- フィルターベント設置工事と住民避難計画の整合性 -
柏崎刈羽原発の再稼働を急ぐ東電は、原発新規制基準で設置が定められている「フィルターベント」の設置工事に着手した。フィルターベントはクレーンによって遮蔽壁の中へと移送され、その作業の模様が10月22日、報道陣に公開された。
今回のフィルターベントは7号機に設置されるもので、前日の21日、千葉の製造工場から海路で刈羽に運送された。フィルターベントは、原発事故が起きた際の格納容器損傷を防ぐための装置で、大気中に放出されるセシウムの量が、従来のベントに比べて約1000分の1程度に抑えることができるといったものだ。それでも事故が起きてフィルターベントを使用すれば、刈羽原発敷地境界線における被曝線量は毎時数百ミリシーベルトに達するとの試算も出ている。
泉田知事は、適切な住民避難計画が策定されない限りベント機能の使用は認めないという構えを崩していない。東電は、今後予定されている県との避難計画のすり合わせによって、知事の理解を求めたいという。