2013年1月31日(木)15時より、東京都内のIWJ事務所で、岩上安身による「中田考氏インタビュー」が行われた。元日本ムスリム協会理事で、イスラム圏の社会文化に造詣が深い中田考氏に、アルジェリア人質事件を皮切りに、イスラム教と西欧思想との違いなどについて聞いた。
(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)
2013年1月31日(木)15時より、東京都内のIWJ事務所で、岩上安身による「中田考氏インタビュー」が行われた。元日本ムスリム協会理事で、イスラム圏の社会文化に造詣が深い中田考氏に、アルジェリア人質事件を皮切りに、イスラム教と西欧思想との違いなどについて聞いた。
■ハイライト
元同志社大学神学部教授の中田氏は、自らがイスラム教徒で、ハサンというムスリム名を持つ。預言者ムハンマドの「アゴヒゲは手で掴めるほど伸ばす方がよい」という言葉に従って長いヒゲを蓄え、普段からイスラム風の装いで暮らしているという。岡山県出身の中田氏は、東京大学文学部イスラム学科卒業後、同大学院人文科学研究科で宗教学宗教史学修士課程を終え、90年代にカイロ大学大学院で哲学博士の学位を取得。サウジアラビアの日本大使館勤務、山口大学教育学部助教授を経て、日本学術振興会カイロ研究連絡センター所長などを歴任した。
岩上から「いつ、イスラム教徒になろうと思ったのか?」と問われた中田氏は、「1982年、日本で一番権威のあった神戸モスクで改宗した。基本的にムスリムとは、本人と神との関係なので、はっきりした入信儀礼や信仰上の決まりがない。とてもファジーな信仰が特徴だ」と答えた。続けて、「ムスリムには、ユダヤ教、キリスト教も包括してしまう世界観がある。イスラム教徒にとっては、旧約聖書のモーゼやイエスの信仰は、ムスリムの教えでもある」と、イスラム教全般についての基本知識を語った。
岩上が、今回のフランス軍のマリ侵攻と、アルジェリアの人質事件について質問すると、中田氏は、テロという言葉の共通認識や意味のバックボーンを説明し、「この事件に、テロリストという言葉は使うべきではない。テロリストとは『恐怖』という言葉からできている。政治的意図を実現させるための手段。人が死んでしまったら、テロの手段とは言えない。今回の事件は、軍隊側の口封じ。テロが起きるのは、国家が隠したいことがあるからだ」と意見を述べた。
(…サポート会員ページにつづく)
アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。
サポート会員 新規会員登録単品購入 550円 (会員以外)単品購入 55円 (一般会員) (一般会員の方は、ページ内「単品購入 55円」をもう一度クリック)