枝野幸男経済産業大臣 定例会見 2012.6.29

記事公開日:2012.6.29取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ・ぎぎ)

 2012年6月29日(金)、経済産業省本館で、枝野幸男経済産業大臣の定例会見が行われた。

 大臣は会見で、専門家らが指摘してきた敷地内を走る活断層の存在について、意見聴取委員会で再検討することを明らかにした。

 2日後を予定している大飯原発3号機の再稼働だが、「新たな知見が確認された場合、大飯原発の再起動に影響が出ることになる」と述べた。

<会員向け動画 特別公開中>

■イントロ

■全編動画

  • 日時 2012年6月29日(金)
  • 場所 経済産業省本館(東京都千代田区)

 大飯原発の設置許可が申請された昭和60年。当時、関西電力より国に提出されていた資料の中に、トレンチ南側図とトレンチ北側図が存在する。大飯原発2、3号機の間を走る断層が活断層であることを示唆するのは「トレンチ北側図」。しかし、2010年に行われた国の耐震バックチェック委員会では、トレンチ南側図だけが提出され、活断層の存在を認めない評価がなされてきた。その事実を追求されると大臣は、「過去のものも含めて、残っている資料はすべて出すべき。そこから新しい知見が導きだされるのであれば、それを踏まえた対応が必要だ」とし、7月3日(火)に開かれる地震・津波に関する意見聴取会で、大飯原発の破砕帯問題を取り上げることが決定した。

 下記、関連質疑の文字起こし。

IWJ「大飯原発敷地内を走る断層について質問なのですが、先日27日に東洋大学の教授と超党派の国会議員、市民団体、福井県民が関西電力大飯原発を訪れています。渡辺(満久)教授は変動地形学の専門家で、敦賀原発でも活断層があるのではと、4〜5年前からずっと指摘されていて、この間の4月に国は、再調査を行い敦賀原発に活断層があると認めた。活断層の上に原発の重要設備を設置するのは、国が定める耐震設計審査指針で認められていない。再起動を前に大飯原発に関しても活断層があるのではないか、との指摘があるが、再調査を行う意思はないか」

枝野経産相「大飯原発のその指摘については、その指摘の前提になっている材料自体が、建設の時の資料、材料で、今指摘を受けているような問題意識も踏まえて、更なる調査をその後も行ったうえで活断層ではないという判断が示されている。新しい知見にはあたらないというのが現時点での認識でありますが、そうしたご指摘もいただいていることを踏まえて、意見聴取会等の場で新しい知見なのか、それとも従来からの指摘でしっかりと意見も踏まえた調査がなされているかについては不断の努力をしてまいりたい」

IWJ「設置許可がされた時に出された資料というのは、トレンチという断層調査の際に掘った穴の北側と南側の図があるが、耐震バックチェックの場では活断層じゃないかということを示唆する資料はいっさい出されておらず、それを保安院も認めている。改めてすべての資料を出したうえで専門家の意見をあおいでほしいという主張があるが」

<ここから特別公開中>

枝野「過去のも含めてあらゆる資料は全部出すべきであり、この件に限らず一般論としてその通りだと思っています。残っているものはすべて出したうえで、新たな知見がそこから導き出されるのであれば、当然それを踏まえた対応が必要だと思ってますし、その辺りのところは専門家の皆さんの意見聴取会等を活用して、新たな知見でないというのが今、保安院からあがってきている報告ですが、そのことについての確認はしっかりしたい」

IWJ「再起動前にはされないのですか」

枝野「新たな知見であれば再起動に影響を与えることになりますが、今新たな知見ではないという認識で、ただ、だから一切何も話すことはないという従来のやり方はしない。新たな知見ではないかとのご指摘があることについて、きちっとそのことは常に不断の検討をしていく」

IWJ「敦賀原発に関しても設置許可の当初は活断層ではないと言われていた。でも改めて4月に調査したら活断層だった。新しい知見ではないけれども、調査したら活断層だと認められたわけだから、新しい知見かどうかは関係なく、再調査すべきではないか」

枝野「まさに調査をしたから新しい知見として活断層の疑いが高いと出てきたので、更なる精査をしているものであります」

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です