7月10日に投開票日をむかえる参院選、神奈川選挙区も大激戦区となっている。改選数4議席に与野党・無所属あわせて12名が名乗りをあげているのだ。
与党は自民党が三原じゅん子氏、公明党が三浦信祐氏を擁立。対する野党は、民進党が真山勇一氏と金子洋一氏の2人、共産党が浅賀由香氏、社民党が森英夫氏、おおさか維新が丹羽大氏と乱立状態だ。
特に民進党は2人を擁立したことで民進党支持層のなかで票を食い合う結果となっており、支持基盤である連合の支援を受けない真山勇一氏は苦戦が伝えられている。
真山氏は、数少ない「脱原発」を掲げる候補であり、金子洋一氏のように日本会議に所属していたわけでもない。真正直で、表裏がないと、市民団体の支持は根強い。
そんな真山氏の街宣に、6月28日、強力な助っ人が現れた。「国民怒りの声」代表で憲法学者の小林節氏だ。
▲真山勇一候補と小林節候補
小林氏は応援演説で、政治の役割は「主権者国民を自由で豊かで幸福にすることだ」としたうえで、「特定秘密保護法や言論統制というのは、最大の不自由。判断する材料を奪われている。政治の使命に反する。だから安倍暴走を止めなければいけない」と訴えた。
そして今回、真山勇一氏の応援に駆けつけた理由を語った。
「野党全部に伸びてほしい。そういう意味では、共産党にも伸びてほしいし、民進党にも伸びてほしい。でも同じ民進党から2人立てているんだったら、人柄で選ぶしかないじゃないですか。相手の方について私は何も言いませんが、この方(真山氏)は本当にいい男なんです」
- 日時 2016年6月28日(火) 10:30~
- 場所 JR辻堂駅北口(神奈川県藤沢市)
ニュースキャスターとして3度戦場を体験した真山氏の確信「安保法制で日本は危険にさらされる」
小林氏に「いい男」と評された真山氏は街宣で、民進党と合流する前、維新の党とおおさか維新の会が分かれた最大の理由が、「安保法制だった」と語った。おおさか維新は政府案に賛成し、維新の党、特に東京の議員は一緒にやっていけないと袂を分かつことになった経緯がある。この時、「憲法違反の政府案」への対案を出すときにチェックを依頼したのが、小林節氏だ。
当時、国会質問で真山氏が「安保法制で日本は安全になるのか、国民を守れるのか」と安倍総理に聞いた際、総理の答えを聞いて「安保法制で日本は脅威にさらされ、日本人が外国に出たときに危険にあう可能性が高まる」ことを「確信」したという。
その「確信」は、自身がニュースキャスターだった時の「戦争体験」にもとづくという。
「テレビの世界でニュースを伝える仕事をしていた。3回、戦場の取材をした。イラン・イラク戦争、カンボジア紛争、911同時多発テロ後のアフガン戦争。もしかしたら、『あの時命を落としたのでは』という目に何度かあった。
共通して救われたのは、私が日本人であるということ認識した途端に、攻撃することを控えたから。『日本人は戦争しない国だから、お前たちは行っていい』、そうやって何度か難関を免れた。戦後70年守ってきた平和憲法があったかこそ。戦争から日本を守る政治をやってきた」
こう語った真山氏は、しかし今、安倍政権は安保法制で「戦争ができる国」にしたうえで、憲法改正によって「『戦争をする国』に変えようとしている」と警鐘を鳴らした。
「自民党憲法草案、読んでびっくり。改正ではない。全く新しい別の憲法に自民党が変えていく。改正という生易しいものではない。70年もたてば、時代に合わない部分は国民議論をする、そういう手順を踏んでいかなければいけない」
真山氏と小林氏は、街宣車の上でともに「改憲勢力による(改憲発議が可能な)3分の2議席獲得の阻止」を、集まった聴衆に何度も訴えた。