2012年4月23日(月)、福岡市・アクロス福岡で行われた、青木泰氏福岡講演会「被災地ガレキについて知っておきたいこと」の模様。
(IWJ福岡・金子)
2012年4月23日(月)、福岡市・アクロス福岡で行われた、青木泰氏福岡講演会「被災地ガレキについて知っておきたいこと」の模様。
■全編動画
長年にわたってごみ問題についての住民運動に関わり、環境ジャーナリストとして一般紙や専門誌に執筆もしている青木泰氏。青木氏のみならず、インターネットや週刊誌、更には既存マスコミまでもが、様々な視点からがれきの広域処理の矛盾点を指摘しているなかで、もはや環境省が主張してきた「被災地の早期復興(3年以内)のために広域処理がどうしても必要」という論理は完全に破綻している・・・青木氏はそう主張し、多角的に分析してみせた。以下、一部を紹介する。
・宮城県は350万トンの可燃がれきを地元で処理できると言っているが、 環境省の説明は「宮城県からの提案でがれきの広域処理を進めてきた」というもの。
・がれき処理の予算に1兆見積もられているが、実際は5000億円で足りる。予算は使い切らないとならないという環境省の裏事情があるのでは。
・「瓦礫の処理が遅れて被災地が困っている」という理由の矛盾点を指摘され、最近になって「順調に進んでいる」という説明に変化。
・陸前高田市長は地元にがれきプラントを作りたいと希望し、県に提案したところ、完成するのは2年後と言われた。広域処理をしたい環境省の思惑が影響しているのでは。
・岩手県の牛の汚染の原因は、露天に干しの汚染が濃縮された稲わらを食べたこと。 がれきも露天に放置してあるのだから、当然濃縮された汚染があると見るべき。
・島田市での試験焼却の結果は不検出だったと発表されたが、計算し直したところ、バグフィルターで捕捉したのは60~80%で、残りは空中に出てしまっていた。フィルターのメーカーも「バグフィルターで放射性物質が取れる保証はない」と明言している。
「広域処理の思惑は追い詰められ、もはや崩壊過程に入っている。環境省は今まで経験したことのない、1兆円クラスの予算に舞い上がってしまった。お役所の言うことは信用すべきでない。これからはインターネット等のメディアを使って自分で情報を集め、自分で判断する事が必要」と青木氏は結んだ。