2012年7月7日(土)13時より、東京・文京区民センターで、「死刑冤罪事件をめぐる集会 再審無罪へ・袴田事件と名張事件 冤罪と死刑」が行われた。河合弁護士が、名張ブドウ酒事件の裁判の経緯、証拠の矛盾を話した。また袴田事件の弁護団の小川弁護士より、裁判の経緯、証拠の矛盾などを解説した。最後に実姉の袴田秀子さんのスピーチ、ふたたび河合弁護士の鶴見事件のことも報告した。
(IWJテキストスタッフ・関根かんじ)
2012年7月7日(土)13時より、東京・文京区民センターで、「死刑冤罪事件をめぐる集会 再審無罪へ・袴田事件と名張事件 冤罪と死刑」が行われた。河合弁護士が、名張ブドウ酒事件の裁判の経緯、証拠の矛盾を話した。また袴田事件の弁護団の小川弁護士より、裁判の経緯、証拠の矛盾などを解説した。最後に実姉の袴田秀子さんのスピーチ、ふたたび河合弁護士の鶴見事件のことも報告した。
■ハイライト
国連で採択された死刑廃止条約を、日本も批准するように働きかけている約4,000名参加する市民団体フォーラム90が主催。冒頭、法学者・最高裁判事だった故団籐重光弁護士の追悼ビデオを上映した。主催者から、会合の要旨の説明があり、まず、河合匡秀弁護士より名張毒ブトウ酒事件の報告から始まった。
河合弁護士が登壇した。「昭和36年3月28日の夜、三重県名張市葛尾の公民館で開催された会合において、ブドウ酒を飲んだ女性のうち、5名が死亡、12名が入院。警察は、猛毒の農薬が見つかり、集団殺人事件と断定、捜査をはじめた。3名の容疑者が浮上、奥西勝さんが犯行を自白。津地裁、無罪判決。名古屋高裁、死刑判決。1972年、最高裁上告棄却、死刑確定、のちに7次の再審請求を繰り返し、現状も上告係争中。裁判では、王冠の傷が最大の争点になった。歯痕鑑定で、当時、法学の権威者だった松倉鑑定で犯行を確定した。しかし、上告、土生(はぶ)鑑定の新証拠を提出し、松倉鑑定は、不正で作られていたことも判明した。最高裁判断では、矛盾は生じない、ということで上告を棄却した」などと概略と経緯を説明した。
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