日刊IWJガイド・非会員版「バイデン米大統領就任式はトランプによる一時的な『狂乱』の終わりではなく米国没落の始まり!? トランプ氏は2024年の大統領選に出馬示唆! トランプ氏が影の大統領として影響力を振るう!? バイデン政権はコロナ禍と対中対立とトランプ氏による国家分断という3大難問を解決して国内を統一できるのか!」2021.01.21号~No.3052号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~バイデン米大統領就任式はトランプによる一時的な『狂乱』の終わりではなく米国没落の始まり!? トランプ氏は2024年の大統領選に出馬示唆! トランプ氏が影の大統領として影響力を振るう!? バイデン政権はコロナ禍と対中対立とトランプ氏による国家分断という3大難問を解決して国内を統一できるのか!
■<訂正のお知らせ>新型コロナの「変異種」という表記を「変異株」に統一します。
■【中継番組表】
■現在の変異株検知体制はかなり脆弱! 静岡の変異株は偶然に発見された! 現在のPCR検査法では変異株を新型コロナウイルスとして検知することはできるものの、それが変異株であることは識別できない! IWJは厚労省に直接確認!
■「自宅療養者の急増は隔離する施設を確保できていないことが原因、そのために家庭内感染も急増しているのではないか」という岩上安身の菅総理への質問に首相官邸から回答!「各都道府県が、その実情に応じて宿泊療養施設の確保を進められるよう、財政支援も含め、必要な支援を行ってまいります」との回答! しかし、感染拡大の速度が東京を上回る神奈川県では自宅療養者の健康観察を自分で!? 自宅療養で急変しても自己責任!?
■新型コロナウイルスワクチン接種は16歳以上と日経! 厚生労働省は「お答えできません」! ファイザー治験は16歳以上で実質的に若年層への接種は困難! ワクチン接種は拙速にならず、まずは徹底した検査と隔離で感染抑制を!
■新型コロナ・パンデミックに対するWHOや各国の対応を評価する独立調査委員会が、中国とWHO双方の初動の遅れを指摘! 躊躇なく強権的かつ西側ではありえないほどの速度で対処してきた中国が不十分なら、「強権」をふるえず、スローモーな対処しかできない民主主義国は一体どうしたら良いのか!? コロナ封じ込めに失敗している西側諸国が中国を非難できるのか!? したところで何になるのか!?
■全世界で感染爆発拡大!! 世界で新型コロナウイルス感染症により亡くなった人は200万人! 米国では死者40万人を越える! 日本の死者は、20日時点で4647人、重症者1014人! 他方、日本の国会では、感染拡大を後押ししたGoToキャンペーン予算をコロナ対策費へ組み換えることを要求した立憲民主党の枝野幸男代表の質問に対して、菅総理大臣はGoTo予算の組み換えを行わないと断言!!
■IWJのピンチにご支援くださった皆様、本当にありがとうございます! 心からの感謝を込めて。12月のご寄付者様のお名前を掲載させていただきます!
■<IWJサービス拡充のお知らせ>テキスト配信サイト「note」にて、IWJの記事提供をスタートしました! 記事をご購入いただければ、すぐにその場で閲覧可能です! 観たい動画、読みたい記事のリクエストを、お寄せください!
■<再配信再開のお知らせ>IWJウェブサイトの接続障害発生に伴い配信が延期されていた「『沈みゆくアメリカにしがみつくのは最悪の選択』―中国研究者の矢吹晋氏が岩上安身のインタビューで警告『アメリカは中国とうまくやっていく』岩上安身によるインタビュー第581回 ゲスト 矢吹晋氏(前編・中編・後編)」は、22日金曜日から3日連続で配信いたします!
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■はじめに~バイデン米大統領就任式はトランプによる一時的な「狂乱」の終わりではなく米国没落の始まり!? トランプ氏は2024年の大統領選に出馬示唆! トランプ氏が影の大統領として影響力を振るう!? バイデン政権はコロナ禍と対中対立とトランプ氏による国家分断という3大難問を解決して国内を統一できるのか!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 本日、日本時間1月21日の午前1時半頃(米国現地東部時間1月20日午後11時半)から、ジョー・バイデン氏は第46代米国大統領として就任式に臨みました。バイデン氏は、ジョン・F・ケネディ以来のカトリックの大統領であると同時に、歴代最高齢となる78歳での大統領就任となりました。1期が終了すると82歳となります。

※The Inauguration of Joe Biden and Kamala Harris(PIC 2021, Inc., a 501(c)(4) non-profit organization)
https://bideninaugural.org/watch/

 近代民主主義国家では、大統領就任後100日間は、一般に国民の高い支持率があり、報道機関や野党も新政権に対する批判や性急な評価を避けるため、「ハネムーン期間」と呼ばれます。歴代政権は、政策実現にとってベストなこの環境を利用し、多くの目玉政策を打ち出してきました。

 バイデン政権も、この意味では、就任後100日間という期間に何を行うかに、まず最初の注目が集まります。ウォール・ストリート・ジャーナルは、ハネムーン期間の政策として、1兆9000億ドル(約197兆円)規模の新型コロナ救済対策などを挙げています。

 また、就任式当日に署名予定の大統領令には、トランプ前大統領が離脱した、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」への復帰、また、これもトランプ前大統領が決定したイスラム教徒が多数派を占める諸国などからの渡航禁止令の解除、連邦施設内や航空機、列車、交通機関で州をまたいで移動する際のマスク着用義務付け(これもノーマスク運動の象徴となっていたトランプ前大統領の残した悪影響の排除)、コロナ経済危機によって住宅ローンや家賃を支払えなくなり、住まいを失いかけている人々の立ち退きや差し押さえ制限措置の延長などがあり、就任から10日で多くの大統領令を出す予定といいます。

※バイデン新政権、発足100日の政策目標(ウォール・ストリート・ジャーナル、2021年1月20日)
https://jp.wsj.com/articles/SB10024847682594144555204587232231708807076

 トランプ前大統領が引き起こした混乱・混沌を沈静化してゆく政策を次々と打ち出し、スムーズな滑り出しの予感がしますが、他方、国内における政策のスムーズな遂行の邪魔をする強大な障害が存在している点において、これまでの政権とは違うことも認識しておく必要があります。

言うまでもなく、その「障害」とは、トランプ前大統領の存在です。トランプ支持者による連邦議事堂乱入事件があったばかりです。あれほどまでの事件を引き起こす敵意や憎悪が、20日の就任式の一夜を経て、何事もなかったかのように沈静化してゆくと考える方が不自然です。

 大統領就任式を前にしたワシントンの様子は、「Fortress Washington(ワシントン要塞)」という言葉を生んでいます。ツイッターでは、大統領就任式を前にして連邦議会議事堂周辺に設置された鉄条網付きの柵の画像や動画が多く投稿されています。

 アトランタ・ジャーナル・コンスティテューションの政治記者、グレッグ・ブルースタイン氏は、連邦議事堂周辺に鉄条網が設置され州兵が展開している画像を4枚投稿しています。

※グレッグ・ブルースタイン氏のツイッター(2021年1月20日)
https://twitter.com/bluestein/status/1351580067881758724?s=20

 ABCニュースとブレイク・ファースト・ニュースの連邦政治記者のマシュー・ドラン氏は、連邦議事堂前を州兵を載せたトラックが横断しヘリが上空を旋回する画像を投稿しています。

※マシュー・ドラン氏のツイッター(2021年1月19日)
https://twitter.com/MattDoran91/status/1351250048852635651?s=20

 1月15日のABCニュースは、ツイッターでワシントンの動画を投稿し、セキュリティー・チームが首都周辺に続々到着する様子や道路は閉鎖され鉄条網が設置され2万人以上の警備体制が敷かれていると伝えています。

※ABCニュースのツイッター(2021年1月15日)
https://twitter.com/ABC/status/1349742577159966725?s=20

 1月19日には、CNNのマニュ・ラジュ記者が銃を持った大勢の州兵が連邦議事堂周辺の道路を展開する動画を投稿しています。まるきり、戦場のようです。

※マニュ・ラジュ記者のツイッター(2021年1月19日)
https://twitter.com/mkraju/status/1351533801973886978?s=20

 また、岩上安身のインタビューで好評を博しているエコノミストの田代秀敏氏は、米国では内乱が起きていると指摘し、次のようにIWJにコメントを寄せています。

 「“Fortress Washington”
平和的な政権交代が期待できなくなった『自由と民主主義の国』の首都が要塞と化しています。
鉄条網とフェンスと軍隊とに囲まれ、20日に、第46代大統領が就任します。世界に誇ってきた『法の支配』の帰結として…
米国ABCがTwitterで公開している映像です」

「兵隊達が雑魚寝しているのは、イラクやシリアの戦場近くの建物の中ではありません。ワシントンD.C.の連邦議会議事堂(Capitol)の中です。連邦議会議事堂に軍隊が入るのは、内乱(Civil War)の最中の1861年以来160年ぶりのことです。比喩でなく、アメリカでは内乱が起きています」

 岩上安身はこうした情景を見て、ツイッターで次のように感想を述べています。

 「鉄条網でホワイトハウスを囲み、その中では兵士が雑魚寝。内戦下で、大統領が就任式をするようなものです。僕は実際に内戦下のグルジアにて、大統領と敵対する首相と両方にインタビューしたことがあるので、似通った光景だと思います。そこで血が上った若い民兵に銃を突きつけられました。異様な興奮が米国を支配しているのだろうなと察します」

 議会の政治基盤としても、民主党と共和党は拮抗しており、国民の支持率としても、トランプ前大統領は、7380万票以上の票(バイデン氏は8001万1000票以上)を集め、その得票数は米史上2番目の多さであり、それだけの影響力を有しています。その支持層の一部は、すでに見てきた通り、トランプ氏の掛け声一つで連邦議事堂に乱入するほどの熱量があります。

 さらに、トランプ氏は、2024年の大統領選出馬を示唆しています。また、新党を結成することも表明しています。トランプ氏のこの熱量は今後4年間続くのではないかと思われます。

※トランプ氏、次期政権の成功祈ると表明-バイデン氏には直接触れず(ブルームバーグ、2021年1月20日)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-19/QN770PDWRGG301

 バイデン新大統領は、コロナ禍と対中対立とトランプ氏による分断という3大難問を解決して国内統一を実現できるのでしょうか。米国の混乱による火の粉は、世界がかぶることになります。日本の我々にとっても他人事ではすまされません。

■<訂正のお知らせ>新型コロナの「変異種」という表記を「変異株」に統一します。

 一昨日、IWJ記者が厚生労働省結核感染症課へ電話取材したときに「変異種」という表現は誤りであるというご指摘を受けました。

 コロナの変異は、コロナ種というカテゴリーの中の変異であるため、正しくは、「変異株」と表記すべきであるという趣旨のご指摘です。

 変異種と表記すると、種自体が変わることを意味し、コロナではなく、たとえば、インフルエンザ等への変化を意味してしまうということでした。厚労省のご指摘に感謝します。IWJでは、これまでの記事等の表記でも訂正するとともに、今後、コロナの変異株については、統一的に「変異株」と表記いたします。

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◆中継番組表◆

**2021.1.21 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】11:00~「日本外国特派員協会主催 日本被団協 児玉三智子氏、日本被団協 和田征子氏、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN) 川崎哲氏 記者会見 ―内容:核兵器禁止条約について」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「日本外国特派員協会(FCCJ)」主催の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた核兵器関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%a0%b8%e5%85%b5%e5%99%a8
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【IWJ・Ch3】17:00~「東京電力 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch3

 東京電力による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた東京電力関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e9%9b%bb%e5%8a%9b

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◆中継番組表◆

**2021.1.22 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【タイムリー再配信 840・IWJ_YouTube Live】20:00~「『沈みゆくアメリカにしがみつくのは最悪の選択』──中国研究者の矢吹晋氏が岩上安身のインタビューで警告 『アメリカは中国とうまくやっていく』岩上安身によるインタビュー 第581回 ゲスト 矢吹晋氏(前編)」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 2015年9月に収録した、岩上安身による矢吹晋氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた矢吹晋氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%9f%a2%e5%90%b9%e6%99%8b

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/262787

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

経産省の有識者会議で、原発の新増設や建て替えが議論されている事を問われて「新設についてはまったく視野にないし、準備をしなければならないとは考えていない」1.20~原子力規制委員会 更田豊志委員長 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/487859

飲食業者と感染者が行政の要請に従わない場合の罰則を規定するコロナ対策特措法案と感染症法案を与党が了承! ところがその日の会見で、西村大臣も各社記者もそのことに一切言及せず!~1.18西村康稔 新型コロナ対策担当大臣会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/487815

れいわ新選組 山本太郎代表「『コロナが来てから緊急事態』ではなく、『コロナが来る前から緊急事態だった』という認識をどのくらいの政治家が共有しているか?」~1.18れいわ新選組 山本太郎代表 通常国会開会日 記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/487806

「PCR検査を受ける権利も保証せず、罰則を国民に課すことは理不尽ではないか?」IWJ記者の質問に、西村大臣は「罰則を課す際も文書を発出し、理解を得ながら進める!」~1.19西村康稔新型コロナ対策担当大臣定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/487832

対コロナ戦争における世界で一番の戦勝国、中国! 新型コロナウイルスの感染が始まった場所であるにも関わらず、命も経済も守り切った中国に垣間見る「ポスト・コロナ」の世界! 中国通エコノミスト・田代秀敏氏による解説を特別公開!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/487881

死者数を「鼠算式」に増やす英国型変異株の恐怖!! 感染率50%アップで死者数が従来の株の7倍以上! 震撼すべき欧州の変異株は、すでに日本国内の我々のそばにまで迫っている! 対岸の火事ではない!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/487462

コロナ禍による解雇等全国で約8万人! 路上生活者急増! IWJは炊き出し支援等の団体に緊急取材! 他方、国民に5人以上の会食控えるよう要請した菅総理や自民幹部という、コロナ弱者の高齢者7人が銀座高級ステーキ店で忘年会!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/487164

新型コロナウイルスの蔓延は「ウイルスの責任」!? IWJ記者による新型コロナ特措法や感染症法の改正案についての質問に飛び出した、現職大臣の珍回答!1・19田村憲久 厚生労働大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/487828

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■現在の変異株検知体制はかなり脆弱! 静岡の変異株は偶然に発見された! 現在のPCR検査法では変異株を新型コロナウイルスとして検知することはできるものの、それが変異株であることは識別できない! IWJは厚労省に直接確認!

 昨日もお伝えした静岡県の英国変異株の市中感染事例ですが、1月20日現在、国内の変異株は計43例で、そのうち国内11例(英国株)、空港検疫32例(英国株27例、南ア株5例)が確認されています。このほか、ブラジルから入国した患者等から英国と南アで報告された変異株と共通の変異を認める変異株が4例確認されています。

 昨日、厚労省に取材する中で、疑問点が出てきましたので、改めて、厚労省結核感染課に確認の取材をしました。

 その疑問とは、第1に、現在のPCR検査で、変異株でコロナの偽陰性になることはないものの、それが変異株かどうか確認できるのか、というものです。

 第2に、変異株の検出には、現在、PCR検査プラス感染研による詳細なゲノム解析という体制で、検出しているが、それは何かしら疑わしいと思われる検体に対してであって、疑わしくない検体についてはスルーしてしまうのではないか、という点です。

 第3に、市中感染である静岡県の事例は、なぜ、どのように、それが変異株であると識別できたのか、ということです。

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■「自宅療養者の急増は隔離する施設を確保できていないことが原因、そのために家庭内感染も急増しているのではないか」という岩上安身の菅総理への質問に首相官邸から回答!「各都道府県が、その実情に応じて宿泊療養施設の確保を進められるよう、財政支援も含め、必要な支援を行ってまいります」との回答! しかし、感染拡大の速度が東京を上回る神奈川県では自宅療養者の健康観察を自分で!? 自宅療養で急変しても自己責任!?

 東京都の発表によると、1月20日現在、新型コロナで入院している人は、軽症・中等症と重症をあわせて2893人。これに対して、自宅療養者は8965人、宿泊療養者は876人です。

 一方、「入院・療養調整中」は、6799人にのぼります。

※都内の最新感染動向(東京都)
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

 「入院・療養調整中」とは、検査で陽性と判定されたものの、入院先や宿泊療養先が決まらず、自宅で待機しているという状態です。東京都では、感染者が急拡大したことにより、陽性が確認された患者をその日のうちに受け入れ先を調整することができなくなっており、優先度をつけて調整しています。

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■新型コロナウイルスワクチン接種は16歳以上と日経! 厚生労働省は「お答えできません」!ファイザー治験は16歳以上で実質的に若年層への接種は困難! ワクチン接種は拙速にならずまずは徹底した検査と隔離で感染抑制を!

 新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、政府が接種対象を当面16歳以上とする方向で検討していると、1月19日、日本経済新聞が速報を出しました。厚労省は、海外で実施した臨床試験(治験)の対象が16歳以上となっており、すでに接種を始めている米国や英国の接種対象も16歳以上であることから、ワクチンの接種対象を16歳以上とする方向になったとしています。

※コロナワクチン、接種対象16歳以上 政府検討(日本経済新聞、2021年1月19日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF19C6Q0Z10C21A1000000

 IWJでは、この記事について事実かどうかを確認するべく、厚生労働省健康局予防接種課に問い合わせました。なかなか担当者につながらず、3回目でやっと電話がつながりました。IWJから冒頭の記事は事実でしょうかと質問したところ、予防接種課は「それは薬事承認の問題ですので、こちらではお答えできません」とのこと。

 結局、結核感染症課や医薬品審査管理課とたらい回しになった挙句、「今日は担当者不在のため後日改めてお問い合わせください」ということになってしまいました。あくまでも推測ですが、ワクチンをめぐって関係各所が忙殺されているか、箝口令がしかれているのかもしれません。日経の記事が「飛ばし」なのか「スクープ」なのか、少なくとも1月20日時点で厚労省にこれだけ問い合わせても、ウラを取ることはできなかったことは皆様にご報告しておきます。

 厚生労働省は2月中旬にはファイザー社とバイオンテック社が開発したワクチンを承認し、2月下旬から接種を始めることを目指しています。ワクチン接種の優先順位は昨年末にすでに議論されています。

 12月25日に開催された第43回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会の資料1.1「新型コロナウイルスワクチンの接種順位等について」によれば、摂取の優先順位は、1)医療従事者400万人、2)高齢者(65歳以上を想定)3600万人、3)基礎疾患を有する者820万人、4)高齢者施設等の従事者200万人、5)60~64歳750万人とし、合計5770万人を最も優先度の高いグループとしています。

 同資料で、厚労省はワクチン接種の優先順位について「ワクチンの接種に当たっては、ワクチンの特性に加え、接種対象となる者の年齢や医学的な背景等を踏まえた新型コロナウイルス感染によるリスクを勘案し、総合的に接種の判断をすることが必要」だとし、ベネフィットとリスクの兼ね合いで決めるとしています。

 資料の中で引用されている米国CDC「COVID-19 Hospitalization and Death by Age」(2020年8月18日)によれば、18-29歳を基準値1とした場合、新型コロナウイルスで死亡するリスクを年齢別に見ると、年齢 0-4歳が0.11、5-17歳が0.06、18-29歳が1(基準値)、30-39歳が4、40-49歳が10、50-64歳が30、 65-74歳が90、75-84歳が220、85歳以上が630とされています。

 つまり、17歳以下と86歳以上では、死亡リスクがおよそ1万倍違うのです。

 同資料は、重症化予防等の有効性というベネフィットと副反応等のリスクを比較し、「感染症による重症化・死亡のリスクが低い場合、副反応等のリスクが(高齢者など重症化・死亡のリスクが高い場合と)と同じでも、有効性がリスクを下回りうる」集団があるとしています。そして、具体的には「ある年齢層の重症化リスクが極めて低い場合」をあげています。

 ここで例としてあげられている「ある年齢層」は、リスクが基準値の10分の1程度の17歳以下の人々をさすと思われます。

 また、ファイザー社の新型コロナワクチン国際共同第3相試験は「16歳以上の計43,548人(うち、43,448人に接種実施)」が対象、アストラゼネカ社の新型コロナワクチン 第2/3相臨床試験中間は「18歳以上の計23848人を組み入れ(うち、11636人を対象に中間評価を実施)」です。

 ワクチンの開発会社も、若い世代への治験は行なっていません。これでは、情報不足で、16歳以下へのワクチン接種は困難であると推測されます。

※新型コロナウイルスワクチンの接種順位等について(厚生労働省、2020年12月25日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000711249.pdf

 ただし、新型コロナウイルスは若い人でも感染すると後遺症が残るという事例も多く報告されており、特に新しい変異種では子供でも感染しやすいという報告もされています。

 ワクチン接種のスピードは、経済再生の切り札であるとされています。それだけではなく、いまだに、菅総理や加藤勝信官房長官ら、政府のワン・ツートップ、そして東京五輪組織委員会会長の森元総理らをはじめとする五輪関係者らは、東京五輪の開催に準備を続行することをアナウンスし、中止や無観客試合などを検討していない旨を繰り返し発信しています。各種世論調査で国民の約8割が、五輪の開催に反対しているにもかかわらず、国民の不安にまったく耳を傾けようとしていません。

 政府も五輪関係者も、ワクチンの接種さえ急げば、五輪の強行開催ができると本気で考えているなら、開催が7月に迫る中で、安全性の確認や本当に接種すべき対象者を見落としたまま、ワクチン接種が強硬に進められてしまう可能性もあります。ワクチンは確かに切り札の1枚ですが、副反応被害で死亡例も報告されており、拙速になることのないよう、何よりも検査と隔離で感染抑制を進めることが先決ではないでしょうか。

 また、五輪開催は、全世界が感染爆発を起こしている状況を見れば、ほぼ不可能であることは子どもでも想像がつきます。日本国内だけ、仮に一時的に鎮静化に成功したとしても、全世界のアスリートと関係者、観客が集まって初めて可能になる大会なのですから、世界の状況を見ていれば答えは明白です。

 また一方で、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は、富裕国がワクチンを買い占め、先行的にワクチン接種を進めている現状を憂えて、1月18日の執行理事会で「世界は悲惨な道徳的失敗の危機に瀕している」と述べました。テドロス事務局長は、先進国や製薬企業に、途上国を含めて公平なワクチンへのアクセスが実現するように貢献を求めています。

 WHOはワクチンを共同調達して公平に分配する枠組み「COVAXファシリティー」をつくっています。しかし、一部の先進国が、自国分を確保するために、COVAXに先回りして製薬会社と取引をすすめ、ワクチン価格を押し上げている、「豊かな国の若くて健康な成人が、貧しい国の医療従事者や高齢者より先に接種を受けるのは正しくない」と、テドロス氏は批判しています。

 テドロス氏は、これまでに少なくとも49の高所得国で計3900万回分以上のワクチンが投与された一方、アフリカのギニアを想定して「最低所得国での投与はたったの25回だ」とも指摘しています。

 新型コロナウイルスの脅威には、国境がありません。ワクチン接種は日本国内の問題だけではなく、世界共通の問題でもあります。日本ではこうしたグローバルな視点からの公平性についての議論が低調ですが、もっと真剣に議論されるべきです。

※ワクチンの公平な分配「失敗の危機」 WHO事務局長(朝日新聞、2021年1月19日)
https://www.asahi.com/articles/ASP1M2F7QP1MUHBI005.html

■新型コロナ・パンデミックに対するWHOや各国の対応を評価する独立調査委員会が、中国とWHO双方の初動の遅れを指摘! 躊躇なく強権的かつ西側ではありえないほどの速度で対処してきた中国が不十分なら、「強権」をふるえず、スローモーな対処しかできない民主主義国は一体どうしたら良いのか!? コロナ封じ込めに失敗している西側諸国が中国を非難できるのか!? したところで何になるのか!?

 世界保健機関(WHO)は昨年7月、新型コロナウイルス・パンデミックに対するWHOや各国の対応を評価する独立調査委員会(IPPR)の設置を発表。このときWHOのテドロス事務局長は「我々は自己反省する時が来た」と語っていました。

※Independent evaluation of global COVID-19 response announced(WHO、2020年7月9日)
https://www.who.int/news/item/09-07-2020-independent-evaluation-of-global-covid-19-response-announced

 独立調査委員会は、今年1月19日、第2回報告書を公表。報告書の中で中国政府とWHO、双方に初動の遅れがあったことを指摘しています。

※Documents linked to Co-Chairs’ presentation of the Second Report on Progress to the WHO Executive Board, 19 January 2021.(IPPR、2021年1月19日)
https://theindependentpanel.org/the-co-chairs-presentation-of-the-second-report-on-progress-to-the-who-executive-board-19-january-2021-2/

 2019年12月に中国・武漢で新型コロナウイルスが発見されてから1年強になります。当初、中国では「新型肺炎」の流行を警告した医師・李文亮氏が、虚偽の発言をしたとして警察による捜査を受け、処分されたり、「デマを広めた」として中国メディアに報じられました。

 李医師は患者の治療中に新型コロナウイルスに感染し、2月に死去。中国政府は3月に、李医師の新型肺炎の流行抑制への寄与を評価し、表彰しましたが、政府への批判をかわす狙いがあったと見られています。

 初期の警告を真剣に受け止めていれば、その後の対応が違った可能性はあります。しかし他方、認識の甘さを認めた中国政府はその後、方針を撤回し、果断に新型コロナ対策に取り組み、2020年1月23日から武漢のロックダウンを開始し、その後4月まで続行することで感染拡大の抑制に成功しました。

 一方、WHOが新型コロナウイルスの発見を受けて緊急会合を行なったのは2020年1月22日で、武漢封鎖の前日のこと。さらに国際的な緊急事態であることを宣言するまで、さらに1週間を要したことを独立調査委員会の報告書では疑問視しています。

 こうした独立調査委員会の報告に対して、中国側は反論しています。

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■全世界で感染爆発拡大!! 世界で新型コロナウイルス感染症により亡くなった人は200万人!米国では死者40万人を越える! 日本の死者は、20日時点で4647人、重症者1014人! 他方、日本の国会では、感染拡大を後押ししたGoToキャンペーン予算をコロナ対策費へ組み換えることを要求した立憲民主党の枝野幸男代表の質問に対して、菅総理大臣はGO TO予算の組み換えを行わないと断言!!

 ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、1月20日時点で、世界で新型コロナウイルス感染症により亡くなった人は、200万人を超え205万9千566人となりました。春の第1波で世界中が騒然とし、欧米がロックダウンに踏み切った2020年3月20日時点では、死者は1万1461人でした。それから10ヶ月で約178倍にも増えています。

※COVID-19 Dashboard by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)
https://coronavirus.jhu.edu/map.html

 世界最多の死亡者を出しているのは、死者40万人を突破した米国です。次にブラジルの21万人超、インドの15万人超と続きます。

 米国では、死者40万人を越え、大統領就任式を控えたバイデン次期大統領が追悼式典を開きました。

※バイデン次期米大統領、新型コロナ犠牲者の追悼式開催(ロイター、2021年1月20日)
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-usa-idJPKBN29P053

 厚労省の集計によると、日本の死者は、20日0:00時点で4647人です。上記の国々とは桁が違いますが、その一人一人にかけがえのない人生があり、死を悼む家族や親しい人々がいることを思うと、「外国よりもまだ少ない」などという心ない暴論に、心が痛みます。数字は現実の抽象化でしかありません。この死者の声なき声を聴き取ることが、生き残った者のつとめだと思います。

※国内の発生状況など(厚労省、2021年1月20日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html

 厚労省によると、1月19日時点での全国の新型コロナウイルスによる重症者数は、1014人(前日比13人増)で、増加のペースは年明け後、急激に高まっています。昨年の12月19日には593人、その前の11月19日には296人でした。

 NHKの集計によると、20日当日の全国の死者の数は、同日18時30分時点で92人です。1日の死者数も、2ヶ月前の11月20日には14人だったことを思うと、格段に増えてきていることがわかります。

※日本国内の感染者数(NHKまとめ)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/

 東京都では、20日、新規陽性者が1274人でした。1日の感染数が8日連続で1000人を超えました。また、20日時点の重症の患者は160人となり過去最多を更新しました。死者は10人でした。

※都内の最新感染動向(東京都、2021年1月20日閲覧)
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

 他方、国会では、感染拡大を後押ししたGoToキャンペーン予算をコロナ対策費へ組み換えることを要求した立憲民主党の枝野幸男代表の質問に対して、菅総理大臣はGoTo予算の組み換えを行わないと断言しました。

枝野幸男立憲民主党代表「約19兆円に及ぶ第3次補正予算のうち、新型感染症の拡大防止対策は、わずか4兆円ほど、半分以上は感染症の終息を見据えたものです。年度末の3月31日までに感染症が終息することは残念ながら期待できません。とくにGoToキャンペーンに年度内の追加予算を計上しているのはピント外れの極みです。補正予算は感染症対策に集中したものへと編成しなおし、少なくとも、GoToキャンペーンの追加予算は削除して、感染症対策に振り替えるべきです」

菅総理「3次補正予算においては、病床の確保、雇用や支援に加えコロナ予備費を確保しており、GoToキャンペーンの予算の組み換えを行わなくても、新型コロナ感染症の拡大防止策に十分な予算を確保しております。さらに来年度予算については、社会保障の見直しを始めとして、メリハリのある予算としており、5兆円のコロナ予備費により十分な感染症対策が可能な予算としております」

※【LIVE】新型コロナ対応で論戦 代表質問 立憲・枝野代表(2021年1月20日)
https://www.youtube.com/watch?v=0lTtDo1pVXE

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S.S. 様
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 1月20日に公開した最新記事は以下のとおりです。なお本日公開した新記事は、会員様であればIWJウェブサイトで追加料金なしで御覧いただけます。この機会にぜひ、会員登録もご検討ください!

【新記事】コロナ禍による解雇等全国で約8万人! 路上生活者急増! IWJは炊き出し支援等の団体に緊急取材! 他方、国民に5人以上の会食控えるよう要請した菅総理や自民幹部という、コロナ弱者の高齢者7人が銀座高級ステーキ店で忘年会! 2021.1.20
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(目次)
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・IWJが直撃取材した炊き出し支援NPOが警告!! 雇用安定施策の不足が路上困窮者をさらに増やす!!
・コロナ禍という「社会災害」に責任負う菅総理が、自民党幹部連と高級ステーキ店で忘年会! 危機意識ゼロ!!

【新記事】死者数を「鼠算式」に増やす英国型変異株の恐怖!! 感染率50%アップで死者数が従来の株の7倍以上! 震撼すべき欧州の変異株は、すでに日本国内の我々のそばにまで迫っている! 対岸の火事ではない! 2021.1.20
note(100円) https://note.com/iwjnote/n/na4867c3ab1c7
IWJ(会員様は無料) https://iwj.co.jp/wj/open/archives/487462

(目次)
・英国型変異株の「高い感染率」は、死者数を「鼠算式」に増やす!! 「高い致死率」よりも格段に死者を増やす恐ろしさ!!
・東京で30日後の死者試算! 致死率50%アップより感染率50%アップのほうが死者約5倍! 従来の株の7倍以上!
・12月は1日約150人が英国から日本に入国! 欧州の変異株は日本国内の我々のそばにまで迫っている!
・感染力の強力な恐ろしい変異株に対して、政府の行うべきは、公費による社会的検査!!

 現在公開中の記事も御覧ください。

※「変異種」は既に日本国内に侵入! ワクチン期待一点張りの日本政府はPCR検査抑制政策は変わらず!! なぜコロナ対策に失敗し続けるのか!? 岩上安身による医療ガバナンス研究所理事長・上 昌広医師インタビュー 2020.12.28(IWJnote)
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※日本学術会議任命拒否問題 菅総理はナチスの授権法の代わりに憲法15条を悪用して独裁を行なっている! その先には軍事研究への誘導がある! 岩上安身によるインタビュー 第1012回 ゲスト立命館大学大学院法務研究科教授・松宮孝明氏 前編(IWJnote)
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※日本学術会議任命拒否問題 憲法15条を授権法の代わりに悪用し独裁を行う菅総理!! 岩上安身によるインタビュー第1016回 ゲスト 立命館大学大学院法務研究科教授 松宮孝明氏 後編(IWJnote)
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IWJ編集部(岩上安身、城石裕幸、六反田千恵、塩澤由子、仲川正紀、尾内達也、木原匡康)

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