汚染水対策・貯蔵タンク群を公開 ~東京電力福島第一原発入構取材 第五弾 2013.6.11

記事公開日:2013.6.11取材地: 動画
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 本年3月以来通算5回目の福島第一原子力発電所の報道現地取材が2013年6月11日(火)に行われた。廃スラッジ建屋屋上が初公開され、汚染水処理対策の重要な取材ポイントとなる、汚染水の貯蔵タンク群を一望した。

■全編動画

  • 日時 2013年6月11日(火)
  • 場所 福島第一原子力発電所(福島県双葉郡)

 廃炉に向けた取り組みの中で、一日当たり約400トン増加する汚染水の処理が重要な鍵となっている。処理できない汚染水を多くのタンクに貯蔵している。それらタンク群が林立する現場が公開された。一方、増加量を低減させる対策として性能テスト中の、建屋内に流入してくる地下水量を低減させるための地下水バイパスと、汚染水を処理する多核種除去装置(ALPS)が公開された。

 1~4号機の南側に廃スラッジ建屋の屋上が初めて公開され、構内を俯瞰することができた。ふくいちライブカメラの設置場所に近く、ライブカメラの画角に近い角度で原子炉建屋を一望できる。4号機の燃料取出しカバーの建築の様子がうかがえた。ライブカメラ自体は近くの別の建屋に設置されており、肉眼で確認することもできた。

 南東から南方向にかけては敷地境界近くまで見渡すことができる。以前は野鳥の森と呼ばれた森林地帯だったそうだが、現在ではほとんど伐採され、汚染水貯蔵のためのG6エリア1000トン鋼製タンク、500トンタンクなど多種類の貯蔵タンク群が林立している。6/5にフランジ継手から滴下漏洩したタンクも確認できる。

 汚染水貯蔵のためのタンクは、現在約40万トン分設置されており、今後80万トンまで増設する予定を立てている。しかし、ここから見る限り増設できる余裕もさほど多くあるようには見えなかった。工夫により増設タンク建てることができたとしても、地上タンクに汚染水を貯蔵すると、敷地境界の線量を上げる原因となる。計画通りにできるか難しいと思われる。

 現場の取材後、高橋所長のかこみ取材が行われた。汚染水対策や、地下水バイパス計画の遅れについて、情報公開がうまくなかったかもしれないが、地元に丁寧に説明していくと述べた。

 現場の空間線量率も依然として高い場所があり、今回の取材中では3号機タービン建屋海側で1100~1500μSv/hだった。がれき等の処理ができず、放置されている箇所も多く見られた。

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