8.23 IMAGINE after TPP vol.2 2012.8.23

記事公開日:2012.8.23取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・白藤)

 2012年8月23日(木)、アップリンクで、「IMAGINE after TPP vol.2」が行われた。

 『モンサントの不自然な食べもの』(マリー=モニク・ロバン監督)の先行上映会が、アップリンク(9月1日~同館にて上映中)で開催された。上映後、TPP(環太平洋経済連携協定)問題に詳しい、農水省出身で東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏に話を聞いた。「モンサントという多国籍企業が、世界の食料と命をコントロールしようとしているのがよくわかった。このままでは、我々の健康に害を及ぼす遺伝子組み換え食品がどんどん日本にも入ってくる。しかも、その食品には組み換え表示が許されず、消費者が選択する権利すら奪われている」と鈴木教授は警告した。

■ハイライト

  • <ゲスト> 鈴木宣弘氏(東京大学大学院教授)
  • 日時 2012年8月23日(木)
  • 場所 アップリンク(東京都渋谷区)
  • 告知 アップリンク

 かつて、NAFTA(北米自由貿易協定)によって、アメリカはメキシコに対し、トルティーヤの原料であるトウモロコシの関税をゼロに引き下げ、遺伝子組み換えトウモロコシをメキシコ国内で安く売った。危険視する消費者に対してアメリカは、「科学的に安全だというものを、なぜ信用しないのか?」の一点張り。モンサントのトップや役員たちは、米農務省長官やFDA(アメリカ食品医薬品局)と繋がっている。双方のポジションを繰り返し行き来する濃密な癒着構造だ。異議を唱える企業があれば、投資家を守るためのISD条項(投資家対国家間の紛争解決条項)によって、賠償請求が突きつけられる。

 「日本でも、経団連会長の座にある米倉弘昌氏の住友化学は、実はモンサントとの合弁会社。完全に利害が一致している。原発や増税の陰に隠れて、TPPは進んでいないように見えるがそうではない」と鈴木教授。「モンサントの組み換え食品が、ウォルマートやスターバックスに『NO』と拒否されるなど、アメリカ国内では認可されない食品でも、まだ規制されていない他国で広めようという、とんでもない事態に至っている。命に関わるものに対して、日本がハッキリ声をあげないと大変なことになる」と鈴木教授は警鐘を鳴らした。

 どこから見ても、アメリカ一国の限られた投資家たちにだけ有利となるTPP。これだけ不条理な条件を強いられても、交渉のテーブルに加わろうとしている日本。鈴木教授は、「巨大企業や投資家たちは、社会の人々の暮らしや命よりも、自分たちの利益拡大に徹底しようと決め込んでいる。アメリカは各国の主権を侵害する帝国と化してしまった」と話し、「食に安さを求めるのは、命を削ること。そして、次世代に負担を強いること。安いものには危ないものがある。本物を見極め、自分たちがモンサントを支える形にならないようにしなければ」と指摘した。

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です