プラントは安定と言うも、凍土壁の進退は待ったなし~東電定例会見 2016.1.21

記事公開日:2016.1.21取材地: テキスト動画
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 プラントの状態は安定していると発表、しかし、完成目前の凍土壁(=陸側遮水壁)は、運用方針について関係者間で意見が対立しており、凍らせることができるのかどうかさえ決まっていない。来週1月27日の予定される原子力規制委員会の1F検討会で議論し、何らかの決定が下されるはずだ。

記事目次

  • プラントは安定と言うも、凍土壁の進退は待ったなし

プラントは安定と言うも、凍土壁の進退は待ったなし

 木曜日の会見は、福島第一の状況を現場から伝えるという名目でJV(Jヴィレッジ、楢葉町)からTV会議システムを使い、JVと福島県庁にある会見室、東電本店会見室の3拠点を中継して行われている。

「(今日の福島第一は)非常に落ち着いた状況で、特に変わった様子は見受けられない」と、広報担当の川村信一氏は発表する。温度、圧力、水素濃度、海水の分析結果などに大きな変化は見られないというわけだ。

 しかし、2月完成目前の凍土壁(=陸側遮水壁)は、その運用方針がまだ決まっていない。建物を取り囲むように建設した陸側遮水壁を、凍らせる運用を開始した場合、建屋周辺を流れる地下水が減少。それに伴い、建屋地下に流入する地下水量が減ると見込まれている。それは、汚染水を減らすための当初の目的だ。

 ところが、建屋周辺の地下水量が減ると、地下水水位が低下する。すると、建屋地下に溜まっている汚染水が流れ出す恐れがあると、原子力規制委員会は指摘。東京電力としては当初の予定通りに運用を始め凍らせたいと考えている。しかし、規制委員会は建屋地下汚染水の流出の恐れから、建屋の海側だけを凍らせるよう言っている。

 このように関係者間で意見が対立しており、いつから凍らせることができるのかどうか、期待通りに運用できるのかさえ決まっていない。来週1月27日の予定される原子力規制委員会の1F検討会でこの件について議論され、何らかの決定が下されるはずだ。

 凍土壁が運用できないとると、2年の歳月と数十億の予算を無駄に費やし、多くの作業者に被ばくを強いただけの愚行になってしまう。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2016年1月21日

2016年1月20日

2016年1月19日

プレスリリース

福島第一原子力発電所の状況について(日報)(東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響)

道関係各位一斉メール

2016年1月20日

写真・動画集

福島第一原子力発電所 データ集

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