【岩上安身のツイ録】統一地方選で新風を吹き込んだ若い女性たちの活躍――「若者」と「政治」をつなぐ新しいコミュニケーションの可能性 2015.5.22

記事公開日:2015.5.22 テキスト
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※5月20日の岩上安身の連投ツイートを再掲します。

 日本列島は南北に細長く、気温や季節感がかなりずれる。同じ瞬間に同じように日本中が感じている、というのは、大きな勘違い。同様に、高齢化した日本の各世代の感受性の隔たりは、ずいぶん広がっている、と感じる。若い世代に意識的に近づいて理解しようとしないと、どんどんそのズレは大きくなる。

 大阪都構想騒動は、住民投票を終えた後も不愉快なくすぶりが続いている。所得格差を基準に、大阪の南北問題が露わになったという指摘はまだしも、大阪市解体消滅構想が否決されたのは、低所得層の南部の住民のせいだなどという非難が起きたり、

 シルバーデモクラシーなどと揶揄して、福祉に頼る年配世代が、大阪市解体構想を嫌悪して、その結果、若い世代の利益を損ねたのだなどと言いがかりをつける向きが現れたり。貧富の差だけでなく、世代差がことさらに強調され、共生ではなく対立を煽る言説があちこちで躍っている。

 他方で、その少し前の統一地方選では、自公の強さと共産の伸長ばかりが取りざたされ、若い世代、特に若い女性たちが各地で自ら積極的に選挙に挑んで、清新な風を吹き込んでいたことなどが見逃されていた。いや、我々自身が見逃してしまっていた

 若い世代は、すっかり非政治化が進んでしまっている、と思いきや、ポンと思い切りよく、組織的なバックグラウンドなしに身近な政治の世界に飛び込んできたりする。こうした人たちの意識を伝え損ねてきた気がする。

 今日の昼間、「バイキング」の取材で鈴木奈々さんが来社したと書いたが、その鈴木奈々さんが、僕の話を聞いて取材に向かうのは、3人の若いママさん議員。そのうちのお一人は、武蔵野市議に当選した笹岡ゆうこさん。彼女は元農水相の山田正彦さんの政治塾の塾生。先日のロックの会に山田正彦さんに付き添うようにいらして、お話をした。

 普通のOLだった女性が、普通に結婚して、出産し、子育てしながら、ポンと政治の世界に飛び込む。その決断の思い切りの良さに、ちょっととまどう。「ホップ、ステップ、ジャンプのうち、私はホップ、ステップなしにいきなりジャンプしたような感じです」と笹岡さんは語っていた。

 八王子市議に当選した佐藤あずささんは、学生時代、短期間、僕の事務所でアルバイトに来たことがある。その後、どうしていたのか、全然知らなかったのだが、NHKを経て、地道に八王子で街宣を重ねて、今回、新人ながらトップ当選を果たした。

 Facebookに書いている佐藤さんの日記は、もっとも身近な市政の現場が細かくレポートされていて、とても新鮮に感じる。彼女がどうして政治を目指したのか、僕はよく知らない。ちゃんと話しを聞いてみないとわからない。

 公然と大嘘をつき、陰湿な策略や謀略を巡らし、権力をふるって圧力をかけるなど、見苦しい振る舞いをする政治家が数々存在するために、「政治」という言葉が悪徳の代名詞になりかねない、そんな状況が眼前に展開している。その一方で、若い女性がポンと飛び込んでくる「政治」もある。

 自分の子供と同世代の若い人が、ニヒリズムに陥りたくもなるこの時代に、前向きに政治にとびこめるのはなぜなのか。知りたいと思う。

 笹岡さんは、自分の政治の師匠にあたる山田正彦さんについて、「ご自分の人生を割り算し始めている」と評した。反TPPに残りの人生すべてをかけ、違憲訴訟に挑む山田さんの姿に、「自分の損得勘定は抜きにして、次の世代のために身を削っている」と語る。見るべきところは見ている。

 細長く伸びてしまって、世代間の相互理解が難しくなってしまっている今の時代、世代間対立をわざわざ煽るような輩もいるからこそ、世代をつなぐ語らいやコミュニケーションを意識的に行う必要があるのだろう。未来に向け、先行世代が後続世代に、バトンを託していくためにも、である。

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「【岩上安身のツイ録】統一地方選で新風を吹き込んだ若い女性たちの活躍――「若者」と「政治」をつなぐ新しいコミュニケーションの可能性」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    【岩上安身のツイ録】統一地方選で吹き込んだ若い女性たちの活躍―「若者」と「政治」をつなぐ新しいコミュニケーションの可能性 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/246357 … @iwakamiyasumi
    ろくでもない世の中だけど、311をキッカケにした希望の種が蒔かれ、花を咲している。
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/246357

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