英米並みのレベルに改善することが前提」と語った。一方、「原発ゼロに向けては、各原発の危険度をランキングし、それをもとに即時廃炉にするか、順次廃炉にするか、判断して進める」と述べた。

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