2013年10月31日、東京電力本店で東電平成25年度第2四半期決算 記者会見が開催された。連結経常損益1416億円と、震災前の2010年第2四半期以来3年ぶりに黒字化を達成した。
2013年10月31日、東京電力本店で東電平成25年度第2四半期決算 記者会見が開催された。連結経常損益1416億円と、震災前の2010年第2四半期以来3年ぶりに黒字化を達成した。
■全編動画
東京電力は2013年度第2四半期決算を発表、連結経常損益は1416億円、単独経常益でも1120億円の黒字化を達成した。震災前の2010年(H22)年度第2四半期から3年ぶりの黒字である。
黒字を達成できた要因として、廣瀬 直己 代表執行役社長は、徹底したコストダウンと、売上の増加を挙げた。
設備修繕など工事を下期への繰り延べ、修繕費を圧縮した。また新卒採用を見送っきたことなど人件費の抑制を図りコストダウンを達成した。さらに、電気料金の値上げや、販売量の増加により売上高が前年同期比約12%増加した。これらが収益改善につながった。
今年度の通期見通しについて廣瀬社長は、柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の適合性審査の申請を行ったものの、再稼働時期がいつになるかまだ分からないこと、下期にも設備の安定性や安全確保の工事があることんどから未定だと発表した。
下期には、上期から繰り延べた工事や、これから実施する汚染水タンク・リスク低減策など費用の大幅な増大が予想され、上期は大幅な黒字を達成したが通期では依然として厳しいという見通しだ。
通期黒字化のために、安全確保しつつ費用削減を深堀りしつつ、費用の来年度の繰り延べも検討するという方針を述べた。
「柏崎刈羽原発の再稼働が無ければ収支的に厳しくなるのでまちがいない」廣瀬社長は答えた。「一方で再値上げは客のことを考えて極力したくないのが私の願いである」しかしながら、再稼働のない状態が続くならば、経営健全化のためには値上げ止むなしという考えを示した。
福島第一1~4号基の廃炉化にむけて分社化するという意見が、自民党などから出ている。このことに関して廣瀬社長は、30~40年かかる廃炉作業の中心になるのは東電の人間だろうと述べた。
福島第一を一番よく知っているのは自分達であり、事故を起こした責任を果たして全社一丸をなって取り組んでいる。にわかに別の体制につくって何千人の人をそこに集めるは無理があるだろうという考えを示した。
分社化せずに東電の中で、人を回し、廃炉という事業を担うという考えだ。
廣瀬社長は「除染、廃炉費用を東電一社で負うのは無理がある」と自身の考えを示した。原子力損害賠償機構法に則り、そのスキームでやっている。今後のことも今後のスキーム次第になると述べた。
■会見者
代表執行役社長 廣瀬 直己(ひろせ なおみ)
経理部長 武谷 典明(たけたに のりあき)
企画部長 文挟 誠一(ふばさみ せいいち)
■■■■■■
以下、東京電力ホームページより、リンクを表示
■配布資料