【岩上安身のツイ録】緊急事態条項は政治的核兵器だ!しかも「残存核戦力による使用の歯止め」が存在しないため、先制使用の誘惑にかられてしまう、魔力をもつ独裁条項である! 2016.7.13

記事公開日:2016.7.13 テキスト
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(岩上安身)

※2016年7月13日3時段階のツイートを並べて掲載しています。ご承知おきください。

 緊急事態条項の怖さはたくさんあるが、誰も指摘していないことは、憲法に盛り込まれたら「早い者勝ち」になること。本当に緊急時だけの限定的な権力強化ならともかく、自民党改憲草案のは恒久的な独裁条項だから、発令したもの勝ちになってしまうこと。

 自民党政権時代に憲法に書き込んで、万が一(ほとんどありえないが)その後政権交代して、野党が与党になった時、発令されてしまうかもしれない。そうなっては大変なので、もう2度と政権交代など起きないように死力を尽くすだろうし、なりそうだったら、緊急事態条項を発令するだろう。

 つまり、緊急事態条項は、政治的な最終兵器、政治的核兵器なのだ。核兵器は先制攻撃の誘惑が高まると言われる。相手から撃たれてからでは遅いので自分から先に仕掛けてしまいたいという気になるのだ。しかし、報復のための核戦力が残存することで、先制攻撃は抑制されるようになった。

 これが、いわゆる核の均衡、相互確証破壊戦略である。しかし、緊急事態条項の発令に対しては、残存核戦力に相当するカウンターが存在しない。一方的なもので、報復手段がない。報復を恐れて、濫用を抑制するというメカニズムが働かない。どうしたって先制したもの勝ちになってしまう。

 緊急事態条項を掲げた瞬間から、何としてもこれは我が手で実現せねば、でないと相手に先にやられてしまうかもしれないと、自民党自ら思い込んでしまう、そういう魔力をこの独裁条項は秘めているのである。本当にとんでもないことを考えついてしまったものだ。

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「【岩上安身のツイ録】緊急事態条項は政治的核兵器だ!しかも「残存核戦力による使用の歯止め」が存在しないため、先制使用の誘惑にかられてしまう、魔力をもつ独裁条項である!」への1件のフィードバック

  1. 西遠寺 透 より:

    緊急事態条項の導入による憲法改悪は、記事でご指摘のように恒久的な独裁政権確立を目論むものでしょう。その恐ろしさにほとんどの国民はまだ気づいていません。
    憲法改正の2/3議席については学校で習ったし、争点でなくても意識していた有権者は少なからずいたと思います。民進党があれだけ強調したのですから。
    今回の参議院選で、安倍政権は昨年の安保法制と解釈改憲、集団的自衛権を「国民は承認した」ととるでしょう。
    例えば、今後安倍政権が緊急事態条項の国民投票と、衆議院解散を同時に行えば、初めての国民投票の重要性はまたしても大手メディアにより隠され、代わりに、経済や社会保障、ひいては自民党公明党政権か民進党共産党政権か政権選択の選挙などと安倍政権は野党共闘批判に持ち込むかもしれません。与党の目標は参院選と同じく過半数に設定し、各地で野党共闘が善戦しても野党は過半数に届かず改憲と政権与党安定多数の地滑り勝利に終わりかねません。そのあと議会制民主主義は恐ろしいことに国民の手から離れます。
    できることでしたら、日本共産党が政権交代に耐えうる党名変更と、現実路線に徹し、マスコミの誘導質問による共産主義の理想ご披露は控えてほしいと思います。まだ「地上の楽園」をめざす革命政党と思われかねません。ぜひ実をとって国民連合政府を目指してください。なお秋に代表選を控える民進党の党内改革は日本共産党より期待できないでしょう。
    国民投票だけでは一人ひとりの荷が重いので政府与党の大宣伝の勢いが勝ると思いますが、国民投票で負け総辞職したくない安倍政権は、国民投票とともに年内に衆議院選挙に打って出ると思います。

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