2013年2月24日(日)12時30分から、東京都港区の明治学院大学白金キャンパスでシンポジウム「死の灰は消えない ―ビキニ水爆被災を再考する―」が開かれた。第五福竜丸元乗組員、大石又七氏の挨拶から始まった今回のシンポジウムでは、ビキニ水爆事故から福島第一原発事故に至るまで、変わることのない、国の隠蔽体質など、さまざまな問題点が語られた。
(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)
2013年2月24日(日)12時30分から、東京都港区の明治学院大学白金キャンパスでシンポジウム「死の灰は消えない ―ビキニ水爆被災を再考する―」が開かれた。第五福竜丸元乗組員、大石又七氏の挨拶から始まった今回のシンポジウムでは、ビキニ水爆事故から福島第一原発事故に至るまで、変わることのない、国の隠蔽体質など、さまざまな問題点が語られた。
■ハイライト
第五福竜丸元乗組員の大石氏は、開会挨拶の中、「当時、アメリカは日本に対して、事故による影響はないと報告し、事故後、わずか9ヶ月で被ばくの検査が打ち切られた。ビキニ水爆から半世紀の時が流れたが、国の放射能の扱いは全く変わっていない」と指摘した。
その上で、「日本は、未だに放射能の恐ろしさを隠し、推進しているが、政府が責任を取ることはない。この問題について考えなければいけない時が来ている」と述べた。続いて、第五福竜丸事件を風化させないために、紙芝居の読み聞かせを行う西脇氏の話を受けて、竹峰氏は「来年で、ビキニ水爆被災から60年になる。ビキニ水爆被災は、原子力を推進するために、意図的に風化させられ、忘れさせようとする力が働いたのが特徴である。その点を理解しなければいけない」と指摘した。
基調講演を行った山下氏は、福島第一原発事故とビキニ水爆事件の類似性を指摘し、「なぜ、この事件が矮小化されたのか、大きな流れの中で捉える必要がある。福島第一原発事故の問題も必ず長期化する。福島の問題を理解するためにも、ビキニ水爆事件を分析する必要がある」と述べた。
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