2012年9月9日(日)、キャンパスプラザ京都で、安冨歩氏(東京大学東洋文化研究所教授)と平智之氏(衆議院議員)の対談「魂の関が原・禁原発のススメ」が行われた。日本はなぜ即時原発廃炉に進まないのか、政策決定手法に異議を唱えた政治の問題、自らに利益を還元できる官僚システムの問題について、それぞれの立場から現代社会が抱える問題について語った。
(IWJテキストスタッフ・花山/澤邉)
2012年9月9日(日)、キャンパスプラザ京都で、安冨歩氏(東京大学東洋文化研究所教授)と平智之氏(衆議院議員)の対談「魂の関が原・禁原発のススメ」が行われた。日本はなぜ即時原発廃炉に進まないのか、政策決定手法に異議を唱えた政治の問題、自らに利益を還元できる官僚システムの問題について、それぞれの立場から現代社会が抱える問題について語った。
■全編動画(18:38~ 約2時間31分)
対談の冒頭、平議員は「文明の転換点である原発の問題を語らなかったら、日本は変わっていかない」と主張し、「今しなければならないのは、原発を即時廃炉にする『禁原発』を愚直に訴えていくことだ」と語った。そして、平議員が立ち上げた平安党は、禁原発を最優先政策として活動していくと説明した。
一方、安冨教授は「禁原発の問題、税金の問題、体制の問題、これらが本質的につながっていることは、現在の問題として解決せずに、後の世代に負担を先送りするということである」と指摘した。さらに、「人間という生き物は、後の世代のことを考えるほど立派ではないから、今の自分たちに都合のいいことをする。今回の原子力規制委員会の人事も、国会が終わってからこっそり決めようという、非常に卑怯なことが行われようとしている。あたかも立派なことをやっているかのように見せかけながら、実際はずるいことをして、それが国家の制度になり、国民が苦しむ最大の問題となっている。これを止めなければならない」と語った。
禁原発法で必要となる廃炉費用の問題について、平議員は「最終処分に何十兆円ものお金がかかるという話があるが、まったく意味不明な論理であり、即廃炉ができないように思わされているだけだ。使用済み核燃料を、全部、乾式キャスクに移して、半世紀責任を持って保管するのに5千億円、原子炉は石棺にする方法でも1基当たり数百億円程度かかり、総額で2兆円かからない」と指摘した。また、日本のエネルギー需要について、太陽光、風力、地熱発電の活用により、原子力を利用しなくてもまかなえると説明した。
平議員は「原発には、ありとあらゆる独立行政法人、公益法人が大量にぶら下がっていて、原発にからむ多額のお金が、官僚の天下り先の企業を通じて、合法的に官僚へと還元される仕組みだ」と語った。「こうした利権にからむビジネスセクターの仕組みを守ることが、原発推進側に都合の悪い情報が国民に伝えられない状況を生んでいる。これを何としても止めないといけない。今の政治の戦いというのは、利権を守る人たち対利権を止める人たちの戦いだ」と指摘した。また、次の総選挙へ向けて、禁原発、原発推進の対立点を明確にし、その選択の選挙となるよう活動していくと語った。
■お買い求めはこちらから