「国会議員を、戦場に行かせるべき」 ~橋下大阪市長、安保法制で国会議員の判断能力に疑問符 「戦争にGOサインを出す人間は、概して安全な場所でGOサインを出している」 2015.6.18

記事公開日:2015.6.24取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田)

特集 「ゆ」党再編の要!? 維新の「正体」
※6月24日テキストを追加しました!

 「国会議員を、戦場に行かせるべきだ」──。橋下徹大阪市長は、そうすれば、永田町での不適切な決定で国民が不幸に巻き込まれるリスクはぐんと減る、との考えを示した。

 維新の党最高顧問で、大阪市長の橋下徹氏は、2015年6月18日、3週間ぶりに開いた大阪市役所での定例記者会見で、「安保法制」に関する持論を存分に披露した。

 橋下氏は、2015年6月14日夜に安倍晋三首相と会談しているが、それに先立ち、維新の党代表・松野頼久氏と、同幹事長の柿沢未途氏の2人から、「安保問題などについて、自由に発言していい」との承諾があったことを明かし、この日の会見でも自衛権再編の必要性を訴えつつ、現在の国会議員の判断能力には疑問符を付けた。

 「原発にも言えることだが、『今の日本には、重大な政策を正しく進められるだけの政治家が揃っているのか』という大きな問題がある」とした橋下氏は、国会議員らによる不適切な決定から国民を守る仕組みづくりが急務だと訴えた。

 会見の中では、維新の党がすでにまとめている安保法案の対案について、「政府・与党との思想の違いが、まるで伝わってこない」と自らの党をダメ出しする場面もあった。橋下氏は、「戦争にGOサインを出す人間は、概して安全な場所でGOサインを出している」として、「銃弾が飛び交う不安がない、安全な場所(永田町)での決定が、軍事リスクを軽く見積もらせる」とも指摘。それを是正するひとつのアイデアとして、冒頭の発言が飛び出した。

 この日の会見は、前半の市政に関する部分でも、いつになく白熱した運びとなった。橋下氏は、大阪都構想の是非を問う住民投票で敗れた後の、市長としての仕事ぶりを批判的に報じたテレビ番組を問題視し、「(市政への)やる気は満タンだ」と豪語。当該するテレビ局2社の記者を、激しい口調で問い詰めるシーンが何度も見られた。

記事目次

■ハイライト

毎日放送(MBS)と朝日放送(ABC)の報道に猛反発

 大阪・梅田の駅前地下道の拡幅工事に伴い、立ち退きを拒否している飲食店など5店舗に、大阪市が強制的に撤去する行政代執行の手続きを進めている問題で、立ち退きを拒んでいた串カツ店が自主的に退去を決めた。これについて橋下氏は、「店側が、強制的な手続きを避けてくれたのはありがたい。店側にも言い分があると思うが、それは裁判でしっかり表明してほしい。店側の言い分が正しいと判断されれば、市はそれに従って対応する」と述べた。

 記者から、「橋下市長は6月16日から区役所訪問を行っているが、目的は何か」と尋ねられると、「(この件に関する)毎日放送(MBS)と朝日放送(ABC)の伝え方は酷い。(今さら回ってどうなる、ではなく)これまでの市政を総括する意味で、私が回っているのだ」と先制パンチ。市長の市政へのやる気が欠如している、との調子で報じられていることに怒りをあらわにした。

 MBSとABCの記者からは、橋下氏の受け止め方に難があるとの反論があったが、橋下氏はすべて跳ね除け、「(市政への)やる気満タンだ」と豪語。「市役所への登庁頻度が低いことを非難しているが、メールによる指示が可能だ。過去の市長のやり方が下手なのだ。件の報道は、(具体論に根ざした)合理的な批判ではなく、悪口を繰り広げただけ。ABCの番組『キャスト』で流れた映像は、市議会で私がうつむいているシーンを使うなど、BPO(放送倫理・番組向上機構)審査に値する」とまくし立てた。

 大阪市と大阪府、堺市が広域課題を話し合う「大阪戦略調整会議(大阪会議)」を巡って、前向きな姿勢が感じられない、との記者からの指摘には、「(大阪都構想を推進してきた私は)大阪会議では解決できない問題があると、前々から言ってきた」と応じ、こう言い継いだ。

(…会員ページにつづく)

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