「命を育む政治家であれば、戦争反対を唱える人に、利己的などという言葉は決して使えないはず。主権在民の日本で、こういう議員は不要です」──。介護の仕事をしているという男性は、このように断じた。
安全保障関連法案に抗議する学生団体SEALDs(シールズ)について、「彼ら彼女らの主張は『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考え」とツイッターに書き込んだ、自民党の武藤貴也衆議院議員に対し、2015年8月8日、武藤議員の選挙区(滋賀4区)の近江八幡市で、「武藤貴也議員に辞職を求めるスタンディング」という抗議行動が行われた。
近江八幡駅南口に集まった市民らは、「武藤議員よ、戦場にはあなたが行け」「憲法を否定する武藤議員は辞職を!」などと書かれたプラカードを持って抗議の意思を示し、次々にリレートークを展開した。武藤議員の辞職、次回選挙での落選を呼びかけると同時に、安保法案を押し進める安倍政権の政治姿勢にも異議を唱えた。
京都の男性は、「SEALDsは自分たちの言葉で語り、ひとりひとりが手を携えて立ち上がっている。それに対して『利己的だ』と言う武藤議員。じゃあ、あんたが一番に前線に行くんだね?」と語り、武藤議員は、この国の政治の姿を体現していると批判。
「そんな政治家は本当に落選させる」と語気を強めた。
また、この日のトークの中で、戦没者遺族の全国組織である日本遺族会の滋賀県の会長が、安保法案に反対を表明したことも報告された。
- 日時 2015年8月8日(土)13:00〜14:00
- 場所 近江八幡駅南口(滋賀県近江八幡市)
政策の話を「戦争に行くかどうか」に直結させてレッテル貼り
はじめに、この抗議行動を呼びかけた、東京都武蔵野市の市議会議員、山本あつし氏があいさつをした。今回の安保法案に反対し、国会議事堂前の抗議行動に参加、SEALDsの若者らと同じように声を上げてきたという山本氏は、「この法案に賛成した国会議員を、次の選挙で落選させる活動を考えていたところに、今回の武藤議員の言動があった」と言う。
「SEALDsの人たちがやっているのは、集団的自衛権の行使を容認する法改正に反対する運動だ。それを『利己主義』に結びつけるのは大きな問題だ。国、国民を守るということと、今、国会で審議されている集団的自衛権の話はまったく別物。そこをごちゃごちゃにして、『あなたは戦争にイエスかノーか』と二者択一を迫る。こういうやり方が通用するのなら、かつて、非国民、国賊というレッテル貼りをした戦前と同じだ」
このように指摘した山本氏は、それを政権・与党の、現職の国会議員が言うのは大問題だとし、「3日前、武藤議員の選挙区で声を上げることを決心した。これを落選運動の出発点として大きく広げていきたい」と語った。
武藤議員は自民党麻生派に所属している。本来なら、若手の軽率な発言をたしなめるべき麻生太郎副総理は、8月6日、「自分の気持ちを言うのは、法案が通ってからにしてくれ」と発言した。これについても山本氏は、「これで政権がひっくり返らない日本は、どうかしている」と批判した。
「基本的人権の尊重」を、「日本精神を破壊した『主犯』だと考えている」と主張する武藤議員の歪んだ憲法観
リレートークになり、最初にマイクを握った愛媛県今治市の男性は、「私の息子は20歳と22歳。この法案が通って、日本が国外の戦闘に参加するようになれば、私の息子たちも戦場に連れて行かれ、人殺しにさせられるのではないか。逆に、殺されて帰ってくるのではないか。そういう目に遭わせたくない。武藤さんという人は、滋賀県で嘉田前知事のダム反対運動などに賛同していたのに、変節したらしい」と不信感を表明した。
36歳の武藤議員は経歴に不明な点が多過ぎる議員です。経歴を明らかにした上で永遠に議員をやめてもらうのが国家百年の計を考えた場合の最良の選択だと思う。特に、東京外大での専攻語学に関する情報を本人が一切明らかにしていないのは疑問です。
私は滋賀の隣の福井県です。本当に保守的な県です。その中で稲田という弁護仕上がりの「違憲か合憲かはどうでもいい」と言った憲法を護るべき議員の発言に怒りを覚えています。
国民・県民を馬鹿にした発言です。一体自分を何様のつもりでいるのか頭がおかしくなったのか。こんな人がネオ自民党の政調会長とは情けない。政治も劣化してここまで品質がないとは考えられなかったことだ。こんな人を選んでいる私たちにも責任があると思います。
来年ある参議員の選挙には自民党議員は当選させてはならないと思っています。