2012年9月9日(日)、仙台市宮城野区岩切市民センターで、「斎藤やすのり議員講演会『ショック・ドクトリンと復興予算に巣食うシロアリ』」が行われた。
(IWJテキストスタッフ・角田)
2012年9月9日(日)、仙台市宮城野区岩切市民センターで、「斎藤やすのり議員講演会『ショック・ドクトリンと復興予算に巣食うシロアリ』」が行われた。
■全編動画 (15:07~ 約1時間56分)
講演はまず、仙台市および宮城県の復興状況と問題点の解説から始まった。震災直後から神戸の瓦礫処理専門家を招いて行われた仙台市の瓦礫処理方法が優れていたこと、対して石巻市などその他の県内地域の瓦礫処理の遅れの現状と原因を伝えた。また、瓦礫の広域処理については、その必要性を疑問視。各地で起こる“瓦礫受け入れは反対”の声には「悲しい思いがする」と語り、「瓦礫はもともと、この地に住んでいた方の家であり、鎮魂への思いがある。これは県内で処理して、復興につなげるべき」と続けた。
「1000年に一度の災害なのだから、禁じ手を使ってでも財政処置を講じて、復興資金を被災地に交付すべきだ」と民主党部会で自身が強く訴えたという、宅地災害とその補償についても解説。昨年10月の事業創設から、ようやく行われようとしている交付金の差配に至るまでの問題点を明らかにした。この件は、民主党の復興がなぜ遅れるのかがわかるシンボリックな事例だという。
あるべき復興を提言する場面では、テーマである“ショック・ドクトリン”について言及。大惨事につけ込んで実施される市場原理である“ショック・ドクトリン”を防ぐために、大資本が入る農業・漁港には民間企業に過度に委ねないということなどを挙げた。加えて、復興予算から1兆円が「復興特別予算」というブラックボックスに流れたことも明かし、独立行政法人や沖縄県の道路予算など復興特別予算に群がる“シロアリ”を指摘。
約1時間の講演の後には、質疑応答の時間が設けられた。ホットスポット対策、除染など震災にまつわる事項はもちろん、TPP・ISD条項や政治不信の声、選挙についてなど、様々に寄せられる会場からの質問にも丁寧に回答。「今後は外部講師を招いての勉強会も行っていきたい」と、今後も積極的な活動を示唆し、この日の講演会を締めた。