定数4に12人の候補者が手をあげた参院選・神奈川選挙区。現在のところ、知名度の高い自民党の現職・三原じゅん子候補、創価学会の組織票に支えられる公明党の新人・三浦信祐候補、そして連合の手厚い支援を受ける民進党の現職・金子洋一候補の優勢が伝えられている。
三原じゅん子候補の街宣は、まるで野党の主張そのもので、「社会保障を含めて、国民生活の安定なくして成長なし」というものだった。この記事は、6月24日にアップしているので、ぜひ、あわせてご一読いただき、拡散をお願いしたい。
残り1議席を、民進党の現職・真山勇一候補、共産党の新人・浅賀由香候補、社民党の新人・森英夫候補、無所属で自民党推薦の現職・中西健治候補らが争うかっこうだ。
しかし、選挙戦はまだ始まったばかり。6月7日にIWJが中継・配信した選挙特番にゲスト出演した”国会ウォッチャー”の宮崎信行氏は、「神奈川選挙区は、どの候補にも可能性がある」と語った。
6月23日、2児をかかえて子育て中の働くママである共産党の新人・浅賀由香(あさか ゆか)候補が、JR武蔵溝ノ口駅前で街頭演説を行った。システムエンジニアとして長時間労働を強いられた経験を持つという浅賀候補は、再優先の政策として「ブラック企業対策」を掲げた。
▲日本共産党・浅賀由佳氏
「私は、大学卒業後、システムエンジニアとして働きましたが、夜9時に帰ると『早いね』と言われ、土日出勤が当たり前の中で、体を壊す同僚や上司を見てきました。
今、1歳と4歳の子どもがいますが、孤独に子育てをしているママたちにたくさん出会います。長時間労働で、心や体を壊す。平日、パパが育児に関われないのは、働く人のせいでしょうか。非正規労働者の給料は、正社員の5割台。『明日から来なくていい』の一言でクビになるのは、非正規の人のせいでしょうか。
今、問われるべきは、自己責任ではなく、政治の責任です。サービス残業は倍返しに、長時間労働の上限規制を、そして、同一労働同一賃金の原則をしっかりと法律に書き込むことは、政治にしか実現できません。だからこそ私は、政治を変えたいと思いました」
浅賀候補は、1980年生まれの36歳である。彼女はなぜ、政治を志したのか。そして、どのような政策を訴えていくのか。演説を終えた浅賀候補を、IWJは直撃取材した。
- 日時 2016年6月23日(木) 18:00~
- 場所 JR溝の口駅(神奈川県川崎市)
――今回の参院選では、主に何を訴えるのでしょうか。
浅賀候補「今回の選挙は、安倍政権による『全体主義』を取るか、立憲主義を取るかの戦いだと思います。演説では、安倍政権の『暴走』を問うようにしています。しかし、そこから訴えると、入ってきづらいという人がいることも確かです。
今、みんな生活がいっぱいいっぱいです。『日曜日は疲れて寝ていたい』ということで、安保法のことを知らない人もたくさんいます。ですから、働き方の問題ですとか、身近な問題から政治を考えてみよう、という構成で訴えています」
――神奈川選挙区には、知名度の高い自民党の三原じゅん子議員がいますが、ご自身の訴えをどのように有権者に届かせようと考えていますか。
浅賀候補「『知名度の高い候補が勝つ』という選挙の構図そのものを変えていく必要があると思います。そうでなければ、本当の民主主義は根づかないと思います。ですので、これまで出会った普通の人々が、それぞれメディアとなって、発信してくれることを期待しています。知名度に勝つ選挙をしていきたいと思っています」
――有権者は、浅賀さんがどういう方なのかに関心があると思います。改めて、ご自身の経歴や体験されたことをお話ください。
浅賀候補「私は、母親と兄と妹の3人を事故で亡くしました。お金ではない、というのは身をもって感じています。お金にも権力にも絶対に惑わされない自信があります。普通の人の声を聞く政治家が絶対に必要ですし、お金や権力じゃないってことは、人生をかけて貫ければと思います」
浅賀候補の演説を聞きながら思ったことは、やはり、「国民の生活が大事だなんて間違っている」という、「創生日本」の講演会での自民党の稲田朋美政調会長の発言である。この「創生日本」という議員連盟の会長は、安倍晋三氏その人である。
彼らの本音は、この言葉に尽きているだろう。サディスティックなまでに、国民を痛めつけて、その生活をボロボロにしてでも、「国民は奴隷化して戦争へ行って血を流せ」と強制できる国家にしたいのだ。
神奈川県の有権者の皆さん、自民党、公明党が有利だと言われていますが、今一度立ち止まって、自分の頭で考えてみませんか?主権を奪われ、基本的人権を奪われ、生活を奪われ、自由を奪われ、平和を奪われ、血を流せ、と迫られているのですよ。そういう国家体制になるかどうか、この選挙で決まるんです。
もう一度、もう一度考え直して一票を投じていただきたい。