「電力自由化でハッピーということではない、再生可能エネルギーを増やそう会社の選択を」自然エネルギーを応援するための賢い電力会社の選び方~電気を選べば、社会が変わる!~シンポジウム 2016.3.27

記事公開日:2016.3.27取材地: テキスト動画
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(こうの みなと)

※5月27日テキストを追加しました!

 「自然エネルギーを応援するための賢い電力会社の選び方」と題したシンポジウムが、2016年3月27日(日)14時より、福岡市中央区で開かれた。

 このシンポジウムは、4月1日からの電力自由化を前に企画されたもので、電力会社を選ぶ際のポイントについて、国際環境NGO FoE Japan/パワーシフトキャンペーン運営委員会事務局の吉田明子氏が基調講演をおこなった後、新電力会社である、みやまスマートエネルギー株式会社 経営企画部長の白岩紀人氏と、太陽ガス株式会社 新エネルギー推進チーム長の及川斉志氏がそれぞれ自社のサービスについて紹介をおこなった。

 また、株式会社ウインドファーム代表の中村隆市氏が、チェルノブイリ原発事故や福島第一原発事故の被災者支援に取り組んできた経緯や甲状腺癌の発生状況を報告し、「原発を稼働している電力会社から、自然エネルギーを活用した電力会社に切り替えてほしい」と訴えた。

■ハイライト

  • 主催挨拶 森あや子氏(福岡市議会議員)
  • 講演 中村隆市氏(ウィンドファーム代表)
  • 基調講演 吉田明子氏(FoE Japan、パワーシフトキャンペーン運営委員会事務局)「パワーシフト!自然エネルギーを重視する電力会社を選ぼう」
  • 新電力会社から 白岩紀人氏(みやまスマートエネルギー 経営企画部長)/及川斉志氏(太陽ガス 新エネルギー推進チーム チーム長)

「電力自由化で安い電力が出てきて、それでハッピーということではない」

▲吉田明子氏(国際環境NGO FoE Japan/パワーシフトキャンペーン運営委員会事務局)

▲吉田明子氏(国際環境NGO FoE Japan/パワーシフトキャンペーン運営委員会事務局)

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 4月からの電力小売全面自由化により、一般家庭向けの電気の小売販売への新規参入が可能になった。これにより、全ての消費者が電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになり、約8兆円(家庭用7.5兆円)の電力市場が開放されたが、吉田氏は、「既存の大手電力会社に比べ、自然エネルギーを中心とした小規模な電力会社は広告宣伝費の圧倒的な差によって、消費者になかなか伝わってこない。ここを可視化するためにパワーシフトキャンペーンをはじめた」と説明した。

 また、「電力自由化で安い電力が出てきて、それでハッピーということではない。省エネに逆行してしまうのではないかと非常に危惧している」と懸念を示し、「再生可能エネルギーを増やそうという明確なビジョンを持った電力会社を選ばないといけない」と訴えた。

 吉田氏は、「自然エネルギーにシフトするための5つのポイント」として、以下の5点をあげた。

  1. 電源構成や環境負荷などの情報を一般消費者に開示していること
  2. 再生可能エネルギーの発電設備(FITを含む)からの調達を中心とすること
  3. 原子力発電所や石炭火力発電所からの調達はしないこと(常時バックアップは除く)
  4. 地域や市民による再生可能エネルギー発電設備を重視していること
  5. 大手電力会社と資本関係がないこと

「あくまで電力事業は目的ではなく手段。市民サービスをおこなうことが目的」

 ▲白岩紀人氏(みやまスマートエネルギー株式会社)

▲白岩紀人氏(みやまスマートエネルギー株式会社)

 みやまスマートエネルギーは、自治体である福岡県みやま市が55%を出資することによって設立された。自治体による家庭等の低圧電力売買(太陽光余剰電力買取り・電力小売り)を主な目的として設立された日本初の電力会社であり、自治体、地域金融機関、民間のノウハウを活用した地方創生のモデルケースとして、分散型・自立エネルギーシステム構築を目指している。

 白岩氏は、「本来、電気は水道と同じで市が共有してもいいもの。あくまで電力事業は目的ではなく手段。電力事業をすることでお金を頂いて、市民サービスをおこなうことが目的」と説明した。

 みやま市には、既に60メガワット分のソーラー発電所が稼働しており、市民が使用している電力の約80%分が賄えているという。

「少しくらい高くても自然エネルギーの電力がほしいという声をあげてほしい」

▲及川斉志氏(太陽ガス株式会社)

▲及川斉志氏(太陽ガス株式会社)

 太陽ガスは、鹿児島県日置市に本拠地を置くガス会社で、近年は、マイクロ水力発電装置の開発なども積極的におこなっている。「地域の総合エネルギー事業者」「地域経済の貢献」「持続可能な地域循環型エネルギー」を目指したエネルギー会社だ。

 及川氏は、ドイツ・フライブルク大学森林環境学部に留学経験があり、ドイツ初の市民電力会社が誕生する様子を描いたドキュメンタリー映画「シェーナウの想い」の日本語訳を担当している。

 及川氏は、「2050年のエネルギー社会が、どういうふうになっているのか想像してほしい」「少しくらい高くても自然エネルギーの電力がほしいという声をあげてほしい」と参加者にアピールした。

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