日刊IWJガイド・非会員版「米国が追加制裁としてロシア最大の銀行の資産凍結を発表するもエネルギー関連は除外! EUの追加制裁案でも天然ガスと原油は除外!!」2022.4.8号~No.3494号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~米ホワイトハウスのサキ報道官、ロシアの戦争犯罪追及には「あらゆる支援をする」と熱弁をふるいながら、ウクライナ軍によるロシア兵捕虜殺害については「確認や検証はしていません」の一言のみ! 公共性を欠いていることについて、それが何か!? と言わんばかりの姿勢! ウクライナへの軍事訓練や兵器供与で戦争を煽り続けながら「すべて防御的なもの」と強弁!

■4月は支出をさらにしぼって、これまでのご寄付の月間目標の420万円を20万円削減し、400万円といたしました! 昨年8月から3月末までの、第12期の8か月間にわたる累積の不足金額は297万8184円です。4月の未達分をあわせた546万9100円まで、4月末までにご寄付が集まることを期待しています! ウクライナ報道で孤軍奮闘するIWJをご支援ください!

■【中継番組表】

■ツイッター「IWJ_Sokuho」4月6日、7日、国連安保理で常任理事国であるロシアを人権委員会から追放するかどうかを採択! 「ブチャの虐殺」では、米民間会社がロシアの主張を覆す衛星写真を提出、米国はロシア軍の実行部隊を特定すると宣言! 米国・NATOは戦争の長期化を予告! 他方ウクライナ市民が「毒入りパイ」でロシア兵を殺害! 米英豪の共同極超音速ミサイル開発に、中国がアジア版NATOと批判! 米国は台湾にミサイル支援、日本は「スタンドオフミサイル」の射程延長を検討! 米国の本命は対中国包囲網「太平洋抑止イニシアチブ」、台湾と日本は第2のウクライナに!

■<IWJ取材報告>「指定弁護士が要求した証拠調べを行わなかったことによって、裁判所はどのような事実を見過ごしたのか? ちゃんと認識して欲しい!」福島原発告訴団弁護団が約370ページの意見書を東京高裁に提出!~4.5 東京高裁は被害者の声を聞け!長期評価の信頼性を認め有罪判決を!記者会見

■<IWJ取材報告>衆院選後の憲法審査会の拙速な運営に法律家が警鐘!「何を議論するかよりもとにかく審査会を開くことに意味があると言わんばかりの圧力。改憲派の勢いが吹き荒れている!!」~4.7 いま、憲法審査会は? 4・7院内集会

■<新記事紹介>【特別寄稿】鈴木宗男参院議員が勉強会「東京大地塾」でウクライナ問題での感情的なロシア糾弾を「歴史をどれだけ勉強しているのか」と批判! 元外務官僚で作家の佐藤優氏は「核を持って内にこもるロシア」を懸念!
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■はじめに~米ホワイトハウスのサキ報道官、ロシアの戦争犯罪追及には「あらゆる支援をする」と熱弁をふるいながら、ウクライナ軍によるロシア兵捕虜殺害については「確認や検証はしていません」の一言のみ! 公共性を欠いていることについて、それが何か!? と言わんばかりの姿勢! ウクライナへの軍事訓練や兵器供与で戦争を煽り続けながら「すべて防御的なもの」と強弁!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 6日のサキ報道官によるブリーフィングでは、バイデン大統領の息子のハンター・バイデン氏をめぐる不正疑惑や、ロシアの戦争犯罪、米国によるウクライナへの軍事訓練や兵器提供についても、質問されています。

 サキ報道官は、プーチン大統領らロシアのエリートとその家族の資産凍結について「プーチン大統領やロシアのオリガルヒが、資産や資源を家族の銀行口座に隠しておくというパターンを、私たちは何度も見てきました。そのため、今回の制裁はそのような資産を狙うものだ」と表明しました。

 一方で「米国は現時点で、プーチンの資産がどの程度と大まかに見積もっているのか?」との質問には「その点については、こちらから申し上げることはありません。しかし、彼の子どもたちの口座や財産に資産を隠そうとする試みや努力があったことは知っています」と答えました。

 さらに別の記者が「それは、億万長者の娘たちがどこに財産を隠しているか、米国が何らかの情報を持っているということでしょうか?」と質問すると、サキ報道官は次のように答えています。

サキ報道官「こちらから提供できることはもうありません。私たちは、プーチン大統領だけでなく、その周囲の人たちの資産に近づくために、どこで金融制裁を実施すべきかの評価をしています。そして、親族や家族を使って富をため込むという長いパターンを見てきました」

 これに対してこの記者が、バイデン大統領の息子ハンター・バイデンの話題を持ち出すと、サキ報道官の回答は急に歯切れが悪くなります。

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■4月は支出をさらにしぼって、これまでのご寄付の月間目標の420万円を20万円削減し、400万円といたしました! 昨年8月から3月末までの、第12期の8か月間にわたる累積の不足金額は297万8184円です。4月の未達分をあわせた546万9100円まで、4月末までにご寄付が集まることを期待しています! ウクライナ報道で孤軍奮闘するIWJをご支援ください!

 IWJ代表の岩上安身です。

 IWJでは、今期第12期の年間の予算を立てる上での見通しとして、代表である私、岩上安身への報酬をゼロにすることを筆頭に、支出をぎりぎりまでにしぼった上で、IWJの運営上、必要なご寄付・カンパの目標額は月額420万円(年間5040万円)としておりましたが、支出をさらに削って、4月からは月間目標金額をさらに下げて400万円といたしました。

 昨年8月から始まったIWJの今期第12期は、4月で9か月目に入りました。

 3月のご寄付・カンパの金額が確定したので、ご報告いたします。

 3月は、1日から31日までの31日間で、506件、592万6084円、目標額の141%のご寄付・カンパをいただいています。皆さま、ありがとうございます! 目標を超えた金額は、これまでの8か月間で蓄積してきた不足分の補填にあてさせていただきます。

 今期スタートの8月1日から3月末までの8か月間の累計の不足分は、あと297万8184円となりました。

 また、今月4月は1日から7日までの7日間で、112件、150万9084円、目標額の38%のご寄付・カンパをいただいています。ありがとうございます。

 従って、3月末までの不足分297万8184円に、4月の未達分249万916円が加わり、546万9100円が必要となります。今月4月を含めて、期末までの残り4か月で赤字雪ダルマを削って、不足分がゼロになるように、どうか皆さまのお力で、ご支援ください!

 IWJの会員数は現在3268人です。そのうちサポート会員は1122人です(2022年4月1日現在)。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が1674円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが全員1人4874円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます!

 伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

 また、この目標額には、3月16日に宮城県・福島県で震度6強を記録した、福島県沖で発生した地震の際に起きた大規模停電の影響による、インタビューや動画配信に必要な設備の故障の修理費用、約70万円も含まれております。

 引き続き、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからもお振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2022.4.8 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】9:40メド~「岸信夫 防衛大臣 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 岸信夫 防衛大臣 定例記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた防衛大臣関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e9%98%b2%e8%a1%9b%e5%a4%a7%e8%87%a3
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【IWJ・エリアCh1・京都】17:00~「京都府議補選 立憲民主党 松井陽子候補 街頭演説 ―応援弁士:蓮舫参議院議員」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_areach1

  京都府議補選 松井陽子候補の街頭演説を中継します。これまでIWJが報じてきた選挙関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e9%81%b8%e6%8c%99
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【IWJ・エリアCh1・京都】18:30~「京都府知事選 無所属 梶川憲候補 街頭演説 ―応援弁士:松尾匡立命館大学教授、田村智子参議院議員・日本共産党副委員長」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_areach1

 京都府知事選 梶川憲候補の街頭演説を中継します。これまでIWJが報じてきた京都府関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e4%ba%ac%e9%83%bd%e5%ba%9c

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◆中継番組表◆

**2022.4.9 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh1・京都】17:30~「京都府議補選 立憲民主党 松井陽子候補 打ち上げ街頭演説 ―応援弁士: 立憲民主党 泉健太 代表、山井和則 衆議院議員、福山哲郎 参議院議員

視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_areach1

 京都府議補選 松井陽子候補の街頭演説を中継します。これまでIWJが報じてきた立憲民主党関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%AB%8B%E6%86%B2%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「要求した証拠調べを行わなかった裁判所がどのような事実を見過ごしたのか」福島原発告訴団弁護団が約370ページの意見書を高裁に提出!~4.5 東京高裁は被害者の声を聞け!長期評価の信頼性を認め有罪判決を!記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504392

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■ツイッター「IWJ_Sokuho」4月6日、7日、国連安保理で常任理事国であるロシアを人権委員会から追放するかどうかを採択! 「ブチャの虐殺」では、米民間会社がロシアの主張を覆す衛星写真を提出、米国はロシア軍の実行部隊を特定すると宣言! 米国・NATOは戦争の長期化を予告! 他方ウクライナ市民が「毒入りパイ」でロシア兵を殺害! 米英豪の共同極超音速ミサイル開発に、中国がアジア版NATOと批判! 米国は台湾にミサイル支援、日本は「スタンドオフミサイル」の射程延長を検討! 米国の本命は対中国包囲網「太平洋抑止イニシアチブ」、台湾と日本は第2のウクライナに!

 IWJは、ツイッターアカウント「IWJ_Sokuho」で、ウクライナ情勢をツイートしています。テレビでは流れない情報や、石油・天然ガスなどの資源問題、ウクライナの実情もあわせて、多角的にウクライナ情勢をお伝えしています。ぜひ、一度御覧ください。

※IWJ速報@IWJ_Sokuho
https://twitter.com/IWJ_Sokuho

 IWJは、ロシアによるウクライナ侵攻を可能な限り中立的に、偏向することなくお伝えしたいと努めています。しかし、現状残念な事ながら、日本では極端なまでに、ウクライナ寄り、ロシアヘイトの視点に偏った報道・情報が、毎日、洪水のように流されています。

 その歪んだ情報の潮流の中では、我々は「ロシアびいき」の立ち位置に見えてしまうかもしれません。そうした悪口雑言がたびたび耳にも入ってきます。しかし偏向しているのは我々ではなく、今のマスコミのスタンスの方が「異常」なまでにおかしいのだと、確信をもって申し上げたいと思います。通常、2国間で紛争があれば、どちらにも言い分はあるので、両方の話を聞く、両方の立場にそれぞれ立ってみる。

 それが、建前だけであっても、「公正中立」であるべきジャーナリズムの当然の姿勢であるはずです。ところが、そうした姿勢が日本の全新聞、全テレビにみられない。これは「異常」なこと、「前代未聞」なことと、言わなければなりません。

 さらに加えて、我々の視点を説明すると、このウクライナ侵攻は、2022年2月24日に突如、始まったものではなく、少なくともユーロマイダンクーデターの起きた2014年までさかのぼること。

 その時以来、ウクライナではネオナチが野放しにされ、ロシア語話者が迫害を受け、その結果、ドンバス地方で独立自治派が立ち上がり、ウクライナ軍とその一部になったネオナチ組織が、8年間戦い続けてきた、という「前史」があるのです。

 そして、ウクライナにおけるロシア語話者への人権侵害に対して国際社会はほとんど、見ざる、聞かざる、言わざる、という態度を貫いてきました。この「前史」とひと続きのものとして、今回の侵攻を見ないと、何が争われているのかも何もわからなくなります。

 もうひとつの視点は、ウクライナ背後勢力です。

 ウクライナは、誰もが指摘しているように、ロシアと正面から戦って勝ち目のある国ではありません。それなのに、自国内にいるロシア語話者に対し、突然、ロシア語を公用語から外すなどして、敵対的・差別的な扱いをし、ロシアを挑発するような愚挙に出たのか。

 それは、ウクライナの背後に米国の存在があり、ウクライナの内政に干渉して、反ロシア的な政策をとらせてきたためである、と言わざるをえません。ウクライナの視点に立てば、隣国で兄弟民族であり、この間までひとつの国を形成し、親戚関係もたくさんいるロシアと、あえてもめる理由はありません。ここにはウクライナをロシアと敵対させ、安全保障上、西側のNATOに頼らざるをえないように仕向けてきた米国とNATOの策略が働いたのは否定しがたいところです。

 そしてロシアからしてみれば、東欧革命の際、流血の事態を見ないように抑制し、ドイツ再統一も邪魔をせず、静かに冷戦を終わらせたのは米国側から、NATOを東方へ拡大しないという約束が口頭ではあったけれども、米国務長官ベーカー氏からありそのまま信じたのです。

 しかし、クリントン政権時代にこの約束は破られました。その後もNATOの東方拡大は続き、さらにロシアにとって喉元に位置するウクライナまで、NATO入りするという話が出るに至っては、ロシアは危機感を強めました。

 NATOとロシアとの間にバッファーゾーンはなくなり、NATO軍が、ロシア国境に沿って立ち並ぶことになるわけです。

 時間をかけてでも、ロシアを攻略する、という米軍の意思の固さを、ロシアがようやく理解した、と言っていいでしょう。

 この3点、2014年のユーロマイダンクーデターから始まるロシア語話者への迫害、民族浄化の問題、ウクライナで暴れまわるネオナチの問題、そしてこの紛争がロシア対ウクライナだけの喧嘩ではなく、NATO東方拡大に伴ってロシアを追い詰めてきた米国の戦略によって、引き起こされてきたのである、という3点を踏まえずに、このウクライナ戦争を語ることはできないと、我々は考えています。

 中立的であらねばならいない、ということは、当然、ブチャでの民間人虐殺事件についても取り上げます。

 戦争中とはいえ、民間人を殺すことは戦争犯罪です(米国は、空爆やドローン攻撃で他国の民間人を何十万人も殺害してきましたが、非難されず、制裁も受けていません)。それは米国が自国を「例外的な国家である」と自認しており、米国の罪だけは問われないのです。文句を言わせないのは、米国にパワーがあるためであり、米国が正しいからでも優れているからでもありません。

 ブチャでの戦争犯罪を我々もしっかり取り上げましょう。同時に、ドンバスや、その他の地方で、罪もなく殺されたロシア語話者がいることも取り上げていきます。

 何人が加害者か、何人が被害者か、それが問題なのではなく、何人であれ、罪のない人が、戦闘員ではなく、民間人が、無惨に殺されてゆく悲劇に対し、異議を唱えたいです。

 さて、ブチャの話に入りましょう。

 双方が戦争を拡大している今、1日も早い停戦のためには、ウクライナと欧米諸国だけではなく、ロシア側の情報にも目配りが必要です。IWJはさまざまな出典の情報を付き比べていきます。

 国連安保理事会は、ブチャにおける民間人殺害問題をめぐって、「ウクライナでのロシアによる重大で組織的な人権侵害、国際人道法違反に深刻な懸念を表明」し、ロシアの人権理事会資格停止を決定する内容の決議案を7日(日本時間7日深夜)に採決します。

 ロシアは、47か国で構成される人権理事会の理事国のひとつですが、任期中に重大かつ組織的な人権侵害をおかしたと判断された場合、総会に出席し、投票に参加した加盟国のうち、3分の2以上の賛成で採択されます。

 米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は、「ロシアは人権尊重を目的とする国際機関に地位を持つべきではない」と述べ、国連人権理事会でのロシアの資格停止を求めました。

 一方、中国の国連大使は安全保障理事会で「結論が出るまで理不尽な非難は避けるべき」と強調しました。

※【速報3614】時事、7日:決議案は「ウクライナでのロシアによる重大で組織的な人権侵害、国際人道法違反に深刻な懸念を表明」し、ロシアの資格停止を決定する内容。総会に出席し、投票に参加した加盟国のうち、3分の2以上の賛成で採択される。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1512012541853302785

 元国連査察官で、イラクの大量破壊兵器捜索に関わったスコット・リッター氏は、ブチャ事件に関するウクライナや各国の首脳の声明に疑問を呈しました。

 「3つの基本的な質問に答えるべきだ。死亡時刻、死因、死後遺体が移動したかどうか。ウクライナ側が、その主張を裏付ける検証済みの医療データを提示するかどうか」

 「西側諸国の世論は、ロシアを否定的に描くことだけを目的とした情報戦略を積極的に行うことによって形成されている。(略)犯人を挙げる前に、検証結果を待つべきだ」

 たしかに、状況は「真っ黒」であるとしても、「ロシア軍が撤退した後に遺体が残された」イコール「ロシア兵による殺害だ」とは断定できません。遺体の検死も終わっていないうちから、「ロシアの戦争犯罪だ」と断定し、国連人権理事会からの追放を進めるのはいささか性急です。
不確定の「ロシア兵」は、まだ犯人とは確定していません。推定無罪の原則は貫かれるべきです。

※元国連査察官がブチャ事件に関するウクライナの声明に疑問を呈した。(24happenings、2022年4月6日)
https://24happenings.com/top-world/163561.html

 ロシアメディア『RT』による、ロシア側の説明は以下です。

(RT、3日)「殺害容疑の偽造証拠はロシア軍退却の4日後(3日)、ウクライナの治安機関SBUのエージェントが現地に到着した際に提出された「死後硬直が見られず、ウクライナ側が西側メディア用に制作したものだ」、「ウクライナ情報機関とウクライナのテレビの代表が町に到着したとき」「キエフ政権によって画像が公開された人々の全ての遺体が、少なくとも4日経っても硬直しておらず、死体特有の斑点もなく、傷口に新しい血が流れていることが特に問題だ」。

 衛星写真が本物だとすれば、「西側メディア用に制作」は誤った主張です。ロシアの指摘の中で、気になる部分がるとすれば「死体特有の斑点もなく、傷口に新しい血が流れている」という主張でしょうか。実際、白い布で手を後ろにしばられた遺体の頭のまわりに赤い血が広がっているのが確認できます。3月中旬の遺体から、「新しい血」が見えるのは確かに不自然な感じはします。

※ロシア、ウクライナの戦争犯罪疑惑を否定(Russia denies Ukraine war-crimes allegations)(2022年4月3日、RT)
https://www.rt.com/russia/553231-bucha-war-crimes-allegations-denied/

 今のところ、ブチャ事件で確実にわかっていることは以下です。

・3月18日、ロシア軍の占領期間中に衛星写真で、ロシア軍撤退後と同じ位置の路上に住民の遺体が確認できる(米衛星運用会社マクサー・テクノロジーズ、5日)。
・ロシア軍は3月30日にブチャを離れた(ロシア国防省)。
・31日、ブチャ市長「地元にロシア兵はいない」と発言しつつも、虐殺には言及せず(ロシア国防省)。
・ウクライナ国家警察「本日4月2日、キエフ州の占領地ブチャの町で、ウクライナ国家警察の特別部隊が、ロシア軍の破壊工作者と協力者の掃討作戦を開始した」。ウクライナ国家警察はFacebookで武装した警官隊の姿を公開しています。
・2日、ウクライナのハンナ・マリャル国防次官は、同国軍がキエフ州全域をロシア軍から奪還したと発表。
・3日、AFP特派員がで民間人と思われる遺体を路上で少なくとも20体確認したと報じる。
・3日、AFPの取材に対し、ブチャ市長はこれまでに280人を集団墓地に埋葬した、街中には遺体が散乱し、「全員が後頭部を撃たれ殺されていた」「多くは武器を持っていないことを示す白い布を身に着けていた」と答えた。
・3日、ウクライナ政府高官らが、ロシアによる「大虐殺」だと強く非難。

 「民間人殺害」の機会があったのは、ロシア軍に間違いありません。住民側の証言もあります。

 気になるのは、2日のウクライナ国家警察による「掃討作戦」です。ロシア協力者への処罰などが行われたのでしょうか。ウクライナ国家警察はFacebookで武装した警官隊の姿を公開していますが、遺体の映像などはありません。

 一方、最も早く現場入りした西側メディアの一つ、『AFP』は6日、地元住民の証言を紹介しています。この証言は、感情的な要素だけではなく、ロシア軍占拠下の状況をある程度立体的に描いています。証言のポイントは以下です。

・ロシア軍が来る前にはウクライナ軍は街にいなかった。
・武器を持たない地元企業の警備員を中心とした領土防衛隊がいるだけだった。防衛隊はロシア兵が到着すると逃げ去った。
・ロシア軍がブチャを占領して2週間ほどで状況が悪化した。
・当初は若いロシア兵ばかりだったが、2週間後には40歳以上とみられる年配の兵士が加わった。
・年配の兵士たちは良い装備を持ち、ロシアの標準的な軍服とは異なる黒と濃い緑色の服を着ており、乱暴だった。
・証言者オレナさん「彼らは私の目の前で、スーパーに食料品を買いに行こうとする男性を撃った」
・ロシア兵の中には「良い人」もいたが、特にロシア連邦保安局(FSB)の職員は「非常に荒っぽかった」。
・証言者オレナさん「子どもに何を食べさせたらいいのかと兵士たちに尋ねに行くと、配給品や食料を持ってきてくれた。その兵士たちが、住民の移動を禁止したのはFSBで、とても暴力的な特殊部隊だと教えてくれた。ロシア人がロシア人のことをこんな風に言うなんて!」
・「近所の人が午後5時ごろ、ごみを出しに出た。男性2人と女性1人で、男性1人は従軍経験があった。その人たちは戻ってこなかった。この建物に住んでいる女性たちが中庭にまきを取りに行ったところ、その人たちの遺体を発見した。血まみれで地面に横たわり、銃弾の跡があった」
・FSB職員は街に残っていたオレナさんを「裏切り者」と呼んだ。

 この証言からは、当初、ロシア軍はさしたる抵抗もなくブチャに入り、2週間ほどは住民に食料の配給品を渡したり、会話を交わすなど、暴力的ではなかったということがわかります。

 しかし、「2週間ほど」あとから来た「年配の部隊」が「暴力的」だったということになります。このあたりから、民間人殺害が始まった可能性があります。米衛星運用会社マクサー・テクノロジーズが示した最初の写真が3月18日ですから、「2週間ほど」という証言と合致します。

 しかし、4月3日以降の各日報道に使われる写真に見られるような、戦車や軍用車両が破壊され、街が破壊されるほどの戦闘がいつ、どこで起きたのかはわかりません。マクサー・テクノロジーズの18日の写真は、街の違う場所なのかもしれませんが、道路を埋める残骸は見られません。しかし、戦闘が行われた際にはウクライナ側の兵士も相当数入っていたと思われます。4000発もの砲撃が行われたという情報もあります。

 これだけの戦闘がいつ具体的にどこの地点で行われたのかまったく情報が出てこないのも不思議です。

【速報3543】AFP、6日:ブチャ地元住民のオレナさん(43):年配の兵士たちは良い装備を持ち、ロシアの標準的な軍服とは異なる黒と濃い緑色の服を着ていた。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1511694761350266881

 ブチャ事件の真相は、現段階ではわかりません。ロシア軍の特別な部隊の関与の可能性は非常に高いというべきですが、一般のロシア兵士の可能性は低く、ウクライナ軍やその民兵、そしてウクライナ国家警察の関与の可能性も、現段階ではまったくないとは言いきれません。

 ロシア軍が退却し、ウクライナ側が街を管理している今、ブチャの街の住民から、公正で中立的な証言が出てくることは難しいように思われます。

 スコット・リッター氏が指摘したように、「3つの基本的な質問に答えるべきだ。死亡時刻、死因、死後遺体が移動したかどうか」をウクライナ側が出せるかどうかにかかってきます。

 ブチャだけではなく、「ポロディアンカ」などの他の街では、さらに多くの犠牲者がいるとも報じられています。マリウポリなどでは激戦が続きます。これ以上、民間人の犠牲者を増やさないためにも、ブチャ事件の真相が示されるべきですし、停戦が望まれます。

 米国はブチャの虐殺は、意図的で計画的に行われたと主張しています。米国がロシアの実行部隊を特定するといっています。米国はまるで警官か検察官、あるいは判事でもあるかのように振る舞っていますが、そんな権利は米国にはないはずです。

 あまりにもウクライナに肩入れしている米国が公正な判断をできるのかどうか大いに疑問ですが、米国側の検証も待ちたいと思いますし、停戦が望まれます。

【速報3552】ロイター、5日:ブリンケン長官は、ブチャで起きたことは「ならず者部隊のランダムな行為ではない」、「殺害、拷問、レイプ、残虐行為を行う意図的なキャンペーンだ」と言明した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1511695259285454850

 上記のスコット・リッター氏は5日、ウクライナの戦争犯罪を問わない西側メディアを批判するツイートをしました。

 「ウクライナでは事態が悪化しているため、プーチンよりもゼレンスキーが戦争犯罪者として逮捕され起訴される可能性がはるかに高いと私は信じています。意図の証拠を備えたウクライナの戦争犯罪の直接的な証拠は圧倒的です。それでも、西洋のメディアはそれを無視しています」

 ウクライナ国家警察が自らのFacebookで、ロシア協力者の掃討作戦を2日に実施したことを発表したことを受けて、リッター氏は以下のようにツイートしました。

 「ブチャがウクライナ国家警察によって行われた『浄化』作戦であったことが明らかになりつつあります。ウクライナの情報運用は、台本を裏返し、ロシアを非難することを決定しました。CIAは、ウクライナの情報運用と連携して機能します。バイデンは真実を知っているが、嘘をついている。したがって、犯罪」

※【速報3686】スコット・リッター氏、5日:ウクライナでは事態が悪化しているため、プーチンよりもゼレンスキーが戦争犯罪者として逮捕され起訴される可能性がはるかに高いと私は信じています。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1512067940266672129

 ブチャ事件とは真逆に、ウクライナ市民がロシア兵を騙して毒殺した事件が起こっています。

 「まぐまぐ」のブログで、たいらひとし氏が、ウクライナ市民がロシア兵に毒入りパイを提供して殺害したエピソードを紹介しています。

※【速報3690】たいらひとし、6日:ウクライナ市民がロシア軍に驚くような反撃をしたようだ。なんとロシア兵30人に“毒入りパイ”を振る舞い、2人が死亡、28人を病院送りにしたという。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1512071790050570247

 ウクライナ第2の都市で、ロシア軍との激戦が続くハリコフ市から130Km南東にあるイジューム地区の住民が、ロシア陸軍第三自動車化狙撃師団に所属する兵士に毒入りパイやピロシキを振る舞い、2名が死亡、28人が地元病院の集中治療室送りになったというのです。

 さらに、同じイジューム地区のロシア陸軍第三自動車化狙撃師団500人が地元民からもらった毒酒を飲んだために、重度の中毒症状を起こして病院に運ばれた事例も報告されている、としています。

 IWJも独自に調べてみたところ、ウクライナメディア『UNN(ウクライナ国立ニュース情報機関)』で内容を確認できました。

【速報3698】UNN、ウクライナ国立ニュース情報機関、2日:ウクライナでは、侵略者は地元住民とアルコールによって毒殺されています-その結果、500人以上のロシアの兵士が病院に行き着きました、 UNN はメインインテリジェンス局を参照して報告します。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1512072214069510147

 たいらひとし氏は、ロシア軍の兵站に問題があり、ロシア兵が飢えていたから、さし入れによりつき、このような事件が起きたのではないかと推測をしています。

 別の視点もあり得ます。ハリコフ市はウクライナ東部でロシアに隣接しています。ブチャのオレナさんの証言のように、住民とロシア兵の間にある程度の交流が成り立っていた場合、ロシア兵側はあまり警戒心がなく、振る舞われた酒や食物を口にした可能性もあるのではないでしょうか。

 もう一つ、忘れてはならないのは、ゼレンスキー大統領が「ロシア兵の殺害は無罪」としていることです。

 ゼレンスキー大統領は、3月3日には「ウクライナに配備されたロシアの軍人を民間人が殺害することを公式に完全に合法化する」という法案に署名し、4日に発効しています。

※イリヤ・ポノマレンコ「新しい法案は、ウクライナに配備されたロシアの軍人を民間人が殺害することを公式に完全に合法化します」(2022年3月10日)
https://twitter.com/IAPonomarenko/status/1501651655128985610?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1501651655128985610%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fgigazine.net%2Fnews%2F20220311-ukraine-bill-legal-kill-russian-soldiers%2F

 ゼレンスキー大統領は、2月24日「総動員令」を出して、16歳から60歳までの男性はすべからく武器を取って戦うよう国民を鼓舞し、希望者への武器の提供を約束し、火炎瓶の作り方を指導したりしています。民間を巻き込んで大きな犠牲を出す構図は、この時にできあがっていたのかもしれません。

 2月28日には、受刑者の中で「軍事経験のあるウクライナ人を釈放する。自身の罪を、最も戦闘の激しい前線で償うことができる」とし、釈放しました。

※「戦闘の前線で罪償える」ウクライナ大統領、軍事経験ある受刑者釈放(朝日新聞、2022年2月28日)
https://digital.asahi.com/articles/ASQ2X73FMQ2XUHBI04V.html

 このゼレンスキー大統領の今は、戦闘員と非戦闘員を厳密に区別し、非戦闘員を攻撃対象としてはならない、という戦時国際法の理念を踏みにじるものではないでしょうか。

 ロシアからすれば、すべてのウクライナ人を自分たちを攻撃してくる「戦闘員」とみなさなくてはならないのですから、非戦闘員だからといって気を許すこともできません。

 ゼレンスキー大統領自身に、非戦闘員の国民を守る気持ちはない、といっていいでしょう。

 このブチャ事件をきっかけに、NATOは、さらに攻撃的になっています。NATO加盟国であるチェコがウクライナ軍に数十台の旧ソ連製戦車(T72)を提供し、ポーランドもT72を提供すると見られています。

 英国はウクライナに装甲車を提供する計画です。英国は訓練実施のために英軍兵士らをウクライナに隣接する国に派遣するとものべています。英紙タイムズは、対戦車・対空ミサイルを含むさらなる支援が、今後数日中に発表されると報じました。これでは、ウクライナを「戦場」とした争いは終わるはずがありません。

【速報3582】産経、6日:NATO加盟国であるチェコがウクライナ軍に戦車を提供した。2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以後、外国政府がウクライナに戦車を提供したのは初めて。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1511701781482700805

【速報3656】ロイター、6日:英国はウクライナに装甲車を提供する計画を策定していると、英紙タイムズが国防関係者の話として報じた。マスティフのような防護警備車両や、ジャッカルなど偵察・長距離警備に使用できる車両の提供が含まれている。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1512061400046530565

 米国、そしてNATOのトップが、戦争は「数年単位になる」と発言しました。

 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は5日、下院軍事委員会の公聴会で、ロシアの全面侵攻によるウクライナでの戦争について「少なくとも数年単位になる」と述べ、長期化するとの見通しを示しました。

【速報3588】時事、6日:米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は5日、下院軍事委員会の公聴会で、ロシアの全面侵攻によるウクライナでの戦争について「少なくとも数年単位になる」と述べ、長期化するとの見通しを示した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1511702858261229571

 岩上安身は、これが「米国の本音」だとツイートしました。

 「米国の本音が明らかになり始めた。これは、対テロ戦争の始まりの時ととても似ている。チェイニーが同時多発テロの直後に、この戦争は何年も何十年も続く、と言った言葉が思い出される。同時多発テロはきっかけに過ぎない。同様に、ロシアによるウクライナへの侵攻も長い戦争開始のきっかけに過ぎない」
@iwakamiyasumi
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1511718233119735809

 NATOのストルテンベルグ事務総長も、「現実的な姿勢を取り、この戦争が何カ月、あるいは何年もの長期にわたって続く可能性を認識する必要がある」と述べています。

【速報3653】CNN、7日:NATOのストルテンベルグ事務総長は、「ウクライナ全土を支配し、国際秩序を書き換えようとするプーチン大統領の野心に変化があったことを示す情報は目にしておらず、長期戦に備える必要がある」。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1512061214654078976

 また、欧州以外でも米国を中心に事態が動いています。

 英国、米国、オーストラリアの首脳は5日、3カ国の安全保障枠組み「AUKUS」の下、極超音速兵器の開発や電子戦闘能力の向上を巡り連携する方針で合意しました。

【速報3587】ロイター、5日:英国、米国、オーストラリアの首脳は5日、3カ国の安全保障枠組み「AUKUS」の下、極超音速兵器の開発や電子戦闘能力の向上を巡り連携する方針で合意した。英首相府が発表した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1511702271264178176

 岩上安身は、「米英豪で何をやろうというのだろう」とツイートしました。

 「これはどういうことだろう?極超音速ミサイルは、米国は開発段階で、実用化した中露に遅れている。追いつくために開発を急ぐのだろうが、米国一国では遅れを取り戻せなかったのか?英国とオーストラリアが技術的なパートナーになりうる?目的がわからない」
@iwakamiyasumi
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/1511708752914706439

 中国は、米英豪に反発しています。

【速報3700】テレ朝、6日:アメリカとイギリス、オーストラリアが極超音速兵器を共同開発すると表明したことに対して、中国外務省は「目的はアジア版のNATOだ」と反発しました。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1512073525670346753

 米国はウクライナ問題の傍ら、東アジアにも手を伸ばしています。台湾のミサイル防衛システム「パトリオット」の維持・運用を支援するため、訓練や装備など最大9500万ドル(約117億円)相当の売却を承認したと発表しました。

 まさにウクライナと同じ構図が、見て取れます。

【速報3704】AFP、6日:米国は5日、台湾のミサイル防衛システム「パトリオット」の維持・運用を支援するため訓練や装備など最大9500万ドル(約117億円)相当の売却を承認したと発表。中国による侵攻が懸念される中、台湾は防衛力強化に役立つと歓迎した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1512075848282963969

 そんな中、日本の防衛省も、英国の軍事企業BAEとの関係を深め、さらに、「スタンドオフミサイル」の射程を伸ばそうとしています。

【速報3706】AviationWire、6日:航空宇宙防衛大手の英BAEシステムズは4月6日、日本に子会社「BAE Systems Japan 合同会社」(BAE Systems Japan GK、東京・赤坂)を設立したと発表した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1512075988817317890

【速報3710】東京、6日:「12式地対艦誘導弾(SSM)」改良型の早期実用化に向けた予算確保などを求めた。現在は900キロ程度の射程をさらに延ばすことも想定しているとみられる。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1512076156685918211

 米露の代理戦争の戦場と化したウクライナの人々が大国間の思惑の中でどれだけの犠牲を出し、苦しんでいるか見えていないのか、見えてはいても、それをさらなる戦意高揚の材料としか考えていないのではないでしょうか。ブチャ事件に対する米国の扱いは、ブチャの市民を悼むのではなく、それの遺体の姿を「政治利用」しようとする思惑があからさまです。このまま米国が中国を挑発し続ければ、日本と台湾にミサイルを配備させられ、中国が当然それを標的とし、米中の代理戦争の戦場となることでしょう。このままでは、我々が東アジアのウクライナになる日がいずれくるのではないでしょうか。

 バイデン大統領は2021年12月27日、連邦議会が取りまとめた2022会計年度の国防権限法案(NDAA)に署名しました。国防予算総額はトランプ政権下の前年度比約5%増で、7700億ドル(約95.5兆円)でした。

 21年度末のウクライナ軍支援に3億ドル(約3718億円)、欧州防衛イニシアチブに40億ドル(約4兆9574億円)、バルト海の安全保障協力に1億5000万ドル(約1859億円)を割り当てていました。欧州向けの予算はいわば対露戦略であり、合計44.5億ドルを計上しています。

 その後、ロシアのウクライナへの侵攻をうけて、ウクライナに追加で16億ドル(約1兆9835億円)の軍事支援をしています。当初の3億ドルに16億ドルを加え、合計19億ドル(約2兆3554億円)の支援で今後もさらに追加される可能性がありますが、それでも60.5億ドル(約7兆5003億円)です。

 実は米国は、対中国戦略として「太平洋抑止イニシアチブ」に71億ドル(約8兆8014億円)を計上しています。現在戦争中で次から次へと追加支援を繰り出しているウクライナ支援を加えた対露予算よりも、対中国予算の方が10億ドル以上多いのです。米国は対ロシアに集中しているかのように見えますが、本当に警戒している相手は中国であることが、この予算からわかります。

※米国防権限法が成立、バイデン大統領が署名=ホワイトハウス(ロイター、2021年12月28日)
https://jp.reuters.com/article/usa-defense-biden-idJPKBN2J611E

 日本は米国のいうがままに、日本列島にミサイルを配備し、また米軍のミサイルも受け入れようとしています。しかし、このままでは、米中戦争が発火した時には、ウクライナのように、日本と台湾が戦場になります。

■<IWJ取材報告>「指定弁護士が要求した証拠調べを行わなかったことによって、裁判所はどのような事実を見過ごしたのか? ちゃんと認識して欲しい!」福島原発告訴団弁護団が約370ページの意見書を東京高裁に提出!~4.5 東京高裁は被害者の声を聞け!長期評価の信頼性を認め有罪判決を!記者会見

 東電刑事裁判の控訴審をめぐり、福島原発刑事訴訟支援団は2022年4月5日、「東京高裁は被害者の声を聞け! 長期評価の信頼性を認め有罪判決を!」と題した活動の一環として、東京高裁に福島原発告訴団弁護団による意見書を提出し、その後、午後1時30分より、東京・司法記者クラブで記者会見を行いました。

※福島原発告訴団弁護団意見書(福島原発刑事訴訟支援団、2022年04月5日)
https://shien-dan.org/written-opinion-20220405/

 2019年9月19日、東京地裁は、福島第一原子力発電所の事故について、「巨大津波への対策を怠り、44人を死亡させた」として、業務上過失致死傷罪で起訴されていた東電の旧経営陣3人(勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、および武藤栄元副社長)に無罪判決を言い渡しました。

※東電刑事裁判 判決言渡し「記者会見」(司法記者クラブ) 2019.9.19
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/457548

※旧経営陣らの無罪判決を受け、報告集会から緊急の判決・抗議集会へ!! 「人をこんなに苦しめておいて、それでも責任取らなくていいんでしょうか? 」~9.19東電刑事裁判 判決言渡し「裁判報告会」 2019.9.19
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/457550

※「司法の歴史に汚点を残す判決だ!」福島原発刑事訴訟 東電元経営陣3名「全員無罪」?! ~岩上安身によるインタビュー 第960回 ゲスト 福島原発告訴団弁護士・海渡雄一氏 2019.9.28
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/458167

 その後の控訴審は、2021年11月2日に第1回公判、2022年2月9日に第2回公判が行われました。

※「高裁は証人尋問と現場検証をすべき!」東電の旧経営陣3被告に対する福島原発事故・刑事裁判の控訴審第2回公判に向け海渡弁護士らがメディアに訴え!~1.14 東電刑事裁判・控訴審第2回公判期日についての記者レク 2022.1.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501106

※東京高裁は証人尋問も現場検証も拒否!「現場も見ないで何を判断するんだ!」弁護団は怒り心頭!~2.9東電刑事裁判・控訴審第2回公判期日後の記者会見 2022.2.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501946

 第3回の公判は、6月6日に開廷予定であり、そこで結審となる予定です。

 十分な現場検証も行われないまま、6月6日の第3回公判で結審を目論む東京高裁の姿勢に対し、弁護団は、千葉避難者訴訟の東京高裁判決が認めた長期評価の信頼性と、原発事故の過酷な被害の事実認定の読み込みと公正な判断を求めた、約370ページに及ぶ渾身の意見書を提出しました。

 なぜ、このような意見書を提出したのか?──その理由について、告訴人代理弁護団の海渡雄一弁護士は、次のように説明しました。

 「刑事裁判にて取り調べた証拠にもとづいて、どういうことが認定できるか? ということについて書いた部分が(全体の)7~8割です。(中略)我々の『証拠理解』というものを、かなり詳細に展開しました。

 ただ、我々としては、裁判所が見ようとしなかったこと、裁判所が取り調べなかったこと、東京地裁での証人尋問でどういう証言がなされたのか、そういうことも全部書きました。

 証拠法則的には禁じ手かもしれませんが、この事件というのはやはり、日本の近代史の中でも最大級の公害事故で、大変な被害をもたらした。

 その真相を究明することが、裁判所にとって非常に大きな任務になっていて、そして、指定弁護士が要求した証拠調べを行わなかったことによって、裁判所は、どのような事実を見過ごしたのか、ちゃんと認識して欲しい」。

 また、福島原発告訴団副団長の佐藤和良氏は、「被災者・被害者としては、最後の最後まであきらめず、逆転判決を求めていきたい」と訴えました。

 詳細は、ぜひ全編動画を御覧ください。

※「要求した証拠調べを行わなかった裁判所がどのような事実を見過ごしたのか」福島原発告訴団弁護団が約370ページの意見書を高裁に提出!~4.5 東京高裁は被害者の声を聞け!長期評価の信頼性を認め有罪判決を!記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504392

■<IWJ取材報告>衆院選後の憲法審査会の拙速な運営に法律家が警鐘!「何を議論するかよりもとにかく審査会を開くことに意味があると言わんばかりの圧力。改憲派の勢いが吹き荒れている!!」~4.7 いま、憲法審査会は? 4・7院内集会

 4月7日午後1時より、東京都千代田区の衆議院第二議員会館にて、「改憲問題対策法律家6団体」、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の共催により、「いま、憲法審査会は? 4・7院内集会」が開催されました。

 集会冒頭、憲法審査会の委員である立憲民主党の近藤昭一衆議院議員が、憲法審査会について次のように報告しました。

 「今日も憲法審査会がありましたけれども、なかなか厳しい。昨年の総選挙、私どもの政党もなかなか厳しい結果でありました。そして、今は、国民民主党もですね、この憲法審査会については、『とにかく開け、開け』と、こういう圧力でありまして、なかなかこれに抗し切れないというところであります。

 ただ、改憲ありきの議論には応じることはできない、ということ。また、今日も、実は、これまでの議論を与党側(自民党・新藤義孝衆議)がとりまとめるようなことを言い始めましたけれども、今日の委員会でのとりまとめは『絶対にダメだ』ということで、抗してきているところです。

 また、国民投票法案も不備があるということです。ご承知のとおり、これまでの議論の中で、与党の人もですね、いわゆる放送協会や日報連が『自主規制する』と言ったのに、そのことを後でひっくり返したわけです。自民党、与党の人もそれは『おかしい』と認めているわけです。

 そういった意味では、国民投票法案がきちっとできないうちは、それをまずやるべきだ。公平な、つまり国民の皆さんの声をきちっと反映することのできる国民投票法案でなければならない」。

 続いて、「法律家6団体」の大江京子弁護士が、「衆議院選挙後の改憲法審査会の動向」について、次のように危機感を訴えました。

 「昨年までの憲法審査会の雰囲気とは随分と変わってしまった。ガラッと変わっちゃったなと思う人が多いのではないでしょうか。

 昨年までは『改憲手続法』の改正をめぐって、丁々発止のやりとりがあったり、あるいは『安倍改憲4項目』、安倍の強引な改憲案を憲法審査会に持ち込んだことに対して、国民の多くが反発し、怒り、3000万署名をはじめとして、『一方的な改憲は許さない』という市民の力で、いわば、憲法審査会の中で、手続法の改正問題も進ませなかったし、もちろん改憲本体の議論も進ませなかった。

 立憲野党と市民が団結して、無謀な改憲案を進ませないということで頑張ってきました。

 ところが、今国会は、毎週開催、毎週開催との圧力、何を議論するかよりも、とにかく開くことに意味があると言わんばかりの圧力。改憲派の勢いが吹き荒れている」。

 さらに、田中隆弁護士は、「オンライン審議・任期延長問題など、今何が議論されているのか」と題して、以下のように語りました。

 「大江さんがおっしゃったように、(憲法審査会が)毎週開催されているんですよ。我々弁護士が日常的な仕事にしている民事裁判なんて、大体、月に1回なんですね。これを毎週やって、もつ弁護士がいるかというと、簡単に、もたないです。

 その審査会ですが、毎週のように局面が変わります。今日は、『任期延長』で、何かのとりまとめ文書が作られちゃうんじゃないかということを大変心配致しまして、(中略)そんな際どいことをやっています」。

 その後の、質疑応答、集会アピール採択、行動提起など、集会の詳細については、ぜひ全編動画を御覧ください。

※衆院選後の憲法審査会の拙速な運営に法律家が警鐘!「何を議論するかよりもとにかく審査会を開くことに意味があると言わんばかりの圧力。改憲派の勢いが吹き荒れている!!」~4.7 いま、憲法審査会は? 4・7院内集会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504435

■<新記事紹介>【特別寄稿】鈴木宗男参院議員が勉強会「東京大地塾」でウクライナ問題での感情的なロシア糾弾を「歴史をどれだけ勉強しているのか」と批判! 元外務官僚で作家の佐藤優氏は「核を持って内にこもるロシア」を懸念!

 ロシアによるウクライナ侵攻で、日米欧の西側メディアや政治家が、ロシア糾弾、ゼレンスキー大統領称賛でほぼ一色に染まる中、事態の推移を多角的かつ冷静にとらえて分析をしているのが、鈴木宗男参議院議員です。

 フリーランスジャーナリストの横田一氏が、3月23日、鈴木議員が参議院議員会館で開催した支持者向けの勉強会「東京大地塾」を取材しました。

 自らのブログ「ムネオ日記」(2月26日)や「われ『ロシアの工作員』と呼ばれようとも」(月刊日本4月号)と銘打った記事の中で鈴木議員は、ロシアの侵攻は厳しく非難されるべきと指摘した上で「話し合いによる解決を拒んだのはゼレンスキー大統領ではないか」「ロシアを糾弾するだけでは日本の国益は守れない」とも主張しています。

※2月26日(土)(花に水 人に心 ムネオ オフィシャルブログ)
https://ameblo.jp/muneo-suzuki/entry-12728963722.html?frm=theme

 鈴木議員は「東京大地塾」の冒頭の挨拶で、こうした主張に「ロシア寄り」といった批判が相次いだが、それでも自らの主張を変えることはないと宣言しました。

 「東京大地塾」には元外務官僚で作家の佐藤優氏が同席します。前半で基調講演のような解説(分析)をした後、鈴木議員と一緒に後半の質疑応答にのぞむという二部制になっており、この日も鈴木議員の挨拶のあと、佐藤氏がロシアのウクライナ侵攻について説明を行いました。

 以下に、横田一氏による特別寄稿の目次を掲載します。

(記事目次)
・佐藤優氏が指摘!「日本に資産がないのにプーチン大統領の個人資産を凍結したのは、『おまえとは付き合わない』というメッセージ。岸田さんがいる限り、あるいはプーチンさんがいる限り、日露関係は動かない」
・鈴木宗男氏「『ロシアの侵略侵攻、力による国家主権の侵害はいけない』。これを前提にして、同時に、なぜここに至ったのかは双方に問題があるのではないか」
・佐藤優氏「均衡を失するほどロシアのやっていることが激しくなってしまった。一種の被害妄想。ウクライナ側の瑕疵の議論すらできないような酷い状態になっている」
・佐藤優氏「ロシアはもはや西側に理解されようと思っていない。『どうせ西側には我々のことは分からない』という内側にこもってしまっているロシアは怖い」
・鈴木宗男氏「民主主義と言うのは約束を守るのが前提。(ウクライナは)ミンスク合意を守っていくのが一番」。佐藤優氏「ロシアと話し合って妥協すれば、ゼレンスキーさんは周りの人たちから降ろされてしまう」
・佐藤優氏「ロシアは内側にこもっていて謎の国なのだというところに戻っていくのではないか。しかし、そのロシアは核兵器を持っている。この状況は良くない。あの国を閉ざさないようにしないといけない」
・鈴木宗男氏「歴史をどれだけ勉強しているのか。ウクライナ問題は今だけの話ではない。今の感情的な、今の現象面だけを見て『いい』とか『悪い』とか言ってはいけない」

 詳しくは、ぜひ下記の記事をご一読ください!

※【特別寄稿】鈴木宗男参院議員が勉強会「東京大地塾」でウクライナ問題での感情的なロシア糾弾を「歴史をどれだけ勉強しているのか」と批判! 元外務官僚で作家の佐藤優氏は「核を持って内にこもるロシア」を懸念!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504416

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20220408

IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、浜本信貴、城石裕幸、富樫航、渡会裕、中村尚貴)

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