宇都宮けんじさんと明日の東京を語ろう 2012.11.26

記事公開日:2012.11.26取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2012年11月26日(月)、東京都板橋区の板橋区立蓮根地域センターレクホールで、「宇都宮けんじさんと明日の東京を語ろう」が、人にやさしい東京をつくる会・板橋の主催で行われた。170名限定による、アットホームな雰囲気の中で開催された今回の集会では、さまざまな問題に取り組むゲストによるリレートークを交えながら、今までの都政の問題点、これからの課題等が語られた。

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  • 日時 2012年11月26日(月)
  • 場所 板橋区立蓮根地域センターレクホール(東京都板橋区)

 冒頭に行われたリレートークの中で、NPO法人自立生活サポートセンターもやい代表理事の稲葉剛氏は、「さまざまな差別発言、福祉の軽視、教育の破壊。自分の美学や物語の中に現実を回収し、見たくない現実を切り捨てる。そういったことを行ってきた知事が、13年半、ずっと居座り続けていたのが、私たちの住む東京である」と、石原都政の問題点を指摘した。貧困問題については、「下は10代から、上は80代まで、貧困の問題は未だ解決されていない。そのことを知ってほしい。宇都宮さんは、文字通り貧困問題の先頭に立って、粘り強い活動をされてきた。知事になって、都政を変えていただきたい」と、貧困問題に取り組む立場から、宇都宮氏に対する想いを語った。

 質疑応答の後、会場に駆けつけた宇都宮氏は、出馬表明以降、勝手連が盛り上がりを見せる現在の状況を、「13年半続いた石原都政を変えたい、という願いを持つ市民が多いことの表れである」と話した。

 最初に憲法の課題について述べた宇都宮氏は、「石原氏が尖閣諸島の購入を表明してから、急速に日中関係が悪化し、ナショナリズムが高揚した。自民党の安倍総裁は、憲法改正後、国防軍を作ると発言している。このままでは、軍事衝突も起こりかねない。むしろ、それを煽っているのではないかと思われる、好戦的な勢力が台頭してきていることは、大変危険である」と指摘した。また、1930年代、軍部の暴走によって、日中戦争から太平洋戦争に発展した日本の歴史を例に挙げ、「戦前の軍部と同じような、危険な行動を許してはいけない。憲法の平和主義を守る都政を、作り上げることが重要だ。国政においても、憲法を守る平和勢力を前進させることによって、アジア諸国との関係改善に繋がり、領土問題も平和的な交渉ができるだろう」と語った。

 続いて、米軍基地の問題では、沖縄と連帯して基地撤去運動を行う方針を示し、「米軍基地問題の中で重要なことは、1960年に不平等な日米地位協定が結ばれてから50年の間、米軍兵士による犯罪が続いていることである。犯罪に対して、日本の主権が行使できるように、地位協定の改正を政府と共同で申し入れる必要がある」と話した。

 また、福祉の問題については、強制管理のもとに行われる教育、石原都政が次から次へと福祉予算を切り捨てた結果、23区内において孤立、餓死者が増加したこと、待機児童の問題を挙げて、「原発政策、TPP、消費税問題を始め、今回の都知事選や国政選挙は、21世紀の日本の将来のあり方を決める選挙になる。石原都政は世界の都市と競争する形で大規模開発を行ったが、人には目が向いていなかった。都民の溜まった怒りを吹き飛ばして、都政を大転換する時期が来ているのではないか」と語った。

 最後に「この選挙は、一人ひとりの市民が立ち上がって、発言し、運動する。その広がりにかかっている。皆さんと一緒に頑張っていきたい」と、市民の協力と連帯の大切さを訴え、話を締めくくった。

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