日刊IWJガイド・非会員版「失業率44%の『怒れるインドの若者』が不満のはけ口に、弱者に対して差別的な暴力をふるう! 順風満帆に見えるインドの実情!」2024.4.27号~No.4212


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~モディ首相率いるインド人民党が掲げる「ヒンドゥー至上主義」の闇第5弾! インド独立系メディア『インディア・フォーラム』で、チャンディーガル開発交流研究所の教授兼所長であるプラモド・クマール氏が、失業率44%の「怒れるインドの若者」が、不満のはけ口に、下位カーストや少数民族などの社会的弱者に理不尽な差別的暴力をふるっていると警鐘! 経済成長率は中国を上回る7%台! 人口も14億人と中国と並び、依然として増加中と順風満帆に見えるインドの実情!

■経済的にピンチのIWJへの応援・ご支援をお願いします!! IWJへのご寄付・カンパの月間目標額達成率は、先月3月は162万2511円、目標額の41%の達成率でした! 11月から3月までの5ヶ月間は連続して目標に未達で、不足額は合計972万3789円にもなります! 今後も目標未達となると、IWJは活動できなくなる可能性が出てきます! 4月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、今期5ヶ月間の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【中継番組表】

■本日のニュースの一撃!

■【第1弾! 円安が止まらない! 現在は1986年から1991年のバブル景気直前期と瓜二つ!】(『日経新聞』2024年4月26日ほか)

■<IWJ取材報告 1>三上智恵氏「機動隊だって沖縄県警だって、本当にやりたくてこんな仕事をやってるわけじゃない。なんで沖縄県民同士が誰も知らないところで戦っているのか、毎回涙が出ますよ」~4.14シンポジウム「平和主義を捨てた日本」―登壇:三上智恵氏(ジャーナリスト・映画監督)ほか

■<IWJ取材報告 2>日米安保条約のもとでは、在日米軍基地が汚染源だと水質調査もできないのか!? 憲法に規定された日本国民の基本的人権を守れないほど、日米安保条約は、上位に位置するのか!? 米国環境保護局(EPA)が飲み水のPFAS濃度の全国基準を最終決定!!「日本の暫定目標値見直しの参考とするか?」とのIWJ記者の質問に「諸外国や国際機関における動きの一つとして参考にしていく」と伊藤大臣!!~4.23 伊藤信太郎環境大臣定例会見
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■はじめに~モディ首相率いるインド人民党が掲げる「ヒンドゥー至上主義」の闇第5弾! インド独立系メディア『インディア・フォーラム』で、チャンディーガル開発交流研究所の教授兼所長であるプラモド・クマール氏が、失業率44%の「怒れるインドの若者」が、不満のはけ口に、下位カーストや少数民族などの社会的弱者に理不尽な差別的暴力をふるっていると警鐘! 経済成長率は中国を上回る7%台! 人口も14億人と中国と並び、依然として増加中と順風満帆に見えるインドの実情!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 「世界市場最大の民主主義の祭典」と、インドの選挙管理委員会が自画自賛する、インド下院の総選挙が4月19日から進行中です。圧倒的な勝利を予想されている与党・インド人民党(BJP)は、「ヒンドゥー教至上主義」を掲げ、インド国民の8割を占めるヒンドゥー教徒の支持を集めています。

 インド人民党の主要な支持母体が、民族義勇団(RSS)です。民族義勇団は、イスラム教徒との対立を煽り、少数派コミュニティーに対して迫害を行っています。また、ヒンドゥー教にもとづくカースト制度の維持・強化を支持し、アーリア人種の優越性を説いたナチスを肯定し、ヒットラーをも公然と称賛しています。

 また、民族義勇団は、1948年に「インド独立の父」であり、「非暴力、不服従」を説いたマハトマ・ガンジーを「イスラム教に対して融和的だ」として暗殺しました。いったんはこの民族義勇団は発動を禁じられますが、すぐ翌年にその禁止は解かれ、民族義勇団は、活動も、名称もすべて継続し、その「政治部門」であるインド人民党は、党勢を拡大して、権力を掌中におさめ、現在に至っています。「非暴力」を説いたガンジーを暗殺した、という点は、この民族義勇団と、インド人民党の原点と本質が表れていることは、忘れるわけにはいきません。

 インド独立系メディアである『インディア・フォーラム』は、総選挙前の3月11日、「インドにおける若者の怒りと宗教的憎悪の現在」という記事を出し、非常に高い若者の失業率に対する若者の怒りが、「自殺、薬物中毒、家庭内暴力から宗教的過激化まで、さまざまな形」で出現していると、指摘しました。

※Youth Anger and Religious Hate in India Today(The India Forum、2024年3月11日)
https://www.theindiaforum.in/forum/youth-anger-and-religious-hate-india-today

 「インドの若者たちは、宗教的象徴の神聖性を侵害し、ダリット(カーストの最下位の奴隷階級であるシュードラより低い、アウトカーストとされる被差別民)や民族的・宗教的少数派を強制的に排除し、征服することで怒りを発散している」として、最近のインドの新聞の見出しが例として引かれています。

 「ジャルカンド州でジャイ・シュリ・ラームを唱えなかったとして若者たちが9年生(高校1年生相当)の生徒を攻撃」。

 2022年3月24日付『サブランギンディア』紙は、右翼過激派イデオロギーに傾倒する若者たちが、ジャールカンド州ジャムシェドプルで9年生のイスラム教徒の生徒を、生徒が「ジャイ・シュリ・ラーム」を唱えることを拒否したために暴行した、と報じられています。

 「ジャイ・シュリ・ラーム」とは、古代インドの叙事詩ラーマーヤナに登場するラーマ神を讃えるマントラです。

 暴行を働いた若者達は、ウッタル・プラデーシュ州の州首相ヨギ・アディティアナート氏のビデオを、イスラム教徒の生徒に見せていた、と指摘されています。アディティアナート氏の7年間の在職期間中、イスラム教徒に対するリンチやヘイトスピーチが、激化しました。

 アディティアナート氏は、ヒンドゥー教僧侶で、モディ首相と同様、インド人民共和党(BJP)の大衆指導者でもあり、大きな影響力を持っています。「公共集会を利用して、反イスラムのヒステリーを煽る分裂政治家」という批判も受けています。

※Jharkhand: Youths attack Class 9 student for not chanting Jai Shri Ram!(SABRANGINDIA、2022年3月24日)
https://sabrangindia.in/jharkhand-youths-attack-class-9-student-not-chanting-jai-shri-ram/

 「カルナータカ州で、ヒンドゥー教の少女と旅行したイスラム教徒の大学生が専用バスで殴られ、突き飛ばされた」。

 『インディアン・エクスプレス』紙によると、カルナータカ州沿岸部のダクシナ・カンナダ地区で、自動人力車で旅行中だった、イスラム教徒の若者とそのヒンドゥー教徒のガールフレンドが、待ち伏せをしていた3人の暴漢に襲われました。

 3人は、カップルに名前を尋ね、彼らが異なる宗教に属していることを知ると、イスラム教徒の若者の顔と頭を殴り、カップルを罵倒しました。

※Karnataka: Muslim youth beaten up for travelling with Hindu girlfriend(The Indian Express、2022年4月6日)
https://indianexpress.com/article/cities/bangalore/karnataka-muslim-youth-thrashed-7856088/

 「マディヤ・プラデーシュ州で、『イスラム教徒の疑い』で身体障害のある高齢者が殴り殺されて発見」。

 2022年5月21日付『サブランギンディア』紙によると、マディヤ・プラデーシュ州ニームチで、65歳の障害のある高齢者が執拗に殴られている様子を映したビデオが、SNS上で拡散されました。

 体格の良い中年男性が、「お前はイスラム教徒か? 身分証明書を見せろ」と迫りながら、高齢男性を繰り返し平手打ちしてます。高齢男性は、後に死亡しているのが発見されました。亡くなった高齢男性は、イスラム教徒ではなく、仏教と同時代に生まれた、より禁欲的で長い伝統をもつジャイナ教の信徒であったことが明らかになっています。

 襲撃犯は、マディヤ・プラデーシュ州のインド人民党(BJP)と関係があったことがわかっています。

※Madhya Pradesh: Disabled senior citizen ‘suspected of being Muslim’ thrashed, found dead(SABRANGINDIA、2022年5月21日)
https://sabrangindia.in/madhya-pradesh-disabled-senior-citizen-suspected-being-muslim-thrashed-found-dead/

 「ウッタルプラデーシュ州の結婚式で、食べ物に触れたとしてダリットの若者が殴られた」。

 「ダリット」とは、差別的な「不可触民」という言葉のかわりに用いられるようになった、「壊されし者達」あるいは「抑圧されし人々」という意味です。インドでは、4つのカーストの、そのさらに下、「アウトカースト」という最下層に相当します。

 2022年12月12日付『タイムズ・オブ・インディア』によると、18歳のダリットの若者・ララさんが、村の結婚式で自分のための皿を手に取ったところ、主催者の家族らが、ララさんを殴りました。助けに入った兄も殴られ、バイクを破壊されました。

 ララさん達の姉妹が、警察に訴えたところ、それを知った加害者らは、ララさん達家族の家に押し入り、ララさんを殴り、家を壊しました。

※In Uttar Pradesh, dalit youth ‘abused and thrashed’ for touching dishes at Gonda wedding(The Times of India、2022年12月12日)
https://timesofindia.indiatimes.com/city/lucknow/in-uttar-pradesh-dalit-youth-abused-and-thrashed-for-touching-dishes-at-gonda-wedding/articleshow/96158430.cms

 「ラジャスタン州の井戸から、水を汲んだ指定部族の男がリンチを受けた」

 2022年11月8日付『ニュー・インディアン・エクスプレス』によると、指定部族の46歳の男性が井戸から水をくみ上げたという理由で、集団に襲われ、撲殺されました。

 「指定部族」とは、インド社会においては、人口第1位のヒンドゥー教や、第2位のイスラム教に属さず、固有の文化を維持してきた少数民族コミュニティを指します。

 また、「指定カースト(Scheduled Castes)」は、先述した「アウトカースト」の「不可触民」を指します。

 加害者らは、井戸で水を汲む被害者を罵り、被害者の家を少なくとも3人以上の集団で襲撃し、男性とその息子を棒で殴りました。

 加害者らは、カースト差別主義者でした。

※46-yr-old tribal man lynched over drawing water from a tubewell in Rajasthan(The New Indian Express、2022年11月8日)
https://www.newindianexpress.com/nation/2022/Nov/07/46-yr-old-tribal-man-lynched-over-drawing-water-from-a-tubewell-in-rajasthan-2515933.html

 「マディヤ・プラデーシュ州:暴徒がアディヴァシ族の女性を性的暴行、15人逮捕」。

 2022年3月14日付『スクロール』紙によると、マディヤ・プラデシュ州アリラージプール地区で、アディヴァシ族の女性2人を性的暴行した疑いで、男15人が逮捕されました。

 事件は、この地域の少数民族である、アディヴァシ族が祝う祭り「バゴリヤ」の最中に起きました。

 被害者の女性達は告訴しませんでしたが、暴行の動画がSNSで共有され、警察が逮捕に動きました。

 アディヴァシ族の写真を撮った、写真家のアマン・チョタニ氏によると、「アディヴァシ」は、「原初の住民」という意味です。アディヴァシ族は、645民族に及ぶともいわれるインド先住民族の総称で、約1億400万人、インドの人口の8.6%を占めています。

 国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルは、先住民族であるアディヴァシの権利獲得や彼らの保護を長年訴えてきました。

※Madhya Pradesh: Mob sexually assaults Adivasi woman, 15 arrested(Scroll、2022年3月14日)
https://scroll.in/latest/1019426/madhya-pradesh-mob-sexually-assaults-adivasi-woman-three-arrested

※インドに生きる先住民族〈アディヴァシ〉の今(VICE、2019年9月27日)
https://www.vice.com/ja/article/mbmgeq/this-photographer-captures-the-last-living-tribes-of-india

 見当違いの方向に怒りをぶつけている「怒れるインドの若者達」は、イスラム教徒、ダリット、社会的弱者、少数民族への虐待を強めるだけではなく、高い失業率に抗議するため、国会の警備を破り、議場の井戸に飛び込むなどの乱暴も働いています。

 上記『インディア・フォーラム』は、「若者達の怒り」の原因には、若年層の非常に高い失業率があると指摘しています。

 『インディア・フォーラム』は、独立系シンクタンクの「インド経済監視センター」を引き、2023年10-12月期、20-24歳の失業率は44.49%に上昇した、と指摘しています。

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 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 しかしながら、IWJの財政は、本当に厳しい状況にあります!!

 3月は31日間で、135件、162万2511円のご寄付・カンパをいただきました。ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 しかしながら、この金額は、月間目標額の41%の達成率にとどまっています。

 今期第14期、IWJへのご寄付・カンパは、11月から3月まで、5ヶ月連続で目標金額に到達しておらず、この5ヶ月間の不足額の合計は、972万3789円にもなってしまいました。

 もし、4月も目標未達となると、年の半分が未達確定となり、財源不足は深刻な上にも深刻で、IWJは、本当にこの先、活動できなくなってしまう具体的な可能性が出てきました。

 4月のご寄付・カンパの状況は、4月1日から25日までの25日間で、79件、332万9000円です。

 これは、月間目標額の83%に相当します。ご支援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!

 4月こそは、なんとか月間目標額の400万円に届きますよう、また、できれば目標額以上のご支援をいただき、積み重なっている今期の1000万円近い目標不足分を少しでも減らすことができるよう、有料会員登録と、ご寄付・カンパで、財政難のIWJへの強力なご支援をよろしくお願い申し上げます!

 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

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みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

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 どうぞ、皆さま、権力に対し、一切忖度しないで真実をお伝えする独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 岩上安身拝


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◆中継番組表◆

**2024.4.27 Sat.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.4.28 Sun.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.4.29 Mon.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

消費税を支払うために203人が借金したと回答! 自死を含む死を意識したコメントが29件!! これが正しい税制と言えるのか!?~4.26 インボイス制度におけるフリーランス等の7000人実態調査 結果報告会と政府交渉
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522793

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■本日のニュースの一撃!

■【第1弾! 円安が止まらない! 現在は1986年から1991年のバブル景気直前期と瓜二つ!】(『日経新聞』2024年4月26日ほか)

 26日の東京外国為替市場で、一時1ドル=156円台を付けました。

 これは、1990年5月以来、およそ34年ぶりの円安・ドル高水準です。

※円急落、一時156円台 34年ぶり安値を更新(日経新聞、2024年4月26日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB2619A0W4A420C2000000/

 26日付『日経新聞』は「日銀が26日まで開いた金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決めた。

 日米の金利差が開いた状況は続く、との見方から円売り・ドル買いが膨らんだ」と、この円安の背景を説明しています。

 24日の東京外国為替市場の円相場は、1ドル=154円台後半で推移し、その前日の23日に続いて、約34年ぶりの安値を更新しました。

※円は対ドルで約34年ぶり安値を連日で更新、対豪ドルは9年超ぶり安値(ブルームバーグ、2024年4月24日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-23/SCEZYUT1UM0W00

 その翌日の25日午前11時半現在では、155円40銭台で取引されていました。

※【中継】円相場が1ドル=155円突破…約34年ぶりの円安ドル高水準更新 “円買い介入”の可能性は?(FNNプライムオンライン、2024年4月25日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e947e263ccde6bdd6e65bb3267696b0c323a8e20

 日に日に、円安が進んでいることがわかります。

★日銀の主要時系列統計データ表で、「東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月中平均」を見てみると、対ドルで月中平均が100.04だったのは、2013年11月でした。

※主要時系列統計データ表(日本銀行、2024年4月26日)
https://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/mtshtml/fm08_m_1.html

 その時点から11年間、一ドル100円台に、一度も戻ることなく、円安傾向が続いています。そして、その円安傾向は、今、急激に加速しつつあります。

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■<IWJ取材報告 1>三上智恵氏「機動隊だって沖縄県警だって、本当にやりたくてこんな仕事をやってるわけじゃない。なんで沖縄県民同士が誰も知らないところで戦っているのか、毎回涙が出ますよ」~4.14シンポジウム「平和主義を捨てた日本」―登壇:三上智恵氏(ジャーナリスト・映画監督)ほか

 4月14日午後1時30分より、東京都千代田区の専修大学神田キャンパスにて、「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」の主催により、シンポジウム「平和主義を捨てた日本」が開催されました。

 ジャーナリストで映画監督の三上智恵氏が、「要塞化される日本列島」と題して基調講演を行い、それを受けて、三上氏、法政大学名誉教授・前総長の田中優子氏、日本女医会会長の前田佳子氏、弁護士の杉浦ひとみ氏、ライターの和田靜香氏、東京新聞記者の望月衣塑子氏により、パネルディスカッションが行われました。

 IWJは「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」設立の契機となった、2023年2月8日の、軍拡に反対する署名提出と記者会見を報じました。

※日本女医会会長・前田佳子氏「おかしいことはおかしいと言いましょう。黙ってるとおかしいことがまるで正しいかのように見えてしまうから」~2.8 「#軍拡より未来の子どもたちのために平和を!」署名簿提出と記者会見 2023.2.8
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/513983

 また、2023年6月4日と、10月22日に行われた、「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」のこれまで2回のシンポジウムも、取材し、記事としてアップしています。

※「『ロシアとどうやって停戦していくか、一日でも早く休戦できるか』ということを考えろと、ゼレンスキーに言いたい」~6.4 シンポジウム 平和を求め軍拡を許さない女たちの会「安全保障のジレンマ」 2023.6.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516370

※古賀氏「絶対戦争しないなんて国、日本は変な国として尊敬されている」、漫画家・東村アキコ氏「この15年ぐらいで、ムードがすごく変わってきた。男の子たちが戦争をしたがっているような会話が多い」~10.22シンポジウム「平和主義を捨てた日本」―登壇:古賀茂明氏(元経産官僚)ほか 2023.10.22
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/519260

 会の共同代表である田中優子氏は、全国各地で「同じ会が立ち上がっている」として、次のように述べました。

 「なんと、同時に大阪と熊本で立ち上がりました。そして、その後、茨城であるとか、北海道であるとか、いくつかの会が立ち上がったんですが、昨日ですね、大分で立ち上がりました。

 昨日、私、その大分での立ち上げに行ってきて、講演をしてきたんですけれども、なぜ大分だったのかといいますと、湯布院にミサイルが運ばれることが決まっているそうです。しかも、これが迎撃型じゃなくて、攻撃型だということなんですね。

※陸上自衛隊「第2特科団」が発足…ミサイル部隊運用し南西防衛の中核に、湯布院駐屯地で式典(読売新聞オンライン、2024年4月14日)
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240414-OYTNT50016/

 温泉地ですよね。温泉とミサイルなんです。そういうような大分の方たちっていう、本当に今、危機感を感じてまして、そしてさまざまな活動が始まっています。

 で、宮崎でも実は準備中なんですが、最初に熊本で立ち上がって、こういう風に九州の方たちが、沖縄の問題も受けとめながら大変大きな危機感を持っていらっしゃる」。

 基調講演を行った三上智恵氏は、映画監督として、これまで、『標的の村』(2013年)、『戦場ぬ止み』(2015年)、『標的の島 風かたか』(2017年)、『沖縄スパイ戦史』(2018)と、4本のドキュメンタリー映画を作成しています。

 そして今年、最新作『戦雲(いくさふむ)』を完成させました。

※「戦雲」公式サイト
https://ikusafumu.jp/

 この最新作『戦雲(いくさふむ)』のテーマは、日米両政府の主導のもと、沖縄本島、与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島で、急速に進行中の軍事要塞化です。三上氏は、2015年から8年間、軍事要塞化の進む沖縄・南西諸島で暮らし、抵抗する人々を取材し、それを一本のドキュメンタリーへ結実させました。

 3月16日のポレポレ東中野での上映を皮切りに、現在、全国の劇場で公開中です。

 また、戦力配備が進む南西諸島の実態を取材した、8年間の記録をまとめた書籍『戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録』(集英社、2024年1月)も発売中です。

※「戦雲 要塞化する沖縄、島々の記録(集英社新書)
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721299-0

 三上氏は、基調講演の最後に、次のように語りました。

 「私は、別に反対運動の映画を作っている気は、これっぽちもないんです。

 でも、本土でやっている、いわゆる『市民運動』というのと、沖縄の運動って、成り立ちが違うというか。沖縄県民は、米軍に占領されて、すべての権利がない中で、普通に奪われたものを取り返す。

 例えば、自分が住んでいるところをアメリカに奪われて、テントとか建てられてしまう。それから、教育を受ける権利も最初はなかった。

 もう、1から10までみんなで集まって、集まった力で米軍に抗議をするということを、毎日、ご飯をつくるように、洗濯をするようにやらないといけなかったから、そういうことで集まってみんなで反対する。みんなで意見を言う。

 一人で言ったって怖いから、みんなでやる、っていうことを、もうずっとやり続けてきた。

 で、本土復帰の頃に、全国のいろんな政党とかと一緒にやるようにはなりますけれども、だけど、沖縄伝統の座り込みみたいな抵抗のしかたというのは、本当に、畑に行くように、漁に行くようにやらなければいけないことだったんですよ。

 だから、老若男女が来る、たくさんの現場を私は撮りたいし、でも、伝わらない。『テレビ朝日が』って言うと怒られるけど、賛成運動を入れないと流してくれないって言う。

 でも、こうやって体を張って止めてるのは、本気で止めたいって思っている意思表示をすれば、自分たちの仲間もそうだけど、遠いところにいる本土の人たちにも知ってもらえるだろうって、いつか変えてもらえるだろうっていうことでやってるんですよ。

 だから、例えば、汚い水がね、蛇口からばーって出ているのを見て、(ひとりで)止めてても限界あるじゃないですか。黒い水はボタボタ溜まっていっちゃうんですよ。だけど止めないと、私たちの住んでいるところ、泥だらけになって埋まってしまうでしょ。

 だから、こうやって(ひとりで蛇口を閉めようと)やってるのは、この蛇口を閉める力を、私たちは持ってないんですよ。

 でも、蛇口を閉める力は、皆さんにあるんですね。本土の皆さんにあるから、その蛇口を閉めてくれるのに気づいてもらうまで、泥だらけになってても止めてるっていうのが、(沖縄における米軍基地建設反対運動の)いわゆる『座り込み』とかの状態だと思うんですね。

 だから、これはね、伝える人がいないと、何のためにやってるのか本当にわからないんですよ。

 機動隊だって、本当にやりたくてこんな仕事をやってるわけじゃない。でも、体を張ってやる人たちがいるから、機動隊っていう仕事がね、政府が力ずくで自分たちの傭兵のように、機動隊を使っていいのかという問題もあるけれども、沖縄県警だって本当につらいと思うんですけど、なんで沖縄県民同士が誰も知らないところで戦っているのか、本当に毎回涙が出ますよ」。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※三上智恵氏「機動隊だって沖縄県警だって、本当にやりたくてこんな仕事をやってるわけじゃない。なんで沖縄県民同士が誰も知らないところで戦っているのか、毎回涙が出ますよ」~4.14シンポジウム「平和主義を捨てた日本」―登壇:三上智恵氏(ジャーナリスト・映画監督)ほか
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522637

■<IWJ取材報告 2>日米安保条約のもとでは、在日米軍基地が汚染源だと水質調査もできないのか!? 憲法に規定された日本国民の基本的人権を守れないほど、日米安保条約は、上位に位置するのか!? 米国環境保護局(EPA)が飲み水のPFAS濃度の全国基準を最終決定!!「日本の暫定目標値見直しの参考とするか?」とのIWJ記者の質問に「諸外国や国際機関における動きの一つとして参考にしていく」と伊藤大臣!!~4.23 伊藤信太郎環境大臣定例会見

 4月23日午前8時45分より、東京都千代田区の環境省にて、伊藤信太郎環境大臣の定例会見が開催されました。

 会見冒頭、伊藤大臣より、「令和6年能登半島地震復旧復興支援本部」、「熱中症特別警戒アラート」についての発言がありました。

 伊藤大臣と各社記者との質疑応答で、IWJ記者は、PFAS問題について、次のように質問しました。

 「今月10日、米国の環境保護局(EPA)は、飲み水のPFAS濃度の全国基準を最終決定しました。

 PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)が、それぞれ1リットルあたり、4ナノグラムと、世界的にも大変厳しい水準になり、PFNA(ピーエフエヌエー)やPFHxS(ピーエフヘクスエス)など、ほかの種類についても、1リットル当たり10ナノグラムとなり、PFOS/PFOA合計で1リットル当たり50ナノグラムという、日本の暫定目標値より、はるかに厳しくなりました。

 国内の汚染状況の監視と公表も義務付けられ、米国のPFAS問題に対する本気度がうかがえます。

 翻って、日本は暫定目標値のままで、水質基準にもなっておりません。また、実態に合わせた疫学調査も行われておりません。

 疫学調査・汚染の実態調査など、PFAS研究においては米国や欧州が進んでおり、日本の水道水の暫定目標値設定の際も欧米の数値を参考にしてこられましたが、今後、水質基準にしていくかも含め、日本の暫定目標値見直しにおいて参考とするお考えがありますでしょうか?

 また、疫学調査や汚染の実態調査を行う意思や予定は、おありでしょうか?」

 この質問に対して、伊藤大臣は、以下の通り答弁しました。

 「御指摘のように、今回、米国環境保護庁が、飲料水中のPFASに関する規制値を公表したたことは、よく知っております。

 一方、我が国では、食品安全委員会において、PFOSとPFOAの耐容一日摂取量、すなわち、生涯にわたって人が食品から摂取し続けても、健康に影響が出ないと推定される量について、今回の米国環境保護庁の規制値の根拠になる知見を含む最新の知見にもとづき、総合的な検討が行われております。

 パブリックコメントも、本年の2月7日から1ヶ月間実施されたものと承知しております。

 この水道水質に関する目標値については、今後、食品安全委員会の評価結果などを踏まえ、専門家の意見をうかがいながら、検討を進めていくとしておりますが、今回、公表された米国の基準については、諸外国や国際機関における動きの一つとして参考にしてまいりたいと考えております」。

 4月11日付『AP』は、「EPAは、この規則を実施するために毎年約15億ドルの費用がかかると見積もっているが、そうすることで数十年にわたって1万人近くの死亡を防ぎ、深刻な病気を大幅に減らすことができる」と報じています。

※Biden administration sets first-ever limits on ‘forever chemicals’ in drinking water(AP、2024年4月11日)
https://apnews.com/article/forever-chemicals-pfas-pollution-epa-drinking-water-1c8804288413a73bb7b99fc866c8fa51

 米国の有毒物質疾病登録局 (ATSDR) は、PFAS毒性のメカニズムを理解するための研究が進行中で、これまでの疫学的エビデンスから、(特定の)PFASへの暴露の増加と特定の健康影響との関連を示唆されていると述べています。

※What are the health effects of PFAS?(ATSDR、2024年4月24日閲覧)
https://www.atsdr.cdc.gov/pfas/health-effects/index.html

 有毒物質疾病登録局 (ATSDR)が、示している健康被害には、次のものがあります。

・コレステロール値の上昇(PFOA、PFOS、PFNA、PFDA)
・肝酵素の変化(PFOA、PFOS、PFHxS)
・出生時体重のわずかな減少(PFOA、PFOS)
・一部のワクチンに対する抗体反応の低下(PFOA、PFOS、PFHxS、PFDA)
・妊娠高血圧症候群および子癇前症(妊娠中に高血圧やタンパク尿を特徴とする疾患)(PFOA、PFOS)
・腎臓がんおよび精巣がん(PFOA)

 飲み水という、最も身近で重要なものに、上記リスクを持つPFASが含まれており、今後、その濃度は、大きな社会問題として厳格な規制が求められます。

 会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧ください。

※米国環境保護局(EPA)が飲み水のPFAS濃度の全国基準を最終決定!!「日本の暫定目標値見直しの参考とするか?」とのIWJ記者の質問に「諸外国や国際機関における動きの一つとして参考にしていく」と伊藤大臣!!~4.23 伊藤信太郎環境大臣定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522754

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、浜本信貴、木原匡康)

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