原子力資料情報室(カナダ・グローブ&メイル紙インタビュー) 2011.3.17

記事公開日:2011.3.17取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根)

 2011年3月17日、東京・新宿区の原子力資料情報室にて、カナダ・グローブ&メイル紙によるインタビューが行われた。取材は、澤井正子氏(原子力資料情報室・再処理・廃棄物問題担当)が応対した。

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  • 日時 2011年3月17日(木)

 「アメリカ政府は80キロ範囲、日本政府は30キロが避難範囲としているその差はなぜか」インタビューに答えている澤井氏は、「避難範囲が30キロ圏内では十分ではない。東京は避難するには微妙な放射線量だ。アメリカ政府がいう80キロ圏内のアメリカ人だけなら全員避難させることは可能だ。住民すべては不可能だが、日本政府の見解は甘い」と答えた。

 澤井氏は「すでに避難区域の外にいる住民でも自主避難している。国民は政府に、かなりの不信感をもっている」。これから東京はどうなるかという質問については、「最悪のシナリオでは、原子炉のメルトダウンを起こしている可能性がある。もしそうなったら日本国内では、逃げるところがなくなる可能性がある」と述べた。

 「東京は人口密集地域なので被ばく被害は大きくなる。なので世界的に原発は過疎地に作られている。日本の法律でも過疎地が条件になっている」。また「原発は安全だという情報を政府はわざと流していると思うか」との問いには、「日本政府は過小評価をしている。電気が足りない。災害地に電力が必要だ、といい柏崎、浜岡原発を稼働させている」と話した。

 澤井氏は「柏崎原発は新潟県にあり、福島県も東北電力の電気でまかなっている。柏崎、福島原発の電気はいっさい地元では消費されず関東圏に送られている。今回、福島の人たちは東京電力のせいで被災したのはおかしな構造だ」と答えた。それから次の問いに、「今回の事故は国民の意識をかなり変えさせた。政府は正しい情報を出さないから、今では国民は信じていない」。また「これからもっとひどくなる可能性もある。それと福島も第2を含めると10基の原発が密集していて、連鎖反応を引き起こしやすい。一度爆発して放射能汚染が起きたら、復旧するにも近づけなくなる」と語った。

 「アメリカだったらパニックになるのに、日本国民や福島住民はとても冷静だが、なぜか」と質問が寄せられた。「それは放射能の本当の恐ろしさをしらないからだ。また政府がきちんとした情報を出していないこともある」と答えた。

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