この度、2016年10月18日に掲載した当社記事「高江で座り込みを続ける87歳の『文子おばあ』こと島袋文子さんから『暴行を受けた』と被害届を出した『日本のこころ』和田政宗議員!42歳!!IWJは再三取材を試みるも応じず!」において、訂正すべき点がありますので、ご報告いたします。
当該記事で、「日本のこころを大切にする党」の和田政宗・参議院議員が「沖縄・辺野古で基地反対の座り込みを続ける島袋文子氏(87歳)に対し、『暴力行為を受けた』として被害届を出した」と報じましたが、18日深夜付に和田議員がBLOGOSに掲載された反論記事によれば、和田議員は抗議行動の現場にいた市民2名に対する被害届は出したものの、島袋氏に対して被害届を出したのは和田議員ではなく、「和田議員の同行者」であったとのことです。
和田議員は6月14日にツイッターにこうポストしていました。
「5月に沖縄辺野古キャンプシュワブ前で道路用地にテントを張り不法占拠する活動家達に、不法占拠をやめるよう呼びかけた。その際、私と我が党スタッフが活動家達に暴行を受けたが、先日、警察に相談し被害届を提出した。憲法で保障される政治活動や表現の自由を力で阻止するというもの。戦わねばならぬ」
同様の投稿が複数あり、島袋文子氏に名護署から出頭要請があったことから、和田議員らが、島袋氏を含む市民らから暴行を受けたとして被害届を出したものと認識しました。
誰が誰を名指しして被害届を提出したかは、島袋氏の弁護団も把握しておらず、名護署に対する取材でも、「島袋氏への出頭要請が被害届によるものか」どうかすら開示されていません。
本来であれば、「和田議員ら(あるいは和田議員とその同行者たち)が島袋氏ら市民に対して『暴力行為を受けた』として被害届を出した」と、複数形で表記すべきでした。この点は誤解をまねく表現となっておりました。お詫びいたします。以下のように表現を訂正するとともに、一時、取り下げていた記事を再掲載いたします。
——————————–
(記事タイトル)
・高江で座り込みを続ける87歳の「文子おばあ」こと島袋文子さんから「暴行を受けた」と被害届を出した「日本のこころ」和田政宗議員!42歳!!IWJは再三取材を試みるも応じず!
↓
・高江で座り込みを続ける87歳の「文子おばあ」こと島袋文子さんら市民から「暴行を受けた」と被害届を出した「日本のこころ」和田政宗議員とその同行者!!
(本文:1段落目)
・2016年5月、ある国会議員が沖縄・辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で、基地反対派の市民から「暴力行為を受けた」として被害届を出した。
↓
・2016年5月、ある国会議員らが沖縄・辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で、基地反対派の市民から「暴力行為を受けた」として被害届を出した。
(本文:2段落目)
・被害を訴えたのは、まがりなりにも「保守政党」を自称する、「日本のこころを大切にする党」参議院議員の和田政宗氏
↓
・被害を訴えたのは、まがりなりにも「保守政党」を自称する、「日本のこころを大切にする党」参議院議員の和田政宗氏とその同行者
・訴えられたのはなんと、車イスで歩くのもままならない87歳のおばあちゃん、島袋文子さん(通称「文子おばあ」)である
↓
・訴えられたのはなんと、車イスで歩くのもままならない87歳のおばあちゃん、島袋文子さん(通称「文子おばあ」)を含む複数の市民である
・どこの世界に、87歳のおばあちゃんに対して暴行の被害届を出す「国会議員」がいるだろうか。健康で強壮な大の男のやることか。男として恥ずかしくないのか。
↓
・どこの世界に、87歳のおばあちゃんに対して暴行の被害届を出す人間がいるだろうか。恥ずかしくないのか。
————————————
前述の通り、現在、誰が誰に被害届を出したかを知ることも、個々の名前を明示して書くことも難しいため、現時点では記事中、複数形で表記せざるをえません。より詳細な事実にもとづく報道を行うためにも、和田政宗氏には、島袋氏に対して被害届を出された「同行者」について、名前を明示していただきたいと思います。
和田議員が「取材に応じず!」と報道した件について
他方、和田議員は反論記事で「私と我が事務所は『お会いして取材をお受けします』と明確に回答しています」「私も我が事務所も明確に『取材は受けます』と答えています」と書かれていますが、この部分については、承服できません。
IWJ記者・佐々木隼也は取材申し込みのために、4度電話し、東京事務所の男性秘書、女性秘書、そして仙台事務所の男性スタッフの方とお話をさせていただきました。その際に、電話での取材依頼をし、我々の連絡先をお伝えして多忙な和田議員がお手すきの時にご連絡いただくことは可能かとの打診もしました。また実際にお会いしての直接取材の依頼もさせていただきました。
しかし、こうした重ねての取材申し込みに対して、秘書の方からも、男性スタッフの方からも、「和田氏が取材を受ける」「お会いして取材を受ける」と明確に確約する発言はありませんでした。手元の記録を見ても、その記載はありません。
ちなみに取材申し込みは、和田議員が反論記事で書かれている2回ではなく、計4回行っております。4回にわたり繰り返し取材申し込みを行うにいたったのは、「取材を受ける」と明確に確約する返事がなかったために他なりません。
最後の4回目のやりとりは以下のようなものです。
——————————–
佐々木「辺野古で和田議員が市民に暴行を受けたとして被害届を出されたことについて、東京の事務所に電話したところ、仙台の方に連絡してみたらどうか、とうかがいました。こちらの方で、簡単にお話おうかがいすることは可能でしょうか?」
男性スタッフ「実は今週来週日程の方が入っており、事務所にもいつも夜入ったりとかいう状況だったので…取材ですか?」
佐々木「事実確認や、簡単なコメントをうかがえればと…」
男性スタッフ「和田議員本人が、電話での取材では失礼にあたるという考えをもっているので、仙台の方においでいただくか、それでも日程の方が今週来週いっぱいいっぱいで、夜遅くだったり早朝であったりという時間になってしまうもので…」
佐々木「短い取材になると思いますので、できたら電話でと思っていたのですが…」
男性スタッフ「和田議員が、それでは失礼にあたるとのことで話しておりまして…」
佐々木「この取材申し込みの件は和田議員の方に伝わっているのですか?」
男性スタッフ「東京事務所から連絡があり、問い合わせ等々があれば失礼のないように、という部分では話しておりましたので…」
佐々木「例えば我々の電話番号をお渡しして、和田議員がお手すきの時に短くコメントをいただく…というのは難しいのでしょうか?」
男性スタッフ「それでは、御社の記者の方に失礼にあたる、という考えをもっておりますので…」
佐々木「和田議員が東京に戻られるのはいつでしょうか?東京に戻られてから日程調整して、直接会ってお話をうかがえればと思ったのですが…」
男性スタッフ「国会の方が開会中で、委員会も流動的で、終わったあとにそのまま仙台に戻るというように、忙しい活動をさせていただいているもので…。なので今週来週はちょっと日程的にバタバタという状況で、取材というお話であれば、またあらためて、来週以降にでも、ちょっとまたお電話いただければ…」
佐々木「基本的に、平日は東京に戻っているという認識であっていますか?」
男性スタッフ「仙台の方には、夜であれば、終わり次第戻ってくる、でまた東京に戻ったり…」
佐々木「平日でも、東京と仙台を行ったり来たりですか?わかりました。すみませんお忙しいところ諸々おうかがいしてしまいまして、では東京の方でまた日程調整できればと思います」
男性スタッフ「そういうような部分で、なんとか時間取れればと思うのですが、現実、そういうような状況でしたので…」
——————————–
上記のように、4回にわたる取材申し込みに対して、和田議員の秘書・スタッフの方からは、和田議員の考えとして「電話では失礼にあたる」という言い方はされたものの、和田氏が「必ず会って取材を受ける」旨や、「直接会って取材を受ける、と和田氏は言っている」との確約はありませんでした。
上記のいきさつから、当該記事タイトルにおいて「再三取材を試みるも応じず!」という見出しをつけた次第です。
名護署からの島袋氏に対する出頭要請は今月21日に迫っているなか、報道メディアとして、第一報を出す必要性に迫られていました。和田議員の事務所からは、少なくとも「今週来週」の取材に難色を示されたため、その時点での材料をもとに、第一報として記事を掲載しました。
しかしながら、顧みますと、和田議員が今後を含めてはっきりと「取材拒否」の意志を示していたとは断定できないにも関わらず、今後も含め、和田議員が取材に応じないとの予断を与えてしまったことは、先走りであったと考えます。「『現時点では』取材に応じず」と限定を付けるべきでした。誤解を与えた点について、お詫びし、再掲載する記事では、以下のように訂正させていただきます。
————————————
(小見出し)
・IWJの取材依頼に和田議員「IWJに対して無礼だから…」と謎の理屈で拒否
↓
・IWJの取材依頼に和田議員のスタッフ「電話ではIWJに対して無礼だから…」と電話取材を拒否
・電話取材が我々に対する「無礼」に当たる、などとは滅相もない話である。取材を断る口実なのだろうが、島袋文子さんらに対する再三の「無礼」について、どう考えているのか、ぜひともお聞きしたいと思う。 ↓ ・電話取材が我々に対する「無礼」に当たる、などとは滅相もない話である。島袋文子さんらに対する再三の「無礼」について、どう考えているのか、ぜひともお聞きしたいと思う。 ————————————
しかしながら、和田議員が反論記事において「取材を受けると言っているのに『取材に応じず』いうねつ造」と書かれていることについては、「取材を受ける」という明確な確約は、少なくともこれまでの取材申し込みの過程ではいただいておらず、事実と異なります。「ねつ造」という表現には同意できません。
・・・
和田議員は、反論記事において「お会いして取材をお受けします」「取材は受けます」との姿勢を明確に述べられています。我々としても、直接お会いしての取材を、ぜひ、あらためて、お願いしたいと存じます。
佐々木 隼也
岩上 安身
やくざの因縁ですね。
本当に悔しく心が張り裂ける思いでしょう。なぜ皆その想いを汲み取れないのか、不思議です。頑張りましょう❗