ユダヤ人批判があれば世界中どこでも「反ユダヤ主義」として徹底糾弾するサイモン・ヴィーゼンタール・センターの幹部が急遽来日! 岩上安身が単独インタビューすることに! 今回の来日の主目的は、「イスラエル製品ボイコットをした大丸への抗議」だと!? 2018.6.24

記事公開日:2018.6.24 テキスト
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特集 中東

 IWJは、歴史修正主義、とりわけナチス・ドイツや大日本帝国を礼賛し、軍国主義復活を正当化するような言説を厳しく批判するだけでなく、シオニストのパレスチナ人に対する暴力についても大きく取り上げ、批判してきた。

 そんななか、反ユダヤ主義監視団体のサイモン・ヴィーゼンタール・センターの幹部、グローバル社会行動方針部長のラビ・エイブラハム・クーパー師が近日中に来日する、という情報を聞きつけた。28日には、複数のメディアに向けた情報交換会が開かれる。その情報を知った岩上安身は、大胆にもクーパー師にインタビューを申し込み、承諾を得た。インタビューは7月4日正午に実現の予定である。今年3月末以降、IWJは、イスラエル軍の行動が過激化するなか、シオニストやそれを支えるクリスチャン・シオニストを糾弾してきたが、にもかからず、クーパー師は、正々堂々と岩上安身のインタビューを受けるという。

▲ラビ・エイブラハム・クーパー師(シドニー・ユダヤ教博物館HPより)

 サイモン・ヴィーゼンタール・センターは人権を守る団体であり、歴史修正主義を許さない団体として世界に知られている。そうであるならば、パレスチナ問題をどう考えるのか、イスラエル建国の起源において、パレスチナ人を追放し、民族浄化を行った「ナクバ」と呼ばれる暴力の事実をどう直視するのか。ホロコーストからナクバ、また現在のガザ地区の惨状をどう考えるのか、という点も、岩上安身はクーパー師にうかがう予定である。

イスラエル製品のボイコットに対して、イスラエル戦略省が御用団体の結成を後押し!?

 イスラエルに対するボイコット運動と反ユダヤ主義の高まりと戦うという目的で、シオニスト団体の12人の代表者が、6月21日にエルサレムに参集し、イスラエル戦略省によって開かれた会議に出席した。イスラエル戦略省は、この三年あまり、イスラエルに対する「ボイコット、投資撤収、制裁」(BDS)キャンペーンへの対処に没頭してきたという。

 BDSは、非暴力抵抗を掲げるパレスチナ系の運動として知られている。そうした抵抗運動に対抗するため、「反BDS団」の設立がイスラエル戦略省の関与の下で行われたのである。このことは、イスラエルが進めているパレスチナ人弾圧の促進に、一層の影響を及ぼすものと考えられる。

イスラエル製品を取り扱う企業が「政治性はありません」は通用しない!?

▲パレスチナ系の抗議運動「ボイコット、投資撤収、制裁」(ウィキペディアより)

 BDSの活動にボイコット運動が含まれるということは、当然イスラエル製品の流通に関わる問題であり、日本の商社やデパートも無縁ではない。たとえば、BDSの一貫として日本国内でも、イスラエル人の入植地で生産されたワインの取り扱いを中止した大丸東京店の決定を歓迎する声明が、「STOP!ソーダストリーム・キャンペーン」によって発表されている。

 一方、上記の『エルサレム・ポスト』の報道によれば、反BDS活動家は、BDSの活動そのものだけでなく、そうした活動に協力した団体や企業をも標的にすると明言したという。日本の企業はBDS、反BDSの板挟みにあう可能性が高いが、あいまいな態度に終始すれば、双方から指弾される恐れがある。

 さらに、かの有名な、反ユダヤ主義監視団体のサイモン・ヴィーゼンタール・センターが、「大丸東京店がBDSに関わった」として、何らかの意見を表明する可能性がある。おそらく大丸東京店にとっては厳しいものとなるだろう。

▲ロサンゼルスのサイモン・ヴィーゼンタール・センター(ウィキペディアより)

 実際、サイモン・ヴィーゼンタール・センターが、BDS運動に対し強い反感を示している団体であることは疑いようがない。最近も、同センターは、米国のBDSがパレスチナ人「テロ組織」と結びついていたと報じたユダヤ系雑誌の、タブレット・マガジンを称賛している。

 もちろん、イスラエル軍によるパレスチナ人殺害を批判することと、ユダヤ人を差別することは大きく異なる。もし、サイモン・ヴィーゼンタール・センターの活動が、イスラエルのシオニスト政権を利することになってしまうとすれば、非常に残念なことではある。しかし、日本が標的とされることに限っていえば、故なしとしない。

安直なナチス・ドイツ礼賛は国際的な評判を落とす!経済活動にも支障が出て国益を損ねる!

 現在の日本では、「ナチス・ドイツの手口に学んだらどうかね」などと発言する不謹慎な政治家が存在するため、仮にまっとうなイスラエル批判をしたのだとしても、海外からは反ユダヤ主義と認識されてしまうような状況に陥っているのである。

▲麻生太郎副総理兼財務大臣

 サイモン・ヴィーゼンタール・センターも強く抗議した、上記の問題発言の深刻さを全く認識していない麻生太郎副総理兼財務大臣の不見識ぶりについては、岩上安身が東京大学の石田勇治教授にインタビューしている。麻生大臣のような人物が権力の座に居座っていると、どれほど日本の評判を貶めることになるのか思い知らされるであろう。

 また、日本の極右言論界とサイモン・ヴィーゼンタール・センターとの間には、浅からぬ因縁がある。

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