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安倍首相が衆院解散を表明した2日後の11月20日(木)、総選挙の是非を問う大手メディアの報道が目立った。60代の会社員は、朝日新聞のインタビューの中で、「アベノミクスの成長戦略がうまくいっていないことへの批判を避けるためでは」とコメントを寄せ、解散の必要性に疑問を投げかけた。朝日新聞は他にも、識者の見解を紹介している。
経済ジャーナリストの荻原博子さんは「解散は必要ない」と言い切る。消費増税法には、景気が想定以上に悪くなれば増税の先送りやとりやめができる「景気条項」があるからだ。「法律に基づいて増税を先送りすれば良いのに」 財務省出身で税制に詳しい森信茂樹・中央大法科大学院教授(税法)は「増税するなら解散すべきだが、先送りは解散の大義にならない」と話す。「増税を先送りするなら、社会保障も先延ばしするということも具体的に示して国民の判断を仰ぐべきだ」 ※朝日新聞(11月20日)
選挙にかかる費用約700億円で、何ができるのか――。 同記事では、事例を挙げて、選挙費用にかかる国民の税負担を可視化した。例えば、昨年2013年8月から来年2014年4月にかけて削られる生活保護費、計670億円。2011年の東日本大震災で自宅を失った被災者のためのプレハブ仮設住宅約1万4千戸の本体工事費が、約735億円。また、小学1年生を「35人学級」から「40人」に戻す案を示している財務省だが、700億円あれば「35人学級」を8年間は維持できる上、教員4000人の雇用も守ることができるという。
19日と20日、共同通信が衆院選への関心度を探るため、全国電話世論調査を実施した。その中で、衆院解散表明については、6割以上が「理解できない」という反応を示している。解散の大義が問われないまま、選挙戦に突入するのか。
共同通信社が19、20両日、衆院選への有権者の関心度や政党支持の傾向を探るため実施した全国電話世論調査(第1回トレンド調査)によると、比例代表の投票先政党は自民党が25・3%で、民主党9・4%の2倍以上に達した。望ましい衆院選結果を聞いたところ「与党と野党の勢力が伯仲する」が51・4%で過半数を占めた。 安倍晋三首相が衆院解散を表明したことについては「理解できない」との回答が63・1%となり、「理解できる」の30・5%を大きく上回った。 ※共同通信(11月20日)
また、同じ調査の中で、どのような選挙結果が望ましいかという問いについては、「与野党伯仲」が約半数におよんだという。自民党による「一強多弱」の国政運営を好まない有権者が多いことがうかがえる。
明日の衆院解散を前に、法案が次々と駆け込み成立したという。19日には、参院本会議で11本の法律が成立。20日の読売新聞が報じた。
19日の参院本会議では法律11本が成立し、条約1本が承認された。このうち、中国漁船のサンゴ密漁対策を強化する改正外国人漁業規制法・漁業主権法の成立は、全会一致だった。 野党8党は先週、「社会的・人道的に緊急を要する法案には協力する」との方針を確認した。この方針通り、エボラ出血熱患者らの検体の強制採取を認める改正感染症法や、リベンジポルノ被害防止法の成立に協力した。 食品などの不当表示への課徴金を導入する改正景品表示法や、危険ドラッグ規制を強化する改正薬事法も全会一致で成立した。 ※読売新聞(11月20日)
他にも、安倍内閣が最重要法案だとしている「まち・ひと・しごと創生法」の改正地域再生法が19日に可決。民主ら4野党の議員が、審議拒否したことで、与党と次世代の党の賛成で、21日にも成立する見通し。 そもそも、「まち・ひと・しごと創生法」がなぜ、最重要法案なのか、どれだけの国民が知っているのだろうか。明日、衆院は解散する。12月2日から始まる選挙戦の準備で、国会議員らはすでに大忙しだ。国会おざなりの中、私たちの生活に影響をおよぼす法律が知らない間に次々と成立し、12月10日には、国会の監視機関がないまま、特定秘密保護法が施行日を迎える。