2016年10月7日(金)、明治大学駿河台キャンパスリバティ・ホールにて、「辺野古訴訟福岡高裁判決を問う――辺野古訴訟福岡高裁判決報告・研究集会」が行われた。
集会の冒頭に翁長雄志沖縄県知事が登壇。「(判決の内容について)沖縄の基地問題のみならず、日本の民主主義・地方分権、これの将来に暗雲がたちこめるような、読み返しても読み返しても腹が立つような判決でございまして、一言で唖然と・・・唖然としました」と述べた。
その後、辺野古裁判等弁護団による判決報告が行われ、同弁護団の竹下勇夫氏は「私たちは、翁長知事が行った埋め立て承認取り消し処分が審理の対象であり、もとを正せば、是正の指示が違法なのか適法なのかが審理の対象だ、と言っていたのだが、裁判所は仲井眞前知事が行った承認処分が審理の対象だと。それに逸脱乱用がなければ、翁長知事はなにもできない」などと、裁判所の判断の問題点を報告した。
集会の最後には司会・成蹊大学教授の武田真一郎氏がまとめとして、以下のように語った。
「福岡高裁那覇支部平成28年9月16日判決は、審議の対象を誤って翁長知事がした承認取り消しの違法性ではなく、仲井眞前知事がした埋め立て承認の違法性を審議したため、前知事の判断が尊重されて著しく国に有利な結果となった。
また、司法権の範囲を逸脱して、辺野古新基地建設が普天間基地危険性除去のための唯一の解決策と断定したことによって、沖縄県民に新たな基地負担を強要し、地方の自己決定を尊重する地方自治法の目的を裁判所が自ら否定している。最高裁がこれらの誤りを厳格に審査し、本判決を破棄することを強く要望する」
武田教授のスピーチの後、会場からは大きな拍手が沸き起こった。