2022年7月25日午前10時より、東京都千代田区の衆議院第一議員会館にて、立憲民主党・旧統一教会被害対策本部による、「統一教会等による消費者被害についてのヒアリング」が行われた。
講師のジャーナリスト有田芳生氏は、この日、25日までが参議院議員任期。
有田氏は、講演の中で、旧統一教会の国会でのロビー活動について、次のように語った。
「国際勝共連合の赤坂にある事務所から派遣された、女性信者たちのチームで国会を回るんです。ロビー活動で。そして、いろんな統一教会の教えを、自民党の国会議員さんたちにいろいろな広報をやってお願いをして、(中略)日常的に回っているんです。月に500万使って。飲食費、交通費です。
そして、たとえば、『こども庁』のことだって、『こども家庭庁』にしたのは、皆さん(法案反対で)努力されていたが『子ども家庭庁』になった。で、その後、統一教会系の組織のホームページを見ていただければ、『心ある国会議員の皆さまの力によって、こども庁ではなく、こども家庭庁になりました』と、堂々と言っている。そういう浸透をさせるために『PRチーム』が動いている。
また、『対策』と称して、毎月1億円、毎月ですよ。この『対策』とは何かというと、『警察に強い国会議員への働きかけ』および『裁判対策』なんです。
私は1995年秋のオウム真理教の事件の後、警察庁の幹部と警視庁の最高幹部と話をしたときに、(中略)彼らは『オウムの次は、統一教会を摘発するんだ』と明確に言ったんですよ。
そして、今でも忘れませんけど、『相当の情報源ができた』ともおっしゃってました。『相当の情報源』。で、それから待てど暮らせど、何もなくて、10年後に池袋で、警視庁の幹部2人と会ったときに、『(摘発なんて)何もなかったじゃないですか』と聞いたら、『政治の力です』と言ったんですが、それがこの『対策』なんです。
毎月1億円ですよ。『PRチーム』は月500万円ですよ。だけど、警察対策には1億円、毎月お金が動いているということ。これが、今皆さんがいらっしゃる、国会をめぐる状況なんですよね。
だから、そこにどこまでメスを入れていくことができるのか、目に見えているのは霊感商法や献金被害ですから、それを消費者被害として扱っていくのは当然ですけども、同時に、全体像を歴史的に見ていかなければ、統一教会の問題は見えないのではないかというふうに思っております」。
杉尾秀哉参議院議員は、西村智奈美幹事長に対して、「共産党も(旧統一協会問題)追及チームを立ち上げている」と述べ、他党との合同ヒアリングなどは行わないのか、と質問した。
これに対し、西村幹事長は「可能性は模索していきたい」と答えた。
また、立憲民主党・無所属会派で衆議院議員の米山隆一氏は、「旧統一教会」対策の立法化について、次のように有田氏に質問をした。
「そこはやっぱり、幅広いすべての宗教法人を対象にした対策になるんだと思うんですね。さらにより具体的に考えると、恐らくはその一定額、社会通念上相当と思われる祭礼等の範囲を超えた寄付に関して、取り戻せるというような規定を作っていくんでしょうし、2世の問題に関しては、恐らく、児童虐待防止法第2条における虐待の定義の中に宗教的虐待のようなものを入れ込むということになるんだと思うんですね。
そうしますと当然ですが、例えば立憲民主党ともそれなりに関係のある『立正佼成会』みたいなところからの反発だってあり得るんだと思うんですね。もしくは近所の神社仏閣からの反発だってあり得るということだと思うのですが、私はそれを乗り越えて、もちろん、立法技術的にも一定の社会的相当範囲みたいな概念で線を引きながら、そこをちゃんと正面突破していくべきであると思うのですが、ご意見をうかがえればと思います」。
これに対して、有田氏は次のように答えた。
「宗教法人法改正のときに、宗教界の猛反発というのはすごかったですよ。ものすごかった。だから、それを乗り越えていける覚悟ある大臣政治家がいるかどうかというところにかかってくると思うんですよね」。
詳しくは、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。