【IWJ・争点山盛り選挙日報4】衆院解散! 経済政策に争点を絞りたい安倍総理が『アベノミクス解散』と命名 ~11月21日の動き まとめ 2014.11.22

記事公開日:2014.11.22 テキスト
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経済政策に選挙の争点を絞らせたい安倍総理の思惑

 安倍総理は21日、衆院を解散。首相官邸で記者会見を行い、今回の解散を「アベノミクス解散」と命名した。

 安倍晋三首相は21日夕、衆議院解散を受けて記者会見し、今回の解散は「アベノミクス解散だ」とし、アベノミクスを進めるかどうかを争点に選挙を行う考えをあらためて示した。消費税上げが争点にならないとの批判があることについても「それは違う」と指摘、「(アベノミクスへの)国民の信頼と協力を得て、成長戦略を前に進め、国民生活を豊かにしていく」と訴えた。

 ただし、今回は民主党をはじめとする野党も増税の先送りを容認しており、『大義なき解散総選挙だ』と批判する声も多い。

 民主党の海江田万里代表は「駄々っ子解散」、維新の党の江田憲司共同代表は「経済失政解散」、共産党の志位和夫委員長「追い込まれ解散」、社民党の吉田忠智党首は「アベノミクス失敗隠し解散」などと表現している。

 また、今回の衆院解散はアベノミクスを進めるべきか止めるべきかを問う選挙であるという報道に対し、アメリカのネットユーザーからは次のような意見が聞かれた。

「日本は安倍首相を追い出すべきだ!」

「日本は追加緩和を行う前に、苦い薬となるが、付加価値税と物品サービス税を導入すべきだったと思う」

「溺れる者はわらをもつかむ」

「これまで行われてきた円安を進める経済改革は良くなかったと思う。景気が停滞している中で消費税の増税を延期したのは、ナンセンスだ」

「アベノミクスは完璧だったが、唯一の失敗は、税金をかける相手を間違えたことだ。1%の高所得者ではなく、中低所得者層に税金の負担を背負わせた。そのせいで、アベノミクスはうまくいかなくなっているんだ」

「これが日本における民主主義なのか?」

「オバマ大統領がもし解散したらどうなるだろう?もし私が日本で投票することができるとしたら、安倍首相には投票しない」(アベノミクス解散に、米国のネットユーザーがコメント「これが日本の民主主義?」「溺れる者はわらをもつかむ」 Record China、11月21日)

集団的自衛権は既に国民からの支持を得ている!?

 政府は解散後の臨時閣議で、衆院選の日程を、12月2日公示、14日投開票に正式決定。

 岸田文雄外相は、閣議後に会見を行なった。集団的自衛権行使容認が衆院選の争点になるかというIWJの質問に対し、「集団的自衛権は、これまでの衆院選、参院選において、自民党は公約に掲げてきた。今後の法整備の議論に向けて、今回の選挙を通じ、国民から推進力をいただきたい」と述べ、既に国民からの支持を得ているとの認識を示した。

 「集団的自衛権については、これまでの衆議院選挙、あるいは参議院選挙においても、自民党として、選挙公約の中で、集団的自衛権の行使を可能にする、こういった公約を明記し、それを掲げて選挙を行ってきました。

 こうした公約のもとに、何度か選挙を行い、そして選挙で、国民の皆様方から支持を得てきました。ですので、官房長官の発言は、そういった点を踏まえての発言だと理解しています。

 今後、国会におきまして、安保法制の整備等、様々な議論が行われることが予想されます。そうした議論を進めていくうえにおいても、選挙を通じて、国民の皆さんに、政権、そして与党がしっかりした推進力をいただくことが重要だと考えます」

▲記者会見でIWJの質問に答える岸田文雄外相

アベノミクスを「失敗」と評価した人が「成功」を上回る

 この日、朝日新聞社が緊急全国世論調査(電話)の結果を発表。安倍政権による2年間の経済政策について「成功だ」と回答したのは30%、「失敗だ」との回答が39%だったことが明らかになった。

 自民支持層では55%対21%で「成功だ」が「失敗だ」を引き離しているが、無党派層では18%対46%で「失敗だ」が上回った。経済政策が「成功だ」という人は、64%が衆院選比例区の投票先として「自民」と答えた。「失敗だ」という人は「民主」「自民」「共産」「維新」などに分散した。(アベノミクス「失敗」39%、「成功」30% 世論調査 朝日新聞、11月21日)

 その他にも、アベノミクスが賃金や雇用が増えることに「結びついている」との回答は20%で、「そうは思わない」との意見は65%に達した。今年6月の調査では「結びついている」が27%、「そうは思わない」が55%だったことを踏まえると、景気回復を実感できていない人が増加しているという実態が窺える。

 安倍総理が争点にしようと目論む経済政策についての世論調査でも、アベノミクスを評価しない声が増している。

 IWJでは12月10日に施行される特定秘密保護法をはじめ、安倍政権が2年間で繰り返してきた暴挙の行方を注視しつつ、今回の選挙の争点を多角的にお届けしますので、ぜひ、ご覧下さい。

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