「三多摩地域が豊かにならなければ、東京の発展もオリンピックの成功もありえない」――。
東京都知事候補の舛添要一氏は2月5日、八王子駅前で街頭演説し、八王子などの三多摩地区の活性化を聴衆に約束し、支持を訴えた。
(IWJ・原佑介)
特集 東京都知事選2014
「三多摩地域が豊かにならなければ、東京の発展もオリンピックの成功もありえない」――。
東京都知事候補の舛添要一氏は2月5日、八王子駅前で街頭演説し、八王子などの三多摩地区の活性化を聴衆に約束し、支持を訴えた。
■全編動画
応援演説をした、自民党副幹事長で地元・八王子選出の萩生田光一衆議院議員は、2時間前に同じ場所で演説した小泉純一郎元総理を名指しし、「都政の課題はエネルギー政策だけでなく、待機児童、多摩の格差是正、教育、高齢者福祉など、やらなきゃいけないことがたくさんある」と展開。
「原発なしでも電気はある、というが、廃炉予定だった火力発電所を慌てて稼働して、なんとか凌いでいる。燃料は98%は輸入で、昨年は3.6兆円もかかった。1日100億円かけて国民の暮らしをなんとか守ってきたが、これでは続かない。依存度を下げていくことは政治家であればみんな考えているが、それは都政ではなく、国政で腰を据えてやることだ。違和感を感じてならない」と批判した。
大学時代は三鷹に住んでいたという舛添氏は、地元に寄り添った話題を中心にスピーチした。
「過去の知事は3代にわたって、ずっと三多摩地区を無視してきた。候補としてだけでなく、知事になってからも一歩も足を踏み入れないというのは許されない。昔は、三多摩からも副知事を入れていたが、今はいない。だから、いつまでたっても交通体制から何から、三多摩がひどい状態にある。私が都知事になれば、必ず最初の仕事として、三多摩担当の副知事を任命したい」
そして、「三多摩地域が豊かにならなければ、東京の発展も、オリンピックの成功もありえない」とし、「八王子駅は今、不便だ。駅北口には産業交流の拠点を作る。4~5年かかるが、大きな拠点となる。来年の4月には、八王子が中核都市になることができると思う」と、聴衆に希望を抱かせた。東京オリンピックの際には、選手のキャンプ地を三多摩に設置すると約束した。
舛添氏は、「寒いですから、政策はそこのチラシに書いてありますので」と述べ、手短に政策を紹介した。
厚労大臣の経験を活かし、「出産、子育ての問題でいえば、今、保育所が足りない。10年間で待機児童をゼロにする」と宣言。「特別養護施設に入れない待機高齢者もいるが、私自身が介護で苦労したから、皆さんに同じ苦労はさせない」と加えた。
舛添氏は経済政策にも言及した。「国家戦略特区で、ただちに東京を特区にして、霞ヶ関の規制と戦い、自由な経済活動ができる東京にしたい。現在、世界の都市ランキングで、東京は4位。1位はオリンピックをやったロンドン。国民が力を合わせれば、必ずロンドンを抜いて1位になる」と話した。
舛添氏の街頭演説には、200人ほどの聴衆が集まった。
犬を連れた二人組の女性は、舛添氏の演説を聞き、「三多摩でのオリンピックや、福祉のことも見ていただけることが嬉しい。大きく構えているところも素敵だった」と感想を述べた。
もう一人の女性も、「素敵だと思った」と口にし、「当選して、八王子がよくなることが凄く楽しみ。三多摩の状況をよくわかっているところが嬉しかった」と話した。