第17回 大阪府市エネルギー戦略会議 2012.8.9

記事公開日:2012.8.9取材地: テキスト
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(IWJ・阿部)

 2012年8月9日(木)、大阪市役所で、「第17回 大阪府市エネルギー戦略会議」が行われた。

■ハイライト

  • 出席者
    植田座長、古賀座長代理、大島委員、河合委員、佐藤委員、高橋委員、圓尾委員、村上委員、日下部内閣官房内閣審議官、伊原内閣官房国家戦略室企画調整官、自然エネルギー財団(調整中)、松井大阪府知事、橋下大阪市長、加藤大阪府環境農林水産部理事、玉井大阪市環境局長
  • 議題
    (1) 大阪府市エネルギー戦略の策定に向けて (2) その他

 国家戦略室からは、『エネルギー環境に関する選択肢(ゼロ、15%、25%シナリオ)』について、スライド資料を用いて説明がなされた。

 会の中盤、古賀茂明座長代理は「先ほどからコストの問題を話しているが、これは本当に、部分的な議論をしている、ということをまず認識する必要がある。安全の問題や核のゴミの問題を、政府はまじめに議論していない。今のような議論をしてたら、原発ゼロにならない。」と問題提起をした。

 松井一郎大阪府知事「果たして最終処分地は日本に作れるのか?北欧では一億年安定してるという科学的根拠に基づき、住民の理解が得られた。日本にそういう場所はあるのか?探そうとしてるのか?」

 佐藤暁 特別参与(原子力コンサルタント)「探そうともしてない。どこかの自治体が手を挙げてくれないか?と待っている状態。」

 河合弘之 特別参与(弁護士)「日本は、世界的に見て130倍の率で地盤が動いている。 10万年すら、安定した地盤はない。 夢のまた夢で、私は不可能だと思う。」

 古賀「ドイツで脱原発の決め手となったのはコストでも安全の問題ではなく、核のゴミの問題だった。将来世代へのツケ回しは倫理的に悪だという合意。」

 高橋洋 特別参与(富士通総研)「倫理的な側面からの話だと、経済界などには、これでは説得されない方がかなりいる。そういう方を説得するには、やはり経済的な面で説得する必要がある。倫理的な観点から議論するのは正当なやり方だが、ドイツは10年から20年かかった。」

 古賀「日本では20年かからない 2030年までゼロという意見が国民の7割。日本はまだ安全対策というのはやらないまま、ここまで来てしまっている。あの斑目さんが『日本の安全基準はデタラメだ』とまで言っている。例えば避難対策できなかったら、アメリカだったらそれは廃炉。原発は必要悪だという議論は自分も認める。しかしそもそも、電力会社を国の管理下に置くというやり方はあり得ない。国に任せるというのは経産省に任せるということ。経産省は原発の安全を全く無視して責任も取ってない、責任を問われないシステムになっている。そんな所に任せるという議論はあり得ない。」

 橋下徹 大阪市長「大飯原発再稼働に関しては、必ずしも安全でなくても 日常の生活が断絶するのはやはり避けたいという、微妙な市民の声が多く届いた。2030年までのゼロシナリオが、『即ゼロなのか、段階的なのか?』を詰める必要がある。」

活発な意見が出されたが、座長の植田 和弘氏(京都大学大学院経済学研究科 教授)は、最後にこう締めくくった。「今日の議論をまとめるのは相当難しいが、今後はそういった(即ゼロなのか、段階的なのか?といった)議論をしていく、ということにしましょう」

※なお、山口県出馬のため委員から外れていた飯田哲也氏は、今後復帰する予定、とのアナウンスがなされた。

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