東電柏崎刈羽原発7号機「第一のフィルターベント」設置工事開始 2013.10.22

記事公開日:2013.10.22取材地: テキスト動画
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(IWJ 原佑介)

- フィルターベント設置工事と住民避難計画の整合性 -

 柏崎刈羽原発の再稼働を急ぐ東電は、原発新規制基準で設置が定められている「フィルターベント」の設置工事に着手した。フィルターベントはクレーンによって遮蔽壁の中へと移送され、その作業の模様が10月22日、報道陣に公開された。

 今回のフィルターベントは7号機に設置されるもので、前日の21日、千葉の製造工場から海路で刈羽に運送された。フィルターベントは、原発事故が起きた際の格納容器損傷を防ぐための装置で、大気中に放出されるセシウムの量が、従来のベントに比べて約1000分の1程度に抑えることができるといったものだ。それでも事故が起きてフィルターベントを使用すれば、刈羽原発敷地境界線における被曝線量は毎時数百ミリシーベルトに達するとの試算も出ている。

 泉田知事は、適切な住民避難計画が策定されない限りベント機能の使用は認めないという構えを崩していない。東電は、今後予定されている県との避難計画のすり合わせによって、知事の理解を求めたいという。

■ハイライト

  • 日時 2013年10月22日(火)
  • 場所 柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市)

フィルターベントの耐震性と再稼働

 2007年の中越沖地震の際は、地盤が不均一に上下する「不等沈下」によって、3号機と変圧器を結ぶ電線が破損し、火災の原因となった。当時はさらに、消火用の配管までもが不等沈下によって破断し、必要な消火作業ができなかった。

 こうした失敗を踏まえ、東電は、フィルターベントと原子炉をつなぐ配管の一部に、上下左右前後に約30cmほど伸縮する継ぎ手を採用するなどの地震対策をとった。原子炉建屋とフィルターベントは、同じ支持基盤の上に設置されているため、不等沈下も起こりにくいという。

 6、7号機の設置工事は今年度中に終える見通しで、泉田裕彦新潟県知事が要請している「第2フィルターベント」の設置終了には約3年程度かかるという。フィルターベントの設置工事は今後も進められるが、未だに再稼働の見通しは立たないままだ。

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