今の20代の若者は、もうわからなくなっていると思う。80年代前半の日本は、間違いなく、当時世界で最も成功し、繁栄し、豊かで、平等で、安全で、幸福な国だった。国民の9割が自身を中流と考えていた。社会保障が破綻する可能性や貧富の格差の拡大や自殺者の激増を誰も想像できなかった。
なぜ、日本は成功し繁栄し、国民の生活も向上していたのか。国民の金が国内で回って行く好循環のサイクルを描いていたからである。国民はよく貯金をし、その貯金を吸い上げて公共投資が行われ、民間投資がついていき、雇用をうみ、国民の所得が上がり、貯金が増える、という循環である。
こうした好循環のサイクルをもたらしてきた戦後日本の諸制度が、市場原理主義、グローバリズム、新自由主義経済思想と、米国の帝国主義的な収奪戦略によって破壊され、日本の富はひたすら奪われ続けるはめとなった。
日本の長期停滞は、米国からの圧力とそれに呼応する売国的官僚や売国的資本家、その走狗として世論の捏造に走り回る売国的文化人らによってもたらされた人災にほかならない。その事実を、菊池英博氏はコツコツとデータを積み上げながら実証されてきた。
菊池英博氏は、反体制派の左翼ではない。もともと銀行マンであり、エコノミストであり、もちろん資本主義(人間の顔をした資本主義ではあるが)の擁護者であり、保守主義者であり、愛国者である。もともとは親米派でもある。
その菊池英博氏が書き上げた新刊のタイトルが、「そして、日本の富は略奪される〜アメリカが仕掛けた新自由主義の正体」なのである。アベノミクスの理論的支柱である黒田東彦氏や岩田喜久男氏の理論がいかに間違っているか、また、リストラを促進させる人物が人材派遣会社の会長として私腹を肥やしているとして、パソナグループ会長の竹中平蔵氏や、宮内義彦会長率いるオリックスが第二の大株主である人材派遣会社ザ・アールの奥谷禮子氏らを厳しく批判。
竹中氏や奥谷氏らは、政治権力と結びついて不当利益を得るレントシーカーであると、菊池英博氏は断ずる。こうした米国の侵略的政策の手先となって私腹を肥やすレントシーカーらにより、豊かで、平等で、安全な国だった日本は、すっかりボロボロにされてしまった。
今、何が起きているか、これから何が起きようとしているのか、菊池英博氏とのクロストークによって、徹底的に明らかにする。明日、夜。ぜひ、ご参加を。