「台湾がんばれ。学生は暴徒ではない」ーー。
長期化している台湾国内での学生運動を応援するため、3月30日、在日台湾人が中心となって、「台湾の民主主義を守ろう!三月三十日海外の台湾人立ち上がろう」世界一斉活動が、渋谷区・代々木公園で開かれた。
台湾では、「台中サービス貿易協定」の不透明さに反対する市民約50万人が、大規模なデモを行っている。東京での集会は、海外に住む台湾人による連帯行動の一環として行なわれたもので、現在も立法院(国会)を占拠し続けている学生たちを応援する目的で開かれた。3日前という直前の告知にも関わらず、台湾人留学生や、台湾を応援する多国籍の市民約400人(主催者発表)が集まり、横殴りの雨が降る公園の一角で、対話集会がスタートした。
サービス貿易協定、「中国による政治的な脅威」
「私の友だちは立法院に突入した一人です。今、学生たちは、自分のためではなく、家族や国のために、台湾の民主主義を守ろうとしている。外国にいる私たちにできることは何かー。家に帰ったら、台湾にいる家族に自分の意見を伝えて、意見が違っても、理性的に話し合ってほしい」
この日集まった台湾人の多くは、日本に留学中の学生たちだ。主催者から発言を求められると、参加者は次々にマイクを回し、思い思いにスピーチを続けた。慶應義塾大学に留学中の男性は、台中サービス貿易協定について、「この協定によって、中国に対する経済依存度が高くなる。それは、台湾にとって政治的な脅威に繋がる。この協定を一度、差し戻すべきだ」と訴えた。
台湾が消えてしまうという不安
参加者によると、中国や日本など、大国に制圧され続けてきた台湾人にとって、いつ、また他国に飲み込まれてしまうのかという危機感が常にあるのだと言う。同じく留学中だという女性は、「もし、10年、15年経って、国がなくなってしまったら、帰る場所がなくなってしまう。『ブラックボックス』の中、進められてきたサービス貿易協定に断固反対します」と不安をぶつけた。
15時過ぎ、代々木公園と台湾の立法院(国会)を中継で繋ぎ、占拠を続ける学生たちに向けて、日本から声援が送られた。集会では、台湾の有名なバンドグループ「滅火器」が応援ソングとしてつくった「島嶼天光」が流され、参加者で合唱する場面もあった。
参加者インタビュー「学生たちのおかげ」