AIIBは、日米の完全なる外交敗戦である。日米は、必死になって各同盟国に参加しないように説得工作に回ったが、見事に失敗した。イギリスも、フランスも、イタリアも、ドイツも、ロシアも、インドも、ブラジルも、オーストラリアも、韓国も、イスラエルさえも参加表明したのだ。
AIIBは、日米の完全なる外交敗戦である。日米は、必死になって各同盟国に参加しないように説得工作に回ったが、見事に失敗した。イギリスも、フランスも、イタリアも、ドイツも、ロシアも、インドも、ブラジルも、オーストラリアも、韓国も、イスラエルさえも参加表明したのだ。
中国はそもそもケンカ腰の態度を取っていたわけではない。中国は日米を排除していない。それどころか日本のメンツに配慮して、最初からAIIBの副総裁のポストを日本に用意する、とまで言って破格の待遇を示し、門戸を開放していたのだ。それを、蹴ったのは日本政府の方である。アホだ。
サマーズが、言う通り、世界銀行やIMFに取って代わる地位を、AIIBや、その他、これから中国が中心になって設立する国際機関が、国際金融の世界で占めることになるのかもしれない。はっきりしていることは、ユーラシアには、莫大な資金とプロジェクトの需要がある、という事実だ。
今、世界は2つにひとつの問いを与えられ、選べと言われているようなものだ。ユーラシアを、東アジアから中央アジア、ロシア、そしてドイツまでつながるシルクロードベルト構想のために、陸路、海路の「一帯一路」あわせ、2兆5千億ドル(250兆円)かけて開発するという。途方もない公共事業だ。
他方が、ブッシュとチェイニーが始めた、延々と終わりのない対テロ戦争である。米国の軍産複合体のために、ミサイルを消費させ、ドローンに爆撃させるのだ。シルクロードベルト構想もケインズ主義的なら、こちらも軍事ケインズ主義である。問われているのは、どちらの需要創出を選ぶのかだ。
世界は、空っぽで空虚なドルと、世界中をカジノにしてしまったデタラメな金融経済。言いがかりをつけては他国に武力行使を行い、そのために国内の言論統制を強め、アメリカの民主主義の理想を衰弱死させつつある、このアメリカンウェイに「つきあいきれない」と言い出しているのである。
もちろん、アメリカ離れは、アメリカの機嫌を損ねないように、配慮を示し、おずおず、とではあるが。そして、アメリカ人自身も、自らの衰退をわかっている。サマーズの発言を見れば、自国の姿も、世界の流れも見えているこがわかる。世界でただ一国、わかっていないのが、我が日本である。
これからも、戦争によって他者そのものの破壊と他者の幸福と利益を損ねることを目指し、それを通じて、相対的に自分の居場所が見つけ出せたり、自己の利益が相対的に増えたように感じられると信じている愚か者が、まだまだあがいて、悪意に満ちた仕掛けを続けてくることだろう。
だが、おそらくそれらは無駄に終わる。終わりのない戦争を続けるのだ、というチェイニーの2001年の予言は成就しないし、させない。世界は、中国だけの話ではなくて世界のほとんどの国々は、戦争産業のための戦争、ネオコンによる軍事ケインズ主義など望んでいないのだ。
【岩上安身のツイ録】AIIBは日米の完全なる外交敗戦! 世界は「戦争産業のための戦争」ネオコンによる軍事ケインズ主義など望んでいない http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242030 … @iwakamiyasumi
ここでいう「世界」とは日本以外の国々だ。考えることを放棄しない国々だ。
https://twitter.com/55kurosuke/status/608203867369529344